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頭が覚醒しないまま迎えた2時限目。次は堅っ苦しくてつまらないと評判の、担任による現代社会だ。一応、教科書とノートは出したが、ノートは前回分が真っ白。今日は聞いておかないとマズイか。
「えー、じゃあ前回の続きの、116ページから……」
教室のざわざわが徐々に収まり、教室にはシャーペンを走らせる音だけになる。はあ、つまらないなあ。シャーペンを回しながら、机の中のケータイを見ると、液晶が光っている。バレないようにロックを解除して、メールを確認した。
『差出人:出水公平 今日の朝、帰ってきた。いつもの駅前で待ってる』
退屈していた心が一気に踊りだす。
「先生、今日体調悪いんでもう帰ります」
サボりを実行するのに迷いはなかった。
校門が見えなくなったところで走り出した。出水がボーダーの任務から帰ってきた。いつもは学校で会っているから、すごく久しぶりに会う気がする。途中転びそうになりながら、足は止めない。早く会いたい。駅前に来ると、周辺案内の看板の前、寄りかかってケータイをいじる出水を見つけた。
「出水っ、おかえりっ!」
「うおっ、あぶね!」
飛びついた私を受け止めてくれた。そのまま、胸に顔を埋める。
「さみしかったよー会いたかった!」
「あき、走ってきたのか?」
「うん! 早く会いたくて!」
顔を上げて出水の顔を見ると、真顔でぼんやり私を見つめていた。いつになく真剣な眼差しにドキリとする。
「出水?」
「…………かわいいな、お前」
「へっ!?」
体温が急上昇する。え、どうしちゃったの出水。いつもは私をからかうばかりで、かわいい、なんて言葉、そんな真剣な顔で言うなんて。言葉を失って見つめあっていると、ふい、と視線を外されてしまう。そのまま、出水は歩き出した。慌てて追いかけて、隣に並ぶ。
「ね、ねぇ! 今のもう一回!」
「うっせ、ばーか」
言うと、どんどん進んでいってしまう。髪の隙間から見える耳は、真っ赤に染まっていた。
「出水、好き!」
たまらず、気持ちを声に出す。
「……おう」
「大好き!」
「……ん」
差し出された手を、指を絡めて繋ぐ。どこに行くのか分からないけど、出水が連れていってくれるならどこでもいいと思う。幸福を噛みしめるように、ギュッと手を握った。
「えー、じゃあ前回の続きの、116ページから……」
教室のざわざわが徐々に収まり、教室にはシャーペンを走らせる音だけになる。はあ、つまらないなあ。シャーペンを回しながら、机の中のケータイを見ると、液晶が光っている。バレないようにロックを解除して、メールを確認した。
『差出人:出水公平 今日の朝、帰ってきた。いつもの駅前で待ってる』
退屈していた心が一気に踊りだす。
「先生、今日体調悪いんでもう帰ります」
サボりを実行するのに迷いはなかった。
校門が見えなくなったところで走り出した。出水がボーダーの任務から帰ってきた。いつもは学校で会っているから、すごく久しぶりに会う気がする。途中転びそうになりながら、足は止めない。早く会いたい。駅前に来ると、周辺案内の看板の前、寄りかかってケータイをいじる出水を見つけた。
「出水っ、おかえりっ!」
「うおっ、あぶね!」
飛びついた私を受け止めてくれた。そのまま、胸に顔を埋める。
「さみしかったよー会いたかった!」
「あき、走ってきたのか?」
「うん! 早く会いたくて!」
顔を上げて出水の顔を見ると、真顔でぼんやり私を見つめていた。いつになく真剣な眼差しにドキリとする。
「出水?」
「…………かわいいな、お前」
「へっ!?」
体温が急上昇する。え、どうしちゃったの出水。いつもは私をからかうばかりで、かわいい、なんて言葉、そんな真剣な顔で言うなんて。言葉を失って見つめあっていると、ふい、と視線を外されてしまう。そのまま、出水は歩き出した。慌てて追いかけて、隣に並ぶ。
「ね、ねぇ! 今のもう一回!」
「うっせ、ばーか」
言うと、どんどん進んでいってしまう。髪の隙間から見える耳は、真っ赤に染まっていた。
「出水、好き!」
たまらず、気持ちを声に出す。
「……おう」
「大好き!」
「……ん」
差し出された手を、指を絡めて繋ぐ。どこに行くのか分からないけど、出水が連れていってくれるならどこでもいいと思う。幸福を噛みしめるように、ギュッと手を握った。