荒船部屋
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哲次と私って基本的に趣味が合わない。博物館で化石に騒ぐ私、興味ない哲次。歴史の資料館で感慨深くなる哲次、然程興味ない私。アクション映画が見たい哲次、動物のドキュメンタリーが見たい私。噛み合わない。お互い、好きなことは夢中で語るんだけど、どうにも覚えていられない。私はなんか悪いなって気にしちゃうけど、哲次は別にいいみたいで。ほら、こんなとこも噛み合ってない。噛み合ってないけど、間違いなく哲次が好きで。
「今度のデート、お前の好きなとこ行っていいぞ」
なんでこんな上から目線かなぁ。思いと裏腹に、喜んだ表情になる自分がいる。
「本当!?」
「ああ。いつも映画付き合わせてるしな」
頬を親指で撫でられて、飼われた小動物のように頬をすりつけた。
それで、連れてきたのがうさぎカフェ。動物カフェにはよく通うが、うさぎさんは初めてだった。前に猫カフェ連れてった時は、猫そっちのけで置いてある漫画を読んでいたけど。今回はなにも置いてないからどうするのだろう。店員さんから、ケージに入ってる子は撫でてもいいけど出しちゃいけないとか説明を聞いて、折角だからおやつも買って。
「可愛い~もふもふ~!」
はしゃぐ私とは対照的に、哲次はじーっとうさぎを見つめる。うさぎたちはケージの中でおやつが欲しいと訴えたり、のんびり寝たり、動き回ったり。その中、目の前のケージに哲次は指を差し入れた。すると、中のうさぎは人懐こそうに指に顎をすりつけ、ぺろぺろ舐めた。
「見ろ、懐いた」
ちょっと自慢気に哲次は私に教えてきた。近寄れば、ケージには紹介が出ていて、指が好きでよく舐めてくると書いてあって。
「セイロンくんって言うんだ。可愛いね」
「くん……?」
そこで哲次も紹介プレートを見たようで、苦い顔をした。
「オスなのかよ……」
「えー……?」
動物好きの私からすれば、性別など関係なく可愛いのだが。神経質な子が多いことを考えれば、メスよりオスのが好きなくらいか。なぜ、哲次が嫌な顔をするのか分からない。疑問に思いながら、私も指を突っ込めば、セイロンは私にも同じようにぺろぺろした。
「……はあ?」
「??」
「俺に懐いたんじゃないのかよ……!」
またショックを受けて悔しそうな顔をする。可笑しくて笑ってしまった。
「そりゃ、何もしないのにそんな簡単に懐かないでしょ」
「…………」
セイロンくんに裏切られたのが悲しいのか、その後は黙々とおやつの野菜を配って回っていた。うーん、哲次は動物飼うの向いてないなーと思った瞬間である。犬嫌いだし、動物はそもそもそんなに好きじゃないんだろうな。
「苦労しそうだなー」
「何が」
「んー私将来なんか動物飼いたいしなーって。哲次と暮らすの大変そう」
思ったことをそのまま言えば、哲次は目を見開いた後真っ赤になって肩を叩いてきた。
「いった!」
「おま、外でなに言って……!」
口をパクパクさせ、もう一度叩いてくる。痛いったら。
「だって、私動物好きだし」
「知ってるわ! そこじゃねぇよ!」
「やっぱ飼っちゃダメ?」
「……勝手にしろ!」
哲次はふいっとうさぎから離れると、足組んで席に座ってお茶を飲み始めた。流石に私も照れてるのだと分かって、ほんのり頬が熱くなった。けれど、それが可愛らしく思えて好きだなと再確認した。
「でもさ、飼うなら哲次もお世話出来ないと、私になんかあった時困るよ」
「うるせえ。俺はお前の世話で手一杯だ」
私もうさぎから離れて、向かいに座りお茶を飲んだ。どちらか選ばなきゃならないなら、間違いなく哲次を選ぶだろう。どんなに噛み合わなくても、違っていても、結局そんな哲次が大好きだと思えるのである。
「今度のデート、お前の好きなとこ行っていいぞ」
なんでこんな上から目線かなぁ。思いと裏腹に、喜んだ表情になる自分がいる。
「本当!?」
「ああ。いつも映画付き合わせてるしな」
頬を親指で撫でられて、飼われた小動物のように頬をすりつけた。
それで、連れてきたのがうさぎカフェ。動物カフェにはよく通うが、うさぎさんは初めてだった。前に猫カフェ連れてった時は、猫そっちのけで置いてある漫画を読んでいたけど。今回はなにも置いてないからどうするのだろう。店員さんから、ケージに入ってる子は撫でてもいいけど出しちゃいけないとか説明を聞いて、折角だからおやつも買って。
「可愛い~もふもふ~!」
はしゃぐ私とは対照的に、哲次はじーっとうさぎを見つめる。うさぎたちはケージの中でおやつが欲しいと訴えたり、のんびり寝たり、動き回ったり。その中、目の前のケージに哲次は指を差し入れた。すると、中のうさぎは人懐こそうに指に顎をすりつけ、ぺろぺろ舐めた。
「見ろ、懐いた」
ちょっと自慢気に哲次は私に教えてきた。近寄れば、ケージには紹介が出ていて、指が好きでよく舐めてくると書いてあって。
「セイロンくんって言うんだ。可愛いね」
「くん……?」
そこで哲次も紹介プレートを見たようで、苦い顔をした。
「オスなのかよ……」
「えー……?」
動物好きの私からすれば、性別など関係なく可愛いのだが。神経質な子が多いことを考えれば、メスよりオスのが好きなくらいか。なぜ、哲次が嫌な顔をするのか分からない。疑問に思いながら、私も指を突っ込めば、セイロンは私にも同じようにぺろぺろした。
「……はあ?」
「??」
「俺に懐いたんじゃないのかよ……!」
またショックを受けて悔しそうな顔をする。可笑しくて笑ってしまった。
「そりゃ、何もしないのにそんな簡単に懐かないでしょ」
「…………」
セイロンくんに裏切られたのが悲しいのか、その後は黙々とおやつの野菜を配って回っていた。うーん、哲次は動物飼うの向いてないなーと思った瞬間である。犬嫌いだし、動物はそもそもそんなに好きじゃないんだろうな。
「苦労しそうだなー」
「何が」
「んー私将来なんか動物飼いたいしなーって。哲次と暮らすの大変そう」
思ったことをそのまま言えば、哲次は目を見開いた後真っ赤になって肩を叩いてきた。
「いった!」
「おま、外でなに言って……!」
口をパクパクさせ、もう一度叩いてくる。痛いったら。
「だって、私動物好きだし」
「知ってるわ! そこじゃねぇよ!」
「やっぱ飼っちゃダメ?」
「……勝手にしろ!」
哲次はふいっとうさぎから離れると、足組んで席に座ってお茶を飲み始めた。流石に私も照れてるのだと分かって、ほんのり頬が熱くなった。けれど、それが可愛らしく思えて好きだなと再確認した。
「でもさ、飼うなら哲次もお世話出来ないと、私になんかあった時困るよ」
「うるせえ。俺はお前の世話で手一杯だ」
私もうさぎから離れて、向かいに座りお茶を飲んだ。どちらか選ばなきゃならないなら、間違いなく哲次を選ぶだろう。どんなに噛み合わなくても、違っていても、結局そんな哲次が大好きだと思えるのである。