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ボーダーの任務が無い夏休みの夕刻。受験勉強に疲れたので、気分転換に映画を見ようとレンタルDVD屋に来ていた。小一時間店内を物色した後、気になっていた新作の映画を借りる。本当は五本で千円のサービスを使いたかったが、そんなに見ている余裕はない。苦渋の選択で二本に絞り、店を出た。日が陰っているので、そんなに暑くはなく、ぶらぶらと街を歩く。生ぬるい風にのって、どっかの店のソースの匂いが鼻を掠める。こないだのお好み焼き屋でのことを思い出した。あの日の早乙女、可愛かったな……。ふんわりしたスカートから覗く脚が白くて、キャミソールから伸びた腕が細くて。いつもよりも女の子らしい格好に、ドキドキした。写真撮っておけばよかったな。急にカメラ向けたら、変態みたいか。夏祭りの浴衣は花火の時に隠し撮りしたけど。暗いし小さいしでよく見えないけどな。あの日も可愛かったなー……。考え出したら、頭の中が早乙女で埋め尽くされていく。最近、いい感じだよな。告白、しちまおうか。いやいや、今ふられたりしたら、ショックで勉強どころじゃなくなるだろうし、もし、両想い、だったとしても、それはそれで勉強が手につかなくなるだろ。ダメだダメだ。大学受験終わってからにしよう。そう結論を出した。一番星が夜空に浮かぶ。そろそろ帰ろうか、と方向転換したら、見たくない光景が目に飛び込んできた。
「…………は?」
反対側の歩道。鋼と、早乙女が並んで歩いている。鋼の片手にはスーパーの袋。早乙女は楽しそうに文字を打ち出していて、それを見て鋼も笑っている。2人ともこちらには気づきもせず、通り過ぎていった。俺は谷底に突き落とされた気分でその場に立ち尽くした。どういう状況だよ、あれ。なんか、仲睦まじい夫婦みたいな雰囲気だったんだが。スーパーの袋。夕飯時。もしかして、一緒に飯食うのか? 買い出しに出てるってことは、料理するんだよな。早乙女が作るのか? 早乙女の手料理食うのか!? 鋼が!! マジかよ、羨ましい! 早乙女は俺に見せない顔で鋼と喋っていた。完全に心を許している顔。鋼と早乙女だけの世界があるんだと感じた。最近いい感じだとか幻だったんじゃないかと思えてきて、完全に負けた気分だ。
家に帰ってからも、早乙女の顔が頭から離れなくて、それと一緒に鋼の楽しそうな顔がちらついて、悶々としっぱなしだった。映画を観てもいまいち内容が入ってこねぇし、夕飯食べても2人でなに食ったんだろうってことばかり気になるし、勉強なんて手につくわけねぇし。モヤモヤと薄暗い気分を抱えたまま、時刻は夜中の12時を回っていた。明日は朝から防衛任務が入っている。今日はもう寝てしまおう。部屋の電気を消して、ベットに倒れこんだ。瞼を閉じ、深く息を吐き出す。……早乙女は、鋼が好きなんだろうか。俺といるよりも、鋼といる方が楽しいのかな。鋼は? 早乙女のこと嫌いなわけはないだろう。もしかしたら、今夜。早乙女を奪う気でいたとしたら。そう思ったら、心がざわついて眠るどころじゃなくなった。
(眠れない時はあきに電話するんだ)
鋼がそう話していたのを思い出す。俺は携帯を手に取り、アドレス帳から想い人を呼び出した。電話なんてしたことねぇけど、少しでもあいつに近づきたい。非常識な時間だとか、知るか。俺を眠れなくさせた早乙女が悪い。責任取りやがれ。
「…………は?」
反対側の歩道。鋼と、早乙女が並んで歩いている。鋼の片手にはスーパーの袋。早乙女は楽しそうに文字を打ち出していて、それを見て鋼も笑っている。2人ともこちらには気づきもせず、通り過ぎていった。俺は谷底に突き落とされた気分でその場に立ち尽くした。どういう状況だよ、あれ。なんか、仲睦まじい夫婦みたいな雰囲気だったんだが。スーパーの袋。夕飯時。もしかして、一緒に飯食うのか? 買い出しに出てるってことは、料理するんだよな。早乙女が作るのか? 早乙女の手料理食うのか!? 鋼が!! マジかよ、羨ましい! 早乙女は俺に見せない顔で鋼と喋っていた。完全に心を許している顔。鋼と早乙女だけの世界があるんだと感じた。最近いい感じだとか幻だったんじゃないかと思えてきて、完全に負けた気分だ。
家に帰ってからも、早乙女の顔が頭から離れなくて、それと一緒に鋼の楽しそうな顔がちらついて、悶々としっぱなしだった。映画を観てもいまいち内容が入ってこねぇし、夕飯食べても2人でなに食ったんだろうってことばかり気になるし、勉強なんて手につくわけねぇし。モヤモヤと薄暗い気分を抱えたまま、時刻は夜中の12時を回っていた。明日は朝から防衛任務が入っている。今日はもう寝てしまおう。部屋の電気を消して、ベットに倒れこんだ。瞼を閉じ、深く息を吐き出す。……早乙女は、鋼が好きなんだろうか。俺といるよりも、鋼といる方が楽しいのかな。鋼は? 早乙女のこと嫌いなわけはないだろう。もしかしたら、今夜。早乙女を奪う気でいたとしたら。そう思ったら、心がざわついて眠るどころじゃなくなった。
(眠れない時はあきに電話するんだ)
鋼がそう話していたのを思い出す。俺は携帯を手に取り、アドレス帳から想い人を呼び出した。電話なんてしたことねぇけど、少しでもあいつに近づきたい。非常識な時間だとか、知るか。俺を眠れなくさせた早乙女が悪い。責任取りやがれ。