longseries-1-
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
昨日のランク戦はなんとか勝つことが出来た。自分で点は取れなかったけど、チームには貢献出来た……と思う。風間さんのおかげだなぁ。晴れやかな気分でお弁当を食べる。…………そういえば、菊地原くんに次はいつ見てもらえるんだろう。次の約束してなかった。
「ねぇ、菊地原くんって何組か分かる?」
「菊地原? たしか、ーー」
友人のなっちゃんは、ハンバーグを頬張りながら、彼のクラスを教えてくれた。交友関係の広い友人を持って助かった。ご飯食べ終わったら、訪ねてみよう……大丈夫、見てくれるって言ってたし。一応、菊地原くんは私の師匠、のはず。大丈夫……。
「あ、あの、菊地原くん、いますか?」
「ん? 菊地原? おーい、菊地原いるかー?」
菊地原くんの教室まで来て、廊下側でたむろしていた男の子に聞いてみる。教室を覗き込むが、それらしい姿は見えない。男の子の呼びかけにも返事はない。
「いねぇみたいだわ」
「あ、ありがとうございます」
「もしかしたら、歌川んとこにいるかもよ?」
「え、あ、歌川くんは何組か分かる?」
今度は歌川くんの教室にやってきた。歌川くんは廊下に近い席に座っていて、私と目が合うとこちらまで来てくれた。けれど、側に菊地原くんはいない。
「こんにちは、早乙女さん」
「こ、こんにちは」
「どうしたの?」
「あの、菊地原くんどこにいるか知らないかな?」
「菊地原? 教室にいなかった?」
「歌川くんのところにいるんじゃないかって言われたの」
「そっか。……よかったら一緒に探そうか?」
「本当ですか? よろしくお願いします」
「はは、同い年なんだからそんなに緊張するなよ」
歌川くんは苦笑しながら、教室を出た。背が高い歌川くんの後ろをついて歩く。
「心当たりあるところ、回ってくから」
「うん、ありがとう」
保健室、屋上、裏庭……。歌川くんが言うには、菊地原くんは「強化聴覚」のサイドエフェクトを持っていて、それに疲れると人のあまりいない静かなところで過ごすのだそうだ。早乙女隊長もサイドエフェクトを持っているけど、いつも大変そうだから、いいことばかりじゃないんだよね。
「ここもいない、か」
「あの、ごめんね、付き合わせちゃって」
「ああ、それは気にしなくていいよ。けど、どこ行ったんだあいつ……」
空き教室の扉を閉め、歌川くんは首をかしげた。どうやら、目ぼしい場所は全てまわったみたいだ。
「もっかい教室に戻ってみるか?」
「うん、そうしよう」
もうすぐ昼休みが終わってしまう。戻っているといいんだけど。
「そういえば、昨日のランク戦見たよ。最後惜しかったけど、鋭い攻撃だったね」
「本当? 風間隊のおかげだよ、ありがとう」
「早乙女さんは頑張り屋だね」
「そ、そんなことないよ」
歌川くんに褒められるとは。なんだかとっても照れくさいけど、すごく嬉しい。足元は軽くスキップだ。
「……教室戻ってないみたいだな」
「うん……」
再度菊地原くんの教室に来たが、やはり菊地原くんはいなかった。出直すしかないかな。
「歌川くん、ありがとう。手伝ってくれて」
「いや、見つけられなくて悪かったな」
歌川くんに頭を下げ、自分の教室に戻ろうとすると。向こう側から菊地原くんが歩いてくる。菊地原くんはこちらに気づくと、ツカツカと早歩きになって私に詰め寄った。
「ちょっと、わざわざ僕が会いに行ったのになんで教室にいないわけ?」
「えっと、ごめん」
「どこ探してもいないし。歌川とどこ行ってたのさ」
「ごめん……」
「俺達もお前を探してたんだよ」
歌川くんがフォローをしてくれた。菊地原くんはため息をつき、
「はあ、すれ違いってこと? あーあ、無駄な時間使っちゃった」
とご機嫌斜めだ。どうしよう、会えたのはいいけど、稽古を頼むのは言い出しにくい。というか、なんで菊地原くん私を探してたんだろう。
「そう、昨日のランク戦! なんであそこで踏み込めないのさ」
「!!」
「相手の体勢を崩したら、畳み掛けなきゃ意味ないでしょ。タイミング逃して逆にやられるし」
「結構いい動きしてたと思うけど」
「歌川は黙ってて。 それから、」
「菊地原くんも、ランク戦見てくれたの?」
思わず訊いてしまった。だって、ちゃんと見てくれるなんて思ってもみなかったから。菊地原くんの顔はみるみる赤くなる。
「見なきゃ教えようがないでしょ! 風間さんに頼まれたから、見ただけだよ。調子乗らないでよね」
「その割には、結構真剣に見てたよな」
「歌川は黙ってて!」
「菊地原くん、ありがとう」
「……!! 今日学校終わったら、作戦室に来たら。見てあげなくもない」
それだけ言い残すと、菊地原くんは教室に入っていった。しっかり見てくれてたことが嬉しくて、今日稽古をつけてもらうのが楽しみになった。
「ねぇ、菊地原くんって何組か分かる?」
「菊地原? たしか、ーー」
友人のなっちゃんは、ハンバーグを頬張りながら、彼のクラスを教えてくれた。交友関係の広い友人を持って助かった。ご飯食べ終わったら、訪ねてみよう……大丈夫、見てくれるって言ってたし。一応、菊地原くんは私の師匠、のはず。大丈夫……。
「あ、あの、菊地原くん、いますか?」
「ん? 菊地原? おーい、菊地原いるかー?」
菊地原くんの教室まで来て、廊下側でたむろしていた男の子に聞いてみる。教室を覗き込むが、それらしい姿は見えない。男の子の呼びかけにも返事はない。
「いねぇみたいだわ」
「あ、ありがとうございます」
「もしかしたら、歌川んとこにいるかもよ?」
「え、あ、歌川くんは何組か分かる?」
今度は歌川くんの教室にやってきた。歌川くんは廊下に近い席に座っていて、私と目が合うとこちらまで来てくれた。けれど、側に菊地原くんはいない。
「こんにちは、早乙女さん」
「こ、こんにちは」
「どうしたの?」
「あの、菊地原くんどこにいるか知らないかな?」
「菊地原? 教室にいなかった?」
「歌川くんのところにいるんじゃないかって言われたの」
「そっか。……よかったら一緒に探そうか?」
「本当ですか? よろしくお願いします」
「はは、同い年なんだからそんなに緊張するなよ」
歌川くんは苦笑しながら、教室を出た。背が高い歌川くんの後ろをついて歩く。
「心当たりあるところ、回ってくから」
「うん、ありがとう」
保健室、屋上、裏庭……。歌川くんが言うには、菊地原くんは「強化聴覚」のサイドエフェクトを持っていて、それに疲れると人のあまりいない静かなところで過ごすのだそうだ。早乙女隊長もサイドエフェクトを持っているけど、いつも大変そうだから、いいことばかりじゃないんだよね。
「ここもいない、か」
「あの、ごめんね、付き合わせちゃって」
「ああ、それは気にしなくていいよ。けど、どこ行ったんだあいつ……」
空き教室の扉を閉め、歌川くんは首をかしげた。どうやら、目ぼしい場所は全てまわったみたいだ。
「もっかい教室に戻ってみるか?」
「うん、そうしよう」
もうすぐ昼休みが終わってしまう。戻っているといいんだけど。
「そういえば、昨日のランク戦見たよ。最後惜しかったけど、鋭い攻撃だったね」
「本当? 風間隊のおかげだよ、ありがとう」
「早乙女さんは頑張り屋だね」
「そ、そんなことないよ」
歌川くんに褒められるとは。なんだかとっても照れくさいけど、すごく嬉しい。足元は軽くスキップだ。
「……教室戻ってないみたいだな」
「うん……」
再度菊地原くんの教室に来たが、やはり菊地原くんはいなかった。出直すしかないかな。
「歌川くん、ありがとう。手伝ってくれて」
「いや、見つけられなくて悪かったな」
歌川くんに頭を下げ、自分の教室に戻ろうとすると。向こう側から菊地原くんが歩いてくる。菊地原くんはこちらに気づくと、ツカツカと早歩きになって私に詰め寄った。
「ちょっと、わざわざ僕が会いに行ったのになんで教室にいないわけ?」
「えっと、ごめん」
「どこ探してもいないし。歌川とどこ行ってたのさ」
「ごめん……」
「俺達もお前を探してたんだよ」
歌川くんがフォローをしてくれた。菊地原くんはため息をつき、
「はあ、すれ違いってこと? あーあ、無駄な時間使っちゃった」
とご機嫌斜めだ。どうしよう、会えたのはいいけど、稽古を頼むのは言い出しにくい。というか、なんで菊地原くん私を探してたんだろう。
「そう、昨日のランク戦! なんであそこで踏み込めないのさ」
「!!」
「相手の体勢を崩したら、畳み掛けなきゃ意味ないでしょ。タイミング逃して逆にやられるし」
「結構いい動きしてたと思うけど」
「歌川は黙ってて。 それから、」
「菊地原くんも、ランク戦見てくれたの?」
思わず訊いてしまった。だって、ちゃんと見てくれるなんて思ってもみなかったから。菊地原くんの顔はみるみる赤くなる。
「見なきゃ教えようがないでしょ! 風間さんに頼まれたから、見ただけだよ。調子乗らないでよね」
「その割には、結構真剣に見てたよな」
「歌川は黙ってて!」
「菊地原くん、ありがとう」
「……!! 今日学校終わったら、作戦室に来たら。見てあげなくもない」
それだけ言い残すと、菊地原くんは教室に入っていった。しっかり見てくれてたことが嬉しくて、今日稽古をつけてもらうのが楽しみになった。