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師匠、師匠……。誰にお願いしよう。佐鳥くんに会ってからずっとそのことを考えている。カメレオンとスコーピオンの扱いに長けた人。思い当たるのはずっと年上の人で、声をかけるのを躊躇われる。どうしよう。
「あきちゃん、大丈夫? 聞いてる?」
「あっ、すみません! なんですか?」
「次のランク戦の対策だけど……」
いけない、いけない。今は隊の会議に集中しなくちゃ。自分の両頬を叩いて気合をいれる。作戦をひとつひとつ注意して頭に入れていく。
相手のログを見て、作戦を練って、連携を確認して今日の会議は終了した。足早に早乙女隊長は部屋を出て行った。
「あの、お疲れ様でした。またよろしくお願いします」
「お疲れ様~あきちゃん」
頭を下げ、私も部屋を出る。本部の長い廊下を歩き、エントランスを抜け出口に向かう。途中の自販機でジュース買おうかな。
「どれにしようかな」
ミルクティーと白ブドウのジュースで迷う。あ、でもリンゴジュースもいいな……。
「悪いが、先に買ってもいいか?」
「あ、はい! すいませんでした」
慌てて横にずれて自販機の前を譲る。顔を上げると、小柄な男性は缶コーヒーを買った。あれ、小柄な男性?……風間さん?風間さんだ! 風間さんはコーヒーを飲みながら、私が来た道とは反対に歩いていく。どうしよう、チャンスかな。風間さんは、文句なしでナンバーワンのスコーピオン使いだ。私なんかが声かけてもいいのかな。いや、でも。私は強くなりたいんだ。
「あの、風間さん! 待ってください!」
心臓がバクバクする。風間さんは足を止めて振り向いてくれた。
「? 悪い、誰だ?」
「あの、えっと、私、早乙女隊の早乙女あきと言います!」
大丈夫、大丈夫。息を深く吸い込み吐き出して、風間さんの目を見る。
(いい奴が見つかるといいね)
佐鳥くんの顔を思い出したら、勇気が出た。
「私、スコーピオンとカメレオンを使っていて。ご指導お願いできないでしょうか?」
ほんの数秒の沈黙。それが肌に刺さる様で胸が痛い。風間さんは考えている。
「……明日の16時からなら暇がある。それで良ければ、少し見てやろう」
「本当ですか!」
「ああ。16時にうちの作戦室に来い」
「ありがとうございます!」
深々と頭を下げた。やった、やったよ佐鳥くん。顔を上げると、風間さんはもう歩きだしていた。気持ちが舞い上がって、私は駆け足で家に帰った。
「あきちゃん、大丈夫? 聞いてる?」
「あっ、すみません! なんですか?」
「次のランク戦の対策だけど……」
いけない、いけない。今は隊の会議に集中しなくちゃ。自分の両頬を叩いて気合をいれる。作戦をひとつひとつ注意して頭に入れていく。
相手のログを見て、作戦を練って、連携を確認して今日の会議は終了した。足早に早乙女隊長は部屋を出て行った。
「あの、お疲れ様でした。またよろしくお願いします」
「お疲れ様~あきちゃん」
頭を下げ、私も部屋を出る。本部の長い廊下を歩き、エントランスを抜け出口に向かう。途中の自販機でジュース買おうかな。
「どれにしようかな」
ミルクティーと白ブドウのジュースで迷う。あ、でもリンゴジュースもいいな……。
「悪いが、先に買ってもいいか?」
「あ、はい! すいませんでした」
慌てて横にずれて自販機の前を譲る。顔を上げると、小柄な男性は缶コーヒーを買った。あれ、小柄な男性?……風間さん?風間さんだ! 風間さんはコーヒーを飲みながら、私が来た道とは反対に歩いていく。どうしよう、チャンスかな。風間さんは、文句なしでナンバーワンのスコーピオン使いだ。私なんかが声かけてもいいのかな。いや、でも。私は強くなりたいんだ。
「あの、風間さん! 待ってください!」
心臓がバクバクする。風間さんは足を止めて振り向いてくれた。
「? 悪い、誰だ?」
「あの、えっと、私、早乙女隊の早乙女あきと言います!」
大丈夫、大丈夫。息を深く吸い込み吐き出して、風間さんの目を見る。
(いい奴が見つかるといいね)
佐鳥くんの顔を思い出したら、勇気が出た。
「私、スコーピオンとカメレオンを使っていて。ご指導お願いできないでしょうか?」
ほんの数秒の沈黙。それが肌に刺さる様で胸が痛い。風間さんは考えている。
「……明日の16時からなら暇がある。それで良ければ、少し見てやろう」
「本当ですか!」
「ああ。16時にうちの作戦室に来い」
「ありがとうございます!」
深々と頭を下げた。やった、やったよ佐鳥くん。顔を上げると、風間さんはもう歩きだしていた。気持ちが舞い上がって、私は駆け足で家に帰った。