荒船部屋
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何の疑いもなく哲次の家に入り浸る今日この頃。夜の防衛任務明け、ふらふら哲次の家に上がり込んでお布団を借りる。哲次の匂いに包まれて、安心しきって眠っていた。ぎゅうっと掛け布団を抱きしめて、最近は恥ずかしくて出来ない頬ずりをする。夢心地でも、心にいるのはいつも哲次だ。幸せな惰眠を貪っていると、バン! と激しくドアが閉じられる音がした。ビクッと飛び起きると、イラついた顔の哲次が帰ってきていた。私の姿を見つけると、
「悪い、いたのか。驚かせたな」
と安心させるように無理に笑った。カバンを置くと、さっさと脱衣所へ行く。イライラしている哲次を見るのは、久しぶりな気がする。前はよく私にイライラしては、怒ったりすることもあったのだが。スウェットに着替えた哲次は、大股で私の側に来ると、黙って私を抱きかかえた。
「……おかえり?」
「ただいま」
それきり、また黙ってしまって、髪に触れてはキスを落とす。顔を見ようとすれば、いつもより乱暴に口付けられた。
「哲次、なんかあった?」
「……別になんもねぇよ」
「嘘だよ、なんか怒ってる」
「…………」
「私なにかした?」
その言葉にピクッと哲次は反応した。それから、ゴンッと私の頭に頭突きした。
「いたっ」
「そのなんでも自分が悪いんじゃないかって思うの、やめろよ。なんもしてねぇだろうが」
「勝手に寝てたから……」
「そんなことで怒るわけねぇだろ」
むにっと頬を摘ままれ、厳しい顔で叱られる。しゅん、と目を伏せればわしゃわしゃと頭を撫でられた。
「なんも心配すんな。なんもねぇから」
「でも、」
「いいから。な?」
「……でも、なんでも話して欲しいもん」
心配で、キュッと哲次の上着を握り締めた。顔を上げて哲次を見れば、少し雰囲気が和らいでいた。
「話して? 話したくない? 私が聞いちゃいけないこと?」
あんまり聞いたら気を悪くするだろうか? だけど、聞かずにはいられないのだ。大切な人が、1人で傷つくのは嫌だから。はぁっと哲次は息を吐き出すと、私を胸に押し付けた。
「……告白をな、されたんだよ」
「うん、よかったね?」
「よくねぇよ馬鹿。最悪だった」
ぎゅっと私の服を掴む手に力がこもった。不思議で首を傾げる。
「帰る途中で呼び止められて。好きだって言いやがんだけどよ」
「うん」
「あろうことか、お前のこと悪く言いやがった」
チラと伺えば、思い出すだけでも嫌だと言うように、哲次は眉を寄せた。
「『早乙女さん、家にこもってるんでしょ? つまらなくないの?』だと。ふざけんな、あきのことなんも知らねえくせに」
「まあ、学校行ってないからそう思う人もいるよ」
「挙句、『私のが荒船君を幸せに出来る!』とかぬかしやがった。大きなお世話だっての。本当、女じゃなかったらぶん殴ってたとこだ」
「……そんな怒らなくても」
「ああ? これが怒らずにいられるか!」
パンッと哲次は大きく膝を叩いた。音にびっくりして身体を揺らすと、
「悪りい。お前に怒ってんじゃねえぞ、勘違いすんなよ」
と大事そうに私の身体をさすった。なににそんな怒ってるのか分からなくて、返す言葉が見つからない。
「あーっ! イライラする! あきといるのは不幸みてぇな言い方しやがって、許せねぇ!」
「……哲次のこと、好きなんだよ」
「俺のこと好きでいていいのはあきだけだ!」
反射的にそう返されて、なにかとても大きな独占欲を感じて照れ臭くなった。それに気付いた哲次も、ほんのりと頬を染めて。
「…………お前からの好き以外いらねぇもん、俺」
「……うん」
「あきのこと好きで俺幸せだから」
「……うん」
俯く私の顎をすくい、優しく唇を奪われる。そのまま、至近距離で見つめられる。訴えかけるような視線に、耐えられずに目を瞑った。
「私も、哲次好きだよ。幸せだよ」
そう伝えれば、今度は深く口付ける。苦しくて涙目になれば、その水もちゅっと吸われた。
「好きだぜ、あき。好きだから、もっかい言ってくれねぇか?」
おねだりする哲次の顔は優しいものに戻っていた。
「世界で一番、哲次が好きだよ」
微笑めば、いつもより荒々しい抱擁が待っていた。
「悪い、いたのか。驚かせたな」
と安心させるように無理に笑った。カバンを置くと、さっさと脱衣所へ行く。イライラしている哲次を見るのは、久しぶりな気がする。前はよく私にイライラしては、怒ったりすることもあったのだが。スウェットに着替えた哲次は、大股で私の側に来ると、黙って私を抱きかかえた。
「……おかえり?」
「ただいま」
それきり、また黙ってしまって、髪に触れてはキスを落とす。顔を見ようとすれば、いつもより乱暴に口付けられた。
「哲次、なんかあった?」
「……別になんもねぇよ」
「嘘だよ、なんか怒ってる」
「…………」
「私なにかした?」
その言葉にピクッと哲次は反応した。それから、ゴンッと私の頭に頭突きした。
「いたっ」
「そのなんでも自分が悪いんじゃないかって思うの、やめろよ。なんもしてねぇだろうが」
「勝手に寝てたから……」
「そんなことで怒るわけねぇだろ」
むにっと頬を摘ままれ、厳しい顔で叱られる。しゅん、と目を伏せればわしゃわしゃと頭を撫でられた。
「なんも心配すんな。なんもねぇから」
「でも、」
「いいから。な?」
「……でも、なんでも話して欲しいもん」
心配で、キュッと哲次の上着を握り締めた。顔を上げて哲次を見れば、少し雰囲気が和らいでいた。
「話して? 話したくない? 私が聞いちゃいけないこと?」
あんまり聞いたら気を悪くするだろうか? だけど、聞かずにはいられないのだ。大切な人が、1人で傷つくのは嫌だから。はぁっと哲次は息を吐き出すと、私を胸に押し付けた。
「……告白をな、されたんだよ」
「うん、よかったね?」
「よくねぇよ馬鹿。最悪だった」
ぎゅっと私の服を掴む手に力がこもった。不思議で首を傾げる。
「帰る途中で呼び止められて。好きだって言いやがんだけどよ」
「うん」
「あろうことか、お前のこと悪く言いやがった」
チラと伺えば、思い出すだけでも嫌だと言うように、哲次は眉を寄せた。
「『早乙女さん、家にこもってるんでしょ? つまらなくないの?』だと。ふざけんな、あきのことなんも知らねえくせに」
「まあ、学校行ってないからそう思う人もいるよ」
「挙句、『私のが荒船君を幸せに出来る!』とかぬかしやがった。大きなお世話だっての。本当、女じゃなかったらぶん殴ってたとこだ」
「……そんな怒らなくても」
「ああ? これが怒らずにいられるか!」
パンッと哲次は大きく膝を叩いた。音にびっくりして身体を揺らすと、
「悪りい。お前に怒ってんじゃねえぞ、勘違いすんなよ」
と大事そうに私の身体をさすった。なににそんな怒ってるのか分からなくて、返す言葉が見つからない。
「あーっ! イライラする! あきといるのは不幸みてぇな言い方しやがって、許せねぇ!」
「……哲次のこと、好きなんだよ」
「俺のこと好きでいていいのはあきだけだ!」
反射的にそう返されて、なにかとても大きな独占欲を感じて照れ臭くなった。それに気付いた哲次も、ほんのりと頬を染めて。
「…………お前からの好き以外いらねぇもん、俺」
「……うん」
「あきのこと好きで俺幸せだから」
「……うん」
俯く私の顎をすくい、優しく唇を奪われる。そのまま、至近距離で見つめられる。訴えかけるような視線に、耐えられずに目を瞑った。
「私も、哲次好きだよ。幸せだよ」
そう伝えれば、今度は深く口付ける。苦しくて涙目になれば、その水もちゅっと吸われた。
「好きだぜ、あき。好きだから、もっかい言ってくれねぇか?」
おねだりする哲次の顔は優しいものに戻っていた。
「世界で一番、哲次が好きだよ」
微笑めば、いつもより荒々しい抱擁が待っていた。