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久しぶりにボーダーのランク戦ラウンジに来た。僕の換装体はやはり人目を引く。高い位置に結ったツインテール、ワンポイントで内側に赤が入っているそれは、ゆるりとカールして腰の辺りまで伸びている。脚は細く見えるように黒タイツを着用している。トリオン体の操作に異常が出ない程度に、身体は細身に設定してある。
「あんな目立つ女、いたっけ……?」
「でも隊服、B級のやつだよな?」
「強いのか……?」
最近入ったであろう、C級のざわめきが耳に届く。それを聞いて、私の気分も高揚する。私だけのステージに立ったような、普段の僕という呪縛から解き放たれたような、解放感に満ちているから。
「おっ、早乙女。今日やる気なんだ? バトろうぜー」
「…………あきちゃんと呼んで」
米屋を睨め付けてそう言えば、こえーなーと両手を上げ降参された。そのままブースに入り、戦闘訓練をする。10本先取、私が7本取る迄に米屋は10本取った。相変わらず、やらしい強さだ。
「あきちゃん、半年ぶりとかだよな? よく腕落ちねーよな」
「これでも陰で訓練してるんです」
普段、私じゃない時。僕はボーダーのフリーオペレーターとして仕事をしている。そこまでしか両親が許さなかったから。でも、僕は勉強なんかよりも、本当はみんなと一緒に街を防衛したい。両親にバレないようにするには、同じ学校に通っている奴らにバレないようにしなければならない。ならば、と。僕は、私を演じることを思いついた。性別を偽ってしまえば、お坊ちゃん学校に通う僕に、辿り着く奴らは少ないはずだ。それに僕は元々、可愛いものが好きだ。可愛いものを身につけることを、強く両親に否定されてきたけど。ボーダーでなら、バレずに出来る。これが私には、救いだった。
「あきちゃん先輩だ! お久っす!」
「あきちゃん、お疲れ様です」
「コアラ、笹森。お久! ランク戦付き合ってよ」
「もちろんっす! 今日こそボコボコにしてやるー!」
後輩たちは、ツインテ美少女あきちゃんと、インテリメガネ早乙女くんが、同一人物とは思っていない。知ってたとしても、多分そのままを受け入れてくれるだろう。楽だな、と思いながら、ブースに入ろうとしたら。
「えっ、なにあの子! 私知らない! 強いの?」
想い人の声がして、反射で振り返る。小南桐絵ちゃんが、こちらを指差して米屋を問い質していた。
「あきちゃん? そこそこ強えーよ? バトってみれば?」
「ふうん。そうなの。じゃあ、特別に私が強さを見てあげるわ! えっと、なんて言ったかしら」
「…………あきちゃんと呼んで」
ちゃんと笑えてるかな。あぁ、恋焦がれて憧れの、桐絵ちゃんに知られたくはないな、正体を。でも、可愛い私の姿、もっと見てもらいたいな。矛盾を抱えたまま、私は桐絵ちゃんとのランク戦を開始した。
「あんな目立つ女、いたっけ……?」
「でも隊服、B級のやつだよな?」
「強いのか……?」
最近入ったであろう、C級のざわめきが耳に届く。それを聞いて、私の気分も高揚する。私だけのステージに立ったような、普段の僕という呪縛から解き放たれたような、解放感に満ちているから。
「おっ、早乙女。今日やる気なんだ? バトろうぜー」
「…………あきちゃんと呼んで」
米屋を睨め付けてそう言えば、こえーなーと両手を上げ降参された。そのままブースに入り、戦闘訓練をする。10本先取、私が7本取る迄に米屋は10本取った。相変わらず、やらしい強さだ。
「あきちゃん、半年ぶりとかだよな? よく腕落ちねーよな」
「これでも陰で訓練してるんです」
普段、私じゃない時。僕はボーダーのフリーオペレーターとして仕事をしている。そこまでしか両親が許さなかったから。でも、僕は勉強なんかよりも、本当はみんなと一緒に街を防衛したい。両親にバレないようにするには、同じ学校に通っている奴らにバレないようにしなければならない。ならば、と。僕は、私を演じることを思いついた。性別を偽ってしまえば、お坊ちゃん学校に通う僕に、辿り着く奴らは少ないはずだ。それに僕は元々、可愛いものが好きだ。可愛いものを身につけることを、強く両親に否定されてきたけど。ボーダーでなら、バレずに出来る。これが私には、救いだった。
「あきちゃん先輩だ! お久っす!」
「あきちゃん、お疲れ様です」
「コアラ、笹森。お久! ランク戦付き合ってよ」
「もちろんっす! 今日こそボコボコにしてやるー!」
後輩たちは、ツインテ美少女あきちゃんと、インテリメガネ早乙女くんが、同一人物とは思っていない。知ってたとしても、多分そのままを受け入れてくれるだろう。楽だな、と思いながら、ブースに入ろうとしたら。
「えっ、なにあの子! 私知らない! 強いの?」
想い人の声がして、反射で振り返る。小南桐絵ちゃんが、こちらを指差して米屋を問い質していた。
「あきちゃん? そこそこ強えーよ? バトってみれば?」
「ふうん。そうなの。じゃあ、特別に私が強さを見てあげるわ! えっと、なんて言ったかしら」
「…………あきちゃんと呼んで」
ちゃんと笑えてるかな。あぁ、恋焦がれて憧れの、桐絵ちゃんに知られたくはないな、正体を。でも、可愛い私の姿、もっと見てもらいたいな。矛盾を抱えたまま、私は桐絵ちゃんとのランク戦を開始した。