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来た。ついに来た。我らがエンジニアチーフ兼一応私の彼氏である、寺島雷蔵の誕生日が。今日こそは、今日くらいは、研究室から出てもらってお休みいただく。私はあれやこれやと策を練り、チーフの研究室に足を踏み入れた。
「チ、チーフゥ……」
「…………」
「聞いてます?」
「聞いてるよ。なに?」
じゃあ返事をしてくださいよ。
「あの、コーラあるんで休憩にしませんか」
「コーラなら今飲んでる」
机の上には2リットルボトルのコーラが。え、まさか直飲みですか……? 流石に身体に悪いんじゃなかろうか。コーラを飲ませるのはやめることにした。
「あ、じゃあこの前言ってた、最近アニメ化で話題になってる漫画の原作があるんですけど」
「それならもう電子版で読んだ」
電子版……だと……? 通りで漫画本自体を見ないわけだ。実物がないので読んでないだろうと油断した。この作戦も失敗だ。
「えーとえーと……」
「…………」
「じゃあお昼寝、」
「今眠くないや」
ですよね。まだ午前中ですもんね。トリガーいじりのが楽しいですよね。はぁ。知り得る限りの雷蔵さんの好きなもので、なんとか部屋から出てもらおうと思ったのだが。トリガーいじりに没頭してる以上、もう打つ手がない。私はがっくりと肩を落とした。
「お前さ、」
「はい?」
泣きべそで雷蔵さんの丸い背中を見る。雷蔵さんは振り向かず、手を動かしながら喋る。
「結局、目的はなんなの」
「え」
「お前は俺のなに?」
私が雷蔵さんのなんであるかは、よく質問される。答える度に体温が上がるけれど。
「こ、恋人です……!」
「じゃあ、そのままお前が思ってること言えばいいんじゃないの」
私が思ってること? 私が思ってることは……。
「誕生日くらい、休んでください。身体に障ります」
「そ。それだけ?」
くるりと椅子を回して、雷蔵さんさ振り向いた。相変わらず、感情の読めないポーカーフェイス。でも、なんとなくこの状況を楽しんでいる気がする。
「た、誕生日くらい、祝わせてください……! 恋人なんで!」
「……始めからそう言えばいいだろ」
よっこいしょ、と呟きながら雷蔵さんは立ち上がった。そしてゆっくり近づいてくると、私を通り過ぎて出口に向かう。
「自分の誕生日くらい、俺だって彼女と過ごしたいよ」
「え? え!?」
「叶えてくれるんでしょ?」
振り向いた顔はしてやったりの表情。恥ずかしいので、目線を下に落としてしまったが。
「勿論です……!」
誕生日おめでとうございます、雷蔵さん。
「チ、チーフゥ……」
「…………」
「聞いてます?」
「聞いてるよ。なに?」
じゃあ返事をしてくださいよ。
「あの、コーラあるんで休憩にしませんか」
「コーラなら今飲んでる」
机の上には2リットルボトルのコーラが。え、まさか直飲みですか……? 流石に身体に悪いんじゃなかろうか。コーラを飲ませるのはやめることにした。
「あ、じゃあこの前言ってた、最近アニメ化で話題になってる漫画の原作があるんですけど」
「それならもう電子版で読んだ」
電子版……だと……? 通りで漫画本自体を見ないわけだ。実物がないので読んでないだろうと油断した。この作戦も失敗だ。
「えーとえーと……」
「…………」
「じゃあお昼寝、」
「今眠くないや」
ですよね。まだ午前中ですもんね。トリガーいじりのが楽しいですよね。はぁ。知り得る限りの雷蔵さんの好きなもので、なんとか部屋から出てもらおうと思ったのだが。トリガーいじりに没頭してる以上、もう打つ手がない。私はがっくりと肩を落とした。
「お前さ、」
「はい?」
泣きべそで雷蔵さんの丸い背中を見る。雷蔵さんは振り向かず、手を動かしながら喋る。
「結局、目的はなんなの」
「え」
「お前は俺のなに?」
私が雷蔵さんのなんであるかは、よく質問される。答える度に体温が上がるけれど。
「こ、恋人です……!」
「じゃあ、そのままお前が思ってること言えばいいんじゃないの」
私が思ってること? 私が思ってることは……。
「誕生日くらい、休んでください。身体に障ります」
「そ。それだけ?」
くるりと椅子を回して、雷蔵さんさ振り向いた。相変わらず、感情の読めないポーカーフェイス。でも、なんとなくこの状況を楽しんでいる気がする。
「た、誕生日くらい、祝わせてください……! 恋人なんで!」
「……始めからそう言えばいいだろ」
よっこいしょ、と呟きながら雷蔵さんは立ち上がった。そしてゆっくり近づいてくると、私を通り過ぎて出口に向かう。
「自分の誕生日くらい、俺だって彼女と過ごしたいよ」
「え? え!?」
「叶えてくれるんでしょ?」
振り向いた顔はしてやったりの表情。恥ずかしいので、目線を下に落としてしまったが。
「勿論です……!」
誕生日おめでとうございます、雷蔵さん。