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防衛任務が終わり、穏やかな隊室での午後。穂刈は筋トレをし、加賀美ちゃんは粘土をこね、義人は週刊誌漫画を読んでいる。そんな空気の中、哲次は黙々と報告書を書いている。うん、いつもの荒船隊だ。私はぼんやりネットを眺めながら、義人が一通り漫画を読み終わるのを待っていた。
「義人ー読み終わったら今週の読ませてくれる?」
「いいっすけど、珍しいすね。あれの連載終わってから読んでなかったじゃないですか」
「最近また気になるのが出てきたんだよねー」
好きな漫画が連載終了してから、しばらくその雑誌は離れていたのだが、新連載の情報を見ていたら気になるキャラが出て来たのだ。そして、今週号はそのキャラの活躍回と聞いている。ダルそうな義人の手から雑誌を受け取り、パラパラとめくっていく。
「あー! やっぱりかっこいいなぁ! これ読もう! 決定!」
「ん? どれっすか?」
「いるのか、かっこいい男が」
「どれどれー?」
皆が私に興味を示し、雑誌を覗き込む。黒いロングコートにナイフを扱う男が、紙の上で暴れている。
「へーかっこいいかも!」
「でしょ? ビジュアルでもう気になって」
女子同士のフィーリングはやはり近いのだろうか。加賀美ちゃんと盛り上がっていると、そろーっと哲次も覗きに来た。じろーっと品定めするように、一コマ一コマを凝視する。
「……こんな男のどこがいいんだよ」
「なにおう? スタイリッシュでかっこいいじゃろが!」
反論すれば、むっすーっとしかめっ面。あ、嫌な予感するなぁ。
「こんなん、俺要素がひとつもねぇじゃねぇか!」
突っ込みどころ満載な叫びを聞き、面倒を感じた隊員が一人、また一人と隊室を出て行く。あぁ、気を使わせている。気がつけば、隊室には不機嫌な哲次と二人きりだ。
「こんな下まつげ野郎のどこがいいんだよ、言ってみろよ」
そんな顔のパーツの細部まで、私は見てなかったよ。よく見たら確かに下まつげ長いキャラだった。ピリピリとした威圧感に、困り顔で黙っていた。すると身を乗り出して椅子に近づき、私の顔の横に手をついてくる。少女漫画顔負けの壁ドンである。近い。
「どうした? 反論は?」
「……哲次要素があればOKなの?」
「………あー、却下」
結局ダメなのか。私は次元の違う相手へも浮気が許されないのだろうか。哲次の嫉妬深さには毎回恐れ入る。
「かっこいいもんはかっこいいじゃん」
「俺は?」
「……かっこいいですけど」
「そんだけか?」
腹が立つ。このまま彼の思うように答えていくのは。でも、自分の気持ちを誤魔化すことも難しい。哲次の肩をやんわりと押す。それに気を取られているうちに。
「!!」
触れるだけのキスをした。そうして、出来るだけ近くで瞳を覗き込む。哲次の切れ長な眼に、頬を染めた私が映る。次第に、哲次の頬も染まる。意地でずーっと見つめ続けていれば、すっと帽子をずり下げなから離れた。
「……お前は俺だけ見てればいいんだよ」
ぼそっと呟かれた言葉があまりにも俺様だったので、吹き出してしまった。それが、痴話喧嘩第二ラウンド開始の合図だった。
「義人ー読み終わったら今週の読ませてくれる?」
「いいっすけど、珍しいすね。あれの連載終わってから読んでなかったじゃないですか」
「最近また気になるのが出てきたんだよねー」
好きな漫画が連載終了してから、しばらくその雑誌は離れていたのだが、新連載の情報を見ていたら気になるキャラが出て来たのだ。そして、今週号はそのキャラの活躍回と聞いている。ダルそうな義人の手から雑誌を受け取り、パラパラとめくっていく。
「あー! やっぱりかっこいいなぁ! これ読もう! 決定!」
「ん? どれっすか?」
「いるのか、かっこいい男が」
「どれどれー?」
皆が私に興味を示し、雑誌を覗き込む。黒いロングコートにナイフを扱う男が、紙の上で暴れている。
「へーかっこいいかも!」
「でしょ? ビジュアルでもう気になって」
女子同士のフィーリングはやはり近いのだろうか。加賀美ちゃんと盛り上がっていると、そろーっと哲次も覗きに来た。じろーっと品定めするように、一コマ一コマを凝視する。
「……こんな男のどこがいいんだよ」
「なにおう? スタイリッシュでかっこいいじゃろが!」
反論すれば、むっすーっとしかめっ面。あ、嫌な予感するなぁ。
「こんなん、俺要素がひとつもねぇじゃねぇか!」
突っ込みどころ満載な叫びを聞き、面倒を感じた隊員が一人、また一人と隊室を出て行く。あぁ、気を使わせている。気がつけば、隊室には不機嫌な哲次と二人きりだ。
「こんな下まつげ野郎のどこがいいんだよ、言ってみろよ」
そんな顔のパーツの細部まで、私は見てなかったよ。よく見たら確かに下まつげ長いキャラだった。ピリピリとした威圧感に、困り顔で黙っていた。すると身を乗り出して椅子に近づき、私の顔の横に手をついてくる。少女漫画顔負けの壁ドンである。近い。
「どうした? 反論は?」
「……哲次要素があればOKなの?」
「………あー、却下」
結局ダメなのか。私は次元の違う相手へも浮気が許されないのだろうか。哲次の嫉妬深さには毎回恐れ入る。
「かっこいいもんはかっこいいじゃん」
「俺は?」
「……かっこいいですけど」
「そんだけか?」
腹が立つ。このまま彼の思うように答えていくのは。でも、自分の気持ちを誤魔化すことも難しい。哲次の肩をやんわりと押す。それに気を取られているうちに。
「!!」
触れるだけのキスをした。そうして、出来るだけ近くで瞳を覗き込む。哲次の切れ長な眼に、頬を染めた私が映る。次第に、哲次の頬も染まる。意地でずーっと見つめ続けていれば、すっと帽子をずり下げなから離れた。
「……お前は俺だけ見てればいいんだよ」
ぼそっと呟かれた言葉があまりにも俺様だったので、吹き出してしまった。それが、痴話喧嘩第二ラウンド開始の合図だった。