short-1-
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
まさか本部に侵入されるなんて、思ってもみなかった。新型に早々やられた私は、緊急脱出のあとオペレーターの補佐をしていた。鬼怒田開発室長の退避命令が出た時には、目の前に人型近界民がいて、ズブリ。視界が反転し、諏訪さんが開発室から出てきたのが見えて、意識を手放した。
目を覚ますと、消毒液の匂いが鼻に抜けた。体を起こすと、右下腹部に痛みを感じる。時計を見れば、時刻は16時18分を指していた。何日のだろう。
私が起きたのを見計らったように病室のドアが開く。目をやると、恋人が花を片手に立ち尽くしていた。
「……入りなよ、悠一」
「…………あき」
とても頼りない声で、私の名前を呼ぶ。微笑みかけると、ゆっくりと歩み寄られ、すがるように抱きつかれた。
「ごめん、ごめんな、」
「なんで悠一が謝るの」
腕の力が強くなった。少し苦しい。悠一はうわ言みたいにごめんと繰り返す。大規模侵攻の前に、彼が見た未来については聞かされていた。私が危ない目に会うかもしれない。そして、助けられる場所に悠一はいないと。それは、仕方のないことだ。私が怪我を負ったのは悠一のせいじゃない。貴方は、悪くない。
「大丈夫、大丈夫だから、」
子供をあやすように、悠一の頭を撫でる。少しずつ抱きつく力が弱まり、私と彼は見つめあった。目尻には涙が溜まっている、ああ、どうか泣かないで。
「怖かったか?痛かった?」
「うん、逃げるの間に合わなかった」
「ごめんな、側に、いてやれなくて」
「ううん、大丈夫だよ。……悠一も、怖かったでしょう?」
悠一は目を見開く。その瞳は、どれだけの恐怖を写しただろう。
「……俺は、あきを守れるくらい強くなりたい」
私の肩口に顔をうずめる悠一を抱きしめる。願わくば、彼が心から安心出来る日が続きますように。
目を覚ますと、消毒液の匂いが鼻に抜けた。体を起こすと、右下腹部に痛みを感じる。時計を見れば、時刻は16時18分を指していた。何日のだろう。
私が起きたのを見計らったように病室のドアが開く。目をやると、恋人が花を片手に立ち尽くしていた。
「……入りなよ、悠一」
「…………あき」
とても頼りない声で、私の名前を呼ぶ。微笑みかけると、ゆっくりと歩み寄られ、すがるように抱きつかれた。
「ごめん、ごめんな、」
「なんで悠一が謝るの」
腕の力が強くなった。少し苦しい。悠一はうわ言みたいにごめんと繰り返す。大規模侵攻の前に、彼が見た未来については聞かされていた。私が危ない目に会うかもしれない。そして、助けられる場所に悠一はいないと。それは、仕方のないことだ。私が怪我を負ったのは悠一のせいじゃない。貴方は、悪くない。
「大丈夫、大丈夫だから、」
子供をあやすように、悠一の頭を撫でる。少しずつ抱きつく力が弱まり、私と彼は見つめあった。目尻には涙が溜まっている、ああ、どうか泣かないで。
「怖かったか?痛かった?」
「うん、逃げるの間に合わなかった」
「ごめんな、側に、いてやれなくて」
「ううん、大丈夫だよ。……悠一も、怖かったでしょう?」
悠一は目を見開く。その瞳は、どれだけの恐怖を写しただろう。
「……俺は、あきを守れるくらい強くなりたい」
私の肩口に顔をうずめる悠一を抱きしめる。願わくば、彼が心から安心出来る日が続きますように。