※LINEを表現するために顔文字を使っています。

学校がテスト期間で午前中で終わり、防衛任務もないので自室にこもり勉強中。今日は苦手な古文と日本史を片付けてしまいたい。ひとつ伸びをし、さあやるぞという所で、スマホの画面が明るく光る。見ると、LINEの通知画面が。
『(・ω・)ノ』
顔文字だけなので、気にせず教科書を開く。えーと、まずは文法から見直すか……。
『(￣Д￣)ﾉ』
『。・゜・(ノД`)・゜・。』
『o(｀ω´ )o』
……いや、ピロンピロンうるさい。誰なんだと確認すると、駿くんからだった。特に意味がないんだろう顔文字はどんどん増えていく。
『(*^◯^*)』
『☆～（ゝ。∂）』
『どうした。』
『(´･_･`) 暇なんです～』
やっと、要件が聞けたが、私は今それどころじゃないんだよ。とりあえず、既読無視を決め込む。
『あき先輩、構って』
『ランク戦しようよ、ランク戦！』
『ねえねえ、ランク戦！』
だーもう。仕方のない後輩だな。スマホを遠ざければ済む話ではあるが、結局意識してしまって気が散るだろう。
『米屋か、出水に頼みなさい』
とりあえず、会話を切りたい。さりげなく、バカを巻き込んだが問題ないでしょ。あとは頼んだぞ。
『よねやん先輩も、いずみん先輩も任務なんですよ(/ _ ; )』
『それに、俺はあき先輩と戦いたいの！』
ちっ、使えねぇな米屋、出水よ。もうこれは素直に現状を訴えることにしよう。
『おねーさんはテスト勉強で忙しいのです』
お、既読ついたけど返信こないな。諦めたか。スマホから目を離し、勉強に集中する。
『！(◎_◎;) (Ｔ＿Ｔ)』
『えーじゃあ俺も勉強するから、教えて！』
『あき先輩と勉強するー！』
いやいや、何故そうなる？ 教える余裕なんてないのだよ、駿くん。しかし、今日はまた、聞き分けの悪いこと。
『教える余裕ないよ』
『じゃあ見てる( ^ω^ )』
『なんも楽しくないよ？』
『あき先輩と一緒にいたいのー』
……かわいいこと言いやがって。いかんいかん、ほだされてはダメだ。
『今日はダメ！』
『。・°°・(＞_＜)・°°・。』
『お願い！ 構って！ (＞人＜;)』
『ちょっとでいいから！』
本当に今日はどうしちゃったのこの子。逆に心配になってきた。
『なんかあったの？』
これを送ると、しばし沈黙後。
『今日恋愛運、絶好調だったから』
とぽつり。……いやいやいやいや、え？ どういうこと？ そういうこと？
『(°_°)』
今顔文字と同んなじ顔してると思う。なんだろう、言葉に出来ない。ついでに勉強も出来ない。駿くんはかわいい後輩で、それ以上では、

ピンポーン

……このタイミングでチャイム、だと。
『会いにきた！』
うわあ、これもう今日は勉強出来ないわ。玄関の向こう側でどんな顔してるのかな。スマホを放り出し、後輩の真意を確かめに部屋を出た。