荒船部屋
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
12月31日、午後10時34分。着信。我が家、年越しそばを食べる直前。
「もしもし」
「おう、俺」
「うん、今年も終わるねー」
「そうだな」
かけてきたくせに無口。言葉を待つと、
「こ、今年もいろいろあったな、」
なんてどもりがちに言い出した。
「うん、あったねー。哲次といれて楽しかった!」
「っ、おう。来年もさ、来年も、」
あえて助け舟は出さずに言ってくれるのを待った。
「……来年も、一緒にいような。」
「うん、一緒がいいな。哲次、」
「なんだ」
「大好き!」
「……俺も好き」
幸せな充足感のある沈黙。それから、口を開こうとする哲次の息が聞こえたが、親に蕎麦が伸びると催促された。
「ごめん、年越しそば伸びるから切るね?」
「……うん。おやすみ。よいお年を」
「よいお年を~」
通話を切った。
1月1日、午前0時5分。あけおめメールを哲次に送る。
『あけましておめでとう! 今年もよろしくお願いします。今年もたくさんいろんなこと一緒に出来たら嬉しいな。大好き!』
30分待つも返信はなし。他の人とのやり取りで盛り上がる。テレビも面白いので、結局午前1時半過ぎまで起きていた。午前2時前、就寝。
1月1日、午前11時12分。着信で目が覚める。
「うにゃ?」
「おっ前……この時間まで寝てたのかよ!」
何故か怒り気味の哲次の声にはてなマークが飛び交う。
「うん? 寝てた。あけましておめでとう」
「……あけましておめでとう。今年もよろしく」
「よろしくお願いします」
ふふーと寝ぼけ声で笑えば、はぁーと長いため息が聞こえる。
「どうしたん?」
「……お前と初日の出見ようと思って電話してたんだけど、お前全く出ねぇじゃねぇか。」
「んー??」
着信履歴を確認する。不在着信、6件、荒船哲次。午前5時54分、午前6時15分、午前6時50分、午前8時10分、午前9時9分、午前10時0分。
「めっちゃ電話着てる! ごめん、寝てたよ!」
「だろうな! ったく! 昨日何時まで起きてたんだよ」
「2時くらい?」
「やろう……俺は11時には寝たってのに。肌に悪いだろーがそんな夜更かしして」
「やって、夜型だもん。哲次だって、あけおめメール返信くれないじゃん!」
「メール……?」
「見てないのかよ!」
思わず口が悪くなる。スマホを操作してる気配がする。
「……悪りぃ、今見たわ」
「ほらー!」
「しょうがねぇだろ、見てなかったんだから!」
「私だって初日の出見るなんて聞いてないもーん!」
「正月は初日の出見るだろーが!」
「見なーい!」
あーだこーだ、正月早々に揉めていたら。
「だぁーもう! 早く会いてぇんだよこっちは!」
哲次のその言葉でお互い無言になる。ごろりと一つ、寝返りを打った。
「……今から20分後、迎え行くから出れるな?」
「おせち食べてない」
「知るかよ、後で食え。じゃあな」
一方的に通話が切られる。拒否権がなさそうなので渋々起き出した。
午前11時55分。約束通りお迎えが来る。家族からは散々冷やかされて家を出る。マンションの入り口に腕を組んで哲次が立っていた。
「おし。ちゃんと来たな」
「…………むう」
「悪かったって。行くぞ」
手を引かれて、哲次の家の方へ歩き出される。きゅっと哲次の手を握れば、しっかりと握り返された。
正午12時6分。哲次の家に到着。着くや否や、哲次は布団を敷き出した。
「……??」
「早起きしたから眠いんだよ」
私は先ほどまで寝ていたので眠くないのだが。引き摺り込まれるように布団に閉じ込められ、ぎゅうぎゅうと好きなだけ抱き締められる。
「はぁー……やっぱ俺お前といるのが1番落ち着くわ」
「……ありがとう」
ご機嫌でそう言われては言葉もない。すれ違いまくりの正月だが、今年もこの男に振り回されて、甘く溶かされるのは確定のようだ。
「もしもし」
「おう、俺」
「うん、今年も終わるねー」
「そうだな」
かけてきたくせに無口。言葉を待つと、
「こ、今年もいろいろあったな、」
なんてどもりがちに言い出した。
「うん、あったねー。哲次といれて楽しかった!」
「っ、おう。来年もさ、来年も、」
あえて助け舟は出さずに言ってくれるのを待った。
「……来年も、一緒にいような。」
「うん、一緒がいいな。哲次、」
「なんだ」
「大好き!」
「……俺も好き」
幸せな充足感のある沈黙。それから、口を開こうとする哲次の息が聞こえたが、親に蕎麦が伸びると催促された。
「ごめん、年越しそば伸びるから切るね?」
「……うん。おやすみ。よいお年を」
「よいお年を~」
通話を切った。
1月1日、午前0時5分。あけおめメールを哲次に送る。
『あけましておめでとう! 今年もよろしくお願いします。今年もたくさんいろんなこと一緒に出来たら嬉しいな。大好き!』
30分待つも返信はなし。他の人とのやり取りで盛り上がる。テレビも面白いので、結局午前1時半過ぎまで起きていた。午前2時前、就寝。
1月1日、午前11時12分。着信で目が覚める。
「うにゃ?」
「おっ前……この時間まで寝てたのかよ!」
何故か怒り気味の哲次の声にはてなマークが飛び交う。
「うん? 寝てた。あけましておめでとう」
「……あけましておめでとう。今年もよろしく」
「よろしくお願いします」
ふふーと寝ぼけ声で笑えば、はぁーと長いため息が聞こえる。
「どうしたん?」
「……お前と初日の出見ようと思って電話してたんだけど、お前全く出ねぇじゃねぇか。」
「んー??」
着信履歴を確認する。不在着信、6件、荒船哲次。午前5時54分、午前6時15分、午前6時50分、午前8時10分、午前9時9分、午前10時0分。
「めっちゃ電話着てる! ごめん、寝てたよ!」
「だろうな! ったく! 昨日何時まで起きてたんだよ」
「2時くらい?」
「やろう……俺は11時には寝たってのに。肌に悪いだろーがそんな夜更かしして」
「やって、夜型だもん。哲次だって、あけおめメール返信くれないじゃん!」
「メール……?」
「見てないのかよ!」
思わず口が悪くなる。スマホを操作してる気配がする。
「……悪りぃ、今見たわ」
「ほらー!」
「しょうがねぇだろ、見てなかったんだから!」
「私だって初日の出見るなんて聞いてないもーん!」
「正月は初日の出見るだろーが!」
「見なーい!」
あーだこーだ、正月早々に揉めていたら。
「だぁーもう! 早く会いてぇんだよこっちは!」
哲次のその言葉でお互い無言になる。ごろりと一つ、寝返りを打った。
「……今から20分後、迎え行くから出れるな?」
「おせち食べてない」
「知るかよ、後で食え。じゃあな」
一方的に通話が切られる。拒否権がなさそうなので渋々起き出した。
午前11時55分。約束通りお迎えが来る。家族からは散々冷やかされて家を出る。マンションの入り口に腕を組んで哲次が立っていた。
「おし。ちゃんと来たな」
「…………むう」
「悪かったって。行くぞ」
手を引かれて、哲次の家の方へ歩き出される。きゅっと哲次の手を握れば、しっかりと握り返された。
正午12時6分。哲次の家に到着。着くや否や、哲次は布団を敷き出した。
「……??」
「早起きしたから眠いんだよ」
私は先ほどまで寝ていたので眠くないのだが。引き摺り込まれるように布団に閉じ込められ、ぎゅうぎゅうと好きなだけ抱き締められる。
「はぁー……やっぱ俺お前といるのが1番落ち着くわ」
「……ありがとう」
ご機嫌でそう言われては言葉もない。すれ違いまくりの正月だが、今年もこの男に振り回されて、甘く溶かされるのは確定のようだ。