荒船部屋
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お家デートが定番化してきた昼下がり。今日も哲次の家でゴロゴロしていたら、買い出しから哲次が帰ってきた。
「ほら」
「…………どうも」
最近よく起こること。なにかと説明すれば、哲次から最近レンタルショップで借りてきたCDを、よく受けとるということだ。なんの説明も無しに。哲次がレンタルショップを利用することは、よくあることというか、プレミアム会員だったと思うのだが。借りて来るのはDVDで、CDなんて滅多に借りて来ないはずだった。好きなアーティストはアルバムで揃えるタイプだったと思う……。多分。しかも、持ってくるCDがなんというか……こんな趣味だったっけ? しとやかな女性アーティストが多く、伴奏もピアノが多い。いわゆるバラードがメインだ。ちなみに、私の趣味でもない。特に説明もなく渡されるそれを、ちゃんと聴いてから返す私も言葉足らずなんだけども。
「…………これさぁ、」
「あ?」
「なんで?」
問い掛ければ、驚いたという顔。いやいや、だって説明しないじゃんよ貴方。私も滅多に聞かないけども。次第に、分かってねえのかよというような、批難する顔つきになる。いやいや。
「睨むことないじゃん」
「睨んでねえ」
「睨んでます~で? なんで?」
もう一度言えば、今度は顔を逸らした。照れているなこれは。照れることとなると、余計に説明しないんだよなそういえば。私は自分でも分かるくらいニヤケ顔になる。もっと言えば、意地の悪い顔だ。
「へーふーん。言えない事なんだぁ。内緒なんだぁ」
「……いや、そうは言って、」
「ない? じゃあ教えてくれてもいいじゃん? 私彼女ですし?」
「…………!! お前、性格悪くなったな……!!」
「『俺の彼女なんだから自信持て!』って言ったのは哲次だよ」
釣り合う自信のなかった私を、待っていてくれて、引き上げてくれたのは哲次なわけで。そんな彼のことを、からかえるくらいには私も成長したのだ。ニコニコと返答を待てば、降参とばかりに溜め息。
「……お前、覚えた曲は絶対歌うだろ?」
「ん? まあ好きな曲は歌うね」
「そういうことだ」
「いや、どういうことよ?」
すぐに話を終わらせようとするのやめてよ。それすらも、面白くて愛おしいと思う私も大概だけれども。
「~っだーかーら! お前の歌う声好きなんだよっ! そんくらい分かれよっ!」
「…………へー。ほー。ありがとう!」
「あああムカつく、その笑顔はムカつく!」
そう叫んで顔を隠し、背中を向けてしまった。ということは、この借りてきたCDは哲次が私に歌ってほしいアーティストということか。なにそれ嬉しいな。
「私、歌える曲増やすわ」
「勝手にしろ!」
耳まで赤い後頭部が愛おしい。受け取ったCDも、いつもより温かみを増したようだった。
「ほら」
「…………どうも」
最近よく起こること。なにかと説明すれば、哲次から最近レンタルショップで借りてきたCDを、よく受けとるということだ。なんの説明も無しに。哲次がレンタルショップを利用することは、よくあることというか、プレミアム会員だったと思うのだが。借りて来るのはDVDで、CDなんて滅多に借りて来ないはずだった。好きなアーティストはアルバムで揃えるタイプだったと思う……。多分。しかも、持ってくるCDがなんというか……こんな趣味だったっけ? しとやかな女性アーティストが多く、伴奏もピアノが多い。いわゆるバラードがメインだ。ちなみに、私の趣味でもない。特に説明もなく渡されるそれを、ちゃんと聴いてから返す私も言葉足らずなんだけども。
「…………これさぁ、」
「あ?」
「なんで?」
問い掛ければ、驚いたという顔。いやいや、だって説明しないじゃんよ貴方。私も滅多に聞かないけども。次第に、分かってねえのかよというような、批難する顔つきになる。いやいや。
「睨むことないじゃん」
「睨んでねえ」
「睨んでます~で? なんで?」
もう一度言えば、今度は顔を逸らした。照れているなこれは。照れることとなると、余計に説明しないんだよなそういえば。私は自分でも分かるくらいニヤケ顔になる。もっと言えば、意地の悪い顔だ。
「へーふーん。言えない事なんだぁ。内緒なんだぁ」
「……いや、そうは言って、」
「ない? じゃあ教えてくれてもいいじゃん? 私彼女ですし?」
「…………!! お前、性格悪くなったな……!!」
「『俺の彼女なんだから自信持て!』って言ったのは哲次だよ」
釣り合う自信のなかった私を、待っていてくれて、引き上げてくれたのは哲次なわけで。そんな彼のことを、からかえるくらいには私も成長したのだ。ニコニコと返答を待てば、降参とばかりに溜め息。
「……お前、覚えた曲は絶対歌うだろ?」
「ん? まあ好きな曲は歌うね」
「そういうことだ」
「いや、どういうことよ?」
すぐに話を終わらせようとするのやめてよ。それすらも、面白くて愛おしいと思う私も大概だけれども。
「~っだーかーら! お前の歌う声好きなんだよっ! そんくらい分かれよっ!」
「…………へー。ほー。ありがとう!」
「あああムカつく、その笑顔はムカつく!」
そう叫んで顔を隠し、背中を向けてしまった。ということは、この借りてきたCDは哲次が私に歌ってほしいアーティストということか。なにそれ嬉しいな。
「私、歌える曲増やすわ」
「勝手にしろ!」
耳まで赤い後頭部が愛おしい。受け取ったCDも、いつもより温かみを増したようだった。