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ちょうど桜が散り終わった頃、新しい学校生活が始まる。今年から高校生になる私は、欠伸をしながら校舎の門をくぐった。あらかじめ指定されたクラスへ行くと、中学時代の級友が「今年もよろしく」と挨拶にくる。笑顔を返し、適当な話題を話していた。
「へーすげぇな!! ボーダー隊員なんだ?!」
そんな言葉が聞こえてそちらを見ると、カチューシャをした黒髪の男子を中心に、人だかりが出来ていた。
「米屋陽介。ちょっと前にボーダー入ったんだって」
「……ふーん」
友達が丁寧に紹介してくれたが、別にどうということはなかった。大規模侵攻の時は、そりゃ大変な騒ぎだったけど、私の家はなんともなかったし。ボーダーに入ってるってことは、なにか事情でもあるのか、正義感の強い奴なのか。偉いなぁと思いこそすれ、すごいとは思わない。あれ、同じこと? これ。ま、いいや。担任の先生がやって来て、廊下に並ぶよう指示した。私は彼のことを忘れ、ぼんやり廊下に出た。自分より頭一つ小さい子達の間に入る。やっぱり、女子にしては私は背が高いらしい。
入学式中は、ずっと眠くて船を漕いでいた。ようやく退屈な話が終わり、体育館を出る。伸びをして声を出すと、周囲で小さな笑いが起きた。気にはせず、今度は首を回した。
「よぉ、おはよ。よく寝てたな?」
「ん……と。あんたは、」
さっき人を集めてた男子が、いつのまにか横に駆け寄って来ていた。同じクラスだから、真後ろから私を見ていたのだろう。
「俺、米屋。米屋陽介。お前が面白い動きしてたおかげで、俺は寝ずに済んだぜ! ありがとな」
「あぁ。よねや。よねや、ね。私、早乙女あき」
「早乙女な! よろしく!」
パンパン、と軽くよねやは私の肩を叩いた。そうして、横を通り過ぎていった。なんだか、面白そうな奴だと思った。クラスに戻れば、よねやの席の周りにはまた人が集まっている。私は、自分の席から様子を眺める。よく笑う彼の隣は、居心地が良さそうだった。思い立った私は席を立ち、まっすぐよねやの席に走った。
「ねぇ、私も混ぜてくんない?」
よねやの周囲の男子は目を丸くした。よねやも一瞬。けれど、次の瞬間には目を細めて笑った。
「おう! 早乙女はさ、スポーツするか? 暇ならいっちょ、バトろうぜ!」
米屋に誘われて、私がボーダーに入るのは、そのすぐ後の話だ。
「へーすげぇな!! ボーダー隊員なんだ?!」
そんな言葉が聞こえてそちらを見ると、カチューシャをした黒髪の男子を中心に、人だかりが出来ていた。
「米屋陽介。ちょっと前にボーダー入ったんだって」
「……ふーん」
友達が丁寧に紹介してくれたが、別にどうということはなかった。大規模侵攻の時は、そりゃ大変な騒ぎだったけど、私の家はなんともなかったし。ボーダーに入ってるってことは、なにか事情でもあるのか、正義感の強い奴なのか。偉いなぁと思いこそすれ、すごいとは思わない。あれ、同じこと? これ。ま、いいや。担任の先生がやって来て、廊下に並ぶよう指示した。私は彼のことを忘れ、ぼんやり廊下に出た。自分より頭一つ小さい子達の間に入る。やっぱり、女子にしては私は背が高いらしい。
入学式中は、ずっと眠くて船を漕いでいた。ようやく退屈な話が終わり、体育館を出る。伸びをして声を出すと、周囲で小さな笑いが起きた。気にはせず、今度は首を回した。
「よぉ、おはよ。よく寝てたな?」
「ん……と。あんたは、」
さっき人を集めてた男子が、いつのまにか横に駆け寄って来ていた。同じクラスだから、真後ろから私を見ていたのだろう。
「俺、米屋。米屋陽介。お前が面白い動きしてたおかげで、俺は寝ずに済んだぜ! ありがとな」
「あぁ。よねや。よねや、ね。私、早乙女あき」
「早乙女な! よろしく!」
パンパン、と軽くよねやは私の肩を叩いた。そうして、横を通り過ぎていった。なんだか、面白そうな奴だと思った。クラスに戻れば、よねやの席の周りにはまた人が集まっている。私は、自分の席から様子を眺める。よく笑う彼の隣は、居心地が良さそうだった。思い立った私は席を立ち、まっすぐよねやの席に走った。
「ねぇ、私も混ぜてくんない?」
よねやの周囲の男子は目を丸くした。よねやも一瞬。けれど、次の瞬間には目を細めて笑った。
「おう! 早乙女はさ、スポーツするか? 暇ならいっちょ、バトろうぜ!」
米屋に誘われて、私がボーダーに入るのは、そのすぐ後の話だ。