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「うっそだぁあー!!」
私の声が部屋にこだまして反響する。陽介は笑いながら耳を塞いだ。
「うるせぇよ」
「だって、あの陽介が! 赤点回避って!」
目の前には、陽介の国語、数学の解答用紙がある。それぞれ、46点、52点と、ギリギリ赤点を回避していた。
「赤点取らなかったら、お願いひとつ聞いてくれるんだったよな」
「うっ……そうだね」
彼氏の頭の悪さを見兼ねて、赤点取らなかったらなんでもひとつ言うことをきくと提案したのが、試験の一週間前。全く期待はしてなかったのだが、まさか本当に回避するなんて。
「どーすっかなー」
何をさせられるのか、ドキドキしながら待つ。悩んでいる陽介は、とても上機嫌だ。彼女として、頑張ったご褒美をあげなくてはならないだろう。
「よし、決めた。ちゅーしてくれ。あきから。」
「へ? えええぇ!?」
「なんだよ、そんな驚くことか?」
「そんなことでいいの?」
「だって、あきからしてくれたことねーだろ」
「そうだけど……」
相当頑張っただろうから、難しいことやお金がかかるようなことをお願いされると思っていた。キスは何度かしたことがあるが、私からは恥ずかしくてしたことがない。そんなこと、とは言ったものの。
「ほら、早く」
ん、と陽介はキスを待つ。改めてそんな顔されたら余計に照れてしまう。
「……ほっぺじゃダメだよね」
「ダメ。口にしろ」
「……ねえ、他に欲しいものとかないの」
「ねえよ」
あわあわする私に痺れを切らし、陽介は両肩を掴んできた。縮まる距離に体が強張る。
「ほら、早く早く」
「目、つぶっててよ?」
「おー」
目をつぶった陽介に、鼻先まで顔を近づける。余裕そうに見えて、陽介の頬もほんのり赤くなっていた。その事実に余計鼓動が早くなる。ぎゅ、と瞼を閉じて、そっと唇を重ねた。触れ合うだけの、可愛らしいキス。離れて目を開けると、陽介の真っ黒な瞳が私を映していた。
「サンキュ」
とても満足そうに笑う彼が、とても愛おしかった。
私の声が部屋にこだまして反響する。陽介は笑いながら耳を塞いだ。
「うるせぇよ」
「だって、あの陽介が! 赤点回避って!」
目の前には、陽介の国語、数学の解答用紙がある。それぞれ、46点、52点と、ギリギリ赤点を回避していた。
「赤点取らなかったら、お願いひとつ聞いてくれるんだったよな」
「うっ……そうだね」
彼氏の頭の悪さを見兼ねて、赤点取らなかったらなんでもひとつ言うことをきくと提案したのが、試験の一週間前。全く期待はしてなかったのだが、まさか本当に回避するなんて。
「どーすっかなー」
何をさせられるのか、ドキドキしながら待つ。悩んでいる陽介は、とても上機嫌だ。彼女として、頑張ったご褒美をあげなくてはならないだろう。
「よし、決めた。ちゅーしてくれ。あきから。」
「へ? えええぇ!?」
「なんだよ、そんな驚くことか?」
「そんなことでいいの?」
「だって、あきからしてくれたことねーだろ」
「そうだけど……」
相当頑張っただろうから、難しいことやお金がかかるようなことをお願いされると思っていた。キスは何度かしたことがあるが、私からは恥ずかしくてしたことがない。そんなこと、とは言ったものの。
「ほら、早く」
ん、と陽介はキスを待つ。改めてそんな顔されたら余計に照れてしまう。
「……ほっぺじゃダメだよね」
「ダメ。口にしろ」
「……ねえ、他に欲しいものとかないの」
「ねえよ」
あわあわする私に痺れを切らし、陽介は両肩を掴んできた。縮まる距離に体が強張る。
「ほら、早く早く」
「目、つぶっててよ?」
「おー」
目をつぶった陽介に、鼻先まで顔を近づける。余裕そうに見えて、陽介の頬もほんのり赤くなっていた。その事実に余計鼓動が早くなる。ぎゅ、と瞼を閉じて、そっと唇を重ねた。触れ合うだけの、可愛らしいキス。離れて目を開けると、陽介の真っ黒な瞳が私を映していた。
「サンキュ」
とても満足そうに笑う彼が、とても愛おしかった。