AI合作集
呼び声は海底の古い歌だった。波が岸に吐き出す言葉を、誰かが耳を澄ませて拾った。英雄はその歌を背負って歩いたが、彼の足跡は砂に溶けていく。それでも誰かが歌い続ける限り、名前は消えない──と海が囁く。
「ようは波の音だろ?波との付き合いなら、俺たち海賊のが得意だぜ?」
海の上の船、貨物船に乗り込んできた海賊に、呑気な声で悠々と語ってみせる男がいた。何故か海賊も盗む手を一度止めて、男の話に耳を貸す。ひとつ大きな波が来て船を揺らす。おっとっと、と海賊はバランスを崩すが、男は微動だにしなかった。
「まぁ、御伽話聞かせてくれてあんがとな。あばよ!」
海賊が男に斬りかかる。すかさず男は抜刀し、海賊のカトラスごと。バンッ!! 海賊を斬り伏せた。波のさざめきだけが残り。やがて海賊がどよめく。
「いやぁね。足跡は波に飲まれちまうからよ。だーれも俺のこと、知らねぇのよ」
男は少し寂しげに、自嘲するように笑った。海賊は尻込みながらも、たった1人に負けるわけにはと飛びかかる。キンッキンと金属がぶつかる音も軽快に。華麗に全てを切り裂いたあと、男は伸びをした。船内から歓声があがる。船長が歩み寄り、男と握手した。
「ありがとう、君!君のような手練が乗っているなんて。どこの部門だ?」
「いや?俺は波に呼ばれてきただけさ」
船長がぽかんと目を丸くする。男は握手もそこそこに、船縁に立った。一度だけ、振り返って。
「じゃあ、このことは陸に帰って語り継いでくださいな」
男は海に飛び込んだーー消えた。貨物船の従業員は、錨を下ろして日が暮れるまで探したが、ついぞ見つかることはなかった。男は波に飲まれてしまったのか?
「愛する人よ、離しはしないわ」
海が歌う、波がリズムを取るように繰り返し、立ち上がっては崩れていく。男はその歌を口ずさめた。故にセイレーンに見初められ、食い殺されることはなく、海を漂う英雄となった。水の中、水上は歩けど、陸に帰ることは許されない。
「今日の足跡は、いつまで語られるかね」
岸辺に残した足跡が自分の耳に届くのを、男は楽しみにしていた。それもやがて、じきに波に掻き消されてしまうがーー
「ようは波の音だろ?波との付き合いなら、俺たち海賊のが得意だぜ?」
海の上の船、貨物船に乗り込んできた海賊に、呑気な声で悠々と語ってみせる男がいた。何故か海賊も盗む手を一度止めて、男の話に耳を貸す。ひとつ大きな波が来て船を揺らす。おっとっと、と海賊はバランスを崩すが、男は微動だにしなかった。
「まぁ、御伽話聞かせてくれてあんがとな。あばよ!」
海賊が男に斬りかかる。すかさず男は抜刀し、海賊のカトラスごと。バンッ!! 海賊を斬り伏せた。波のさざめきだけが残り。やがて海賊がどよめく。
「いやぁね。足跡は波に飲まれちまうからよ。だーれも俺のこと、知らねぇのよ」
男は少し寂しげに、自嘲するように笑った。海賊は尻込みながらも、たった1人に負けるわけにはと飛びかかる。キンッキンと金属がぶつかる音も軽快に。華麗に全てを切り裂いたあと、男は伸びをした。船内から歓声があがる。船長が歩み寄り、男と握手した。
「ありがとう、君!君のような手練が乗っているなんて。どこの部門だ?」
「いや?俺は波に呼ばれてきただけさ」
船長がぽかんと目を丸くする。男は握手もそこそこに、船縁に立った。一度だけ、振り返って。
「じゃあ、このことは陸に帰って語り継いでくださいな」
男は海に飛び込んだーー消えた。貨物船の従業員は、錨を下ろして日が暮れるまで探したが、ついぞ見つかることはなかった。男は波に飲まれてしまったのか?
「愛する人よ、離しはしないわ」
海が歌う、波がリズムを取るように繰り返し、立ち上がっては崩れていく。男はその歌を口ずさめた。故にセイレーンに見初められ、食い殺されることはなく、海を漂う英雄となった。水の中、水上は歩けど、陸に帰ることは許されない。
「今日の足跡は、いつまで語られるかね」
岸辺に残した足跡が自分の耳に届くのを、男は楽しみにしていた。それもやがて、じきに波に掻き消されてしまうがーー
