荒船部屋
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「俺、空のDVDが欲しいから」
「…………うん?」
十二月も半ば。哲次の部屋に暖房はエアコンしかないので、少し心許ない。哲次の肩にもたれて、スマホを眺めていたら、勉強中の哲次から先ほどの言葉が。
「DVD切れたの?」
「いや、あるけど。消耗品だから」
「ふーん。まあ、じゃあ買っておくね」
「…………お前、分かってないだろ」
呆れたように眉を寄せる哲次に、はてな? また私、天然かましてる? 分からない、という視線をじーっと向けたら、ため息を吐いた。失礼な。
「お前、今何月だと思ってる」
「師走ですねぇ」
「十二月のイベントといえば」
「クリスマス?」
「そういうことだ」
出ました、そういことだ! ある程度答えに近づくと勝手に話を終わらせる彼の癖だ。まあ、今回はなんとなく話が見えてきたからいいけど。本当に分からない時もあるから困った癖である。
「クリスマスプレゼント、空のDVDでいいの?」
「変なもん貰うよりはいい」
「ちょっと失礼過ぎませんか」
なにさ、私だって一応今年は何あげようか早めに悩んでるのに。背中で体当たりを繰り返し抗議すれば、逞しい腕に捕まってしまった。
「お前どうせなにも考えてなかったろ」
「そんなことありませんー今年は早めに考えてましたー」
「で? 決まったのか?」
「……検討中ですけど」
言えば、そらみろ、という顔。ちょっとムカつく。哲次は私の髪を弄りながら、頭を撫でた。子供扱いして。ムカつく。
「そういう哲次はもう決まってるの」
「そんなの当日のお楽しみだろ」
「えー私もそれやりたいんですけど」
胸に顔を埋めれば、眠気に誘われる。いいや、DVDも買ってあげて、他にもなにか用意しよう。ラッピングは、可愛すぎないけどオシャレな物を選べたらいいな。明日になったら、探しに行こう。
「絶対喜ぶ物プレゼントするんだから」
「おーおー精々頑張れ」
「さっきから酷くない!?」
さすがに大声で反発すれば、クスクスと笑い声。あ、意地悪してる。拗ねた振りでそっぽを向けば、ぶに、っと片手で両頬を摘まれた。
「不細工ー」
「うるひゃい」
「ま、お前は期待しとけよ」
にっと強気で笑う顔。私はいつまで経っても哲次には勝てないだろう。不器用で、意地悪で、かっこよくて。ずるい人。クリスマスには、ありったけの大好きとプレゼントを用意しよう。そう思いながら、今度こそ私は哲次の膝で眠る準備を始めた。
「…………うん?」
十二月も半ば。哲次の部屋に暖房はエアコンしかないので、少し心許ない。哲次の肩にもたれて、スマホを眺めていたら、勉強中の哲次から先ほどの言葉が。
「DVD切れたの?」
「いや、あるけど。消耗品だから」
「ふーん。まあ、じゃあ買っておくね」
「…………お前、分かってないだろ」
呆れたように眉を寄せる哲次に、はてな? また私、天然かましてる? 分からない、という視線をじーっと向けたら、ため息を吐いた。失礼な。
「お前、今何月だと思ってる」
「師走ですねぇ」
「十二月のイベントといえば」
「クリスマス?」
「そういうことだ」
出ました、そういことだ! ある程度答えに近づくと勝手に話を終わらせる彼の癖だ。まあ、今回はなんとなく話が見えてきたからいいけど。本当に分からない時もあるから困った癖である。
「クリスマスプレゼント、空のDVDでいいの?」
「変なもん貰うよりはいい」
「ちょっと失礼過ぎませんか」
なにさ、私だって一応今年は何あげようか早めに悩んでるのに。背中で体当たりを繰り返し抗議すれば、逞しい腕に捕まってしまった。
「お前どうせなにも考えてなかったろ」
「そんなことありませんー今年は早めに考えてましたー」
「で? 決まったのか?」
「……検討中ですけど」
言えば、そらみろ、という顔。ちょっとムカつく。哲次は私の髪を弄りながら、頭を撫でた。子供扱いして。ムカつく。
「そういう哲次はもう決まってるの」
「そんなの当日のお楽しみだろ」
「えー私もそれやりたいんですけど」
胸に顔を埋めれば、眠気に誘われる。いいや、DVDも買ってあげて、他にもなにか用意しよう。ラッピングは、可愛すぎないけどオシャレな物を選べたらいいな。明日になったら、探しに行こう。
「絶対喜ぶ物プレゼントするんだから」
「おーおー精々頑張れ」
「さっきから酷くない!?」
さすがに大声で反発すれば、クスクスと笑い声。あ、意地悪してる。拗ねた振りでそっぽを向けば、ぶに、っと片手で両頬を摘まれた。
「不細工ー」
「うるひゃい」
「ま、お前は期待しとけよ」
にっと強気で笑う顔。私はいつまで経っても哲次には勝てないだろう。不器用で、意地悪で、かっこよくて。ずるい人。クリスマスには、ありったけの大好きとプレゼントを用意しよう。そう思いながら、今度こそ私は哲次の膝で眠る準備を始めた。