富豪の息子と男娼さん
およそ六年の間、片想いを続けてきて、この恋が実らないのは感じていた。でも、晋太郎は誰のものにもならないような気がしていて、だから、晋太郎が男とホテルに入っていくのを見た時は、見間違いであれと思ったし、もしそうであっても何か理由があるはずと願っていたのだ。それが、まさか晋太郎が男娼さんだったなんて……。お金の為に、身体を売っていたなんて。
「信じたくないなぁ…………」
金ならある。僕には、お金だけはあるのに。僕は晋太郎に嘘なんて吐かない。本気で、彼の生涯を買ったっていいと思ってる。でも、それは断られたし、受け入れてもらっても僕が満たされることはないだろう。この抱えきれない、受け取ってもらえない想いを、どこへやろうか。
あの夜、晋太郎を傷つけた男の顔は思い出せない。僕より大柄で、ガタイのいい男。晋太郎は、ああいうのがタイプなのか。……そもそも、晋太郎が僕のことをフったのは僕が男性であるからだと思っていた。そんなこと、君は問題にしてなかったんだね。余計に惨めで、切なくて苦しい。何故、あの瞳に僕は映らない。なにが、足りないのだろう。
「全部、かな」
一人呟いて、渇いた笑いがでた。笑ったあと、嗚咽して泣いた。全部足りない、のではなくて、全部満たしていて、その上で相手にされていないのではと、行き詰まって恐怖した。そこから思考は帰ってこれず、逃げるように眠りについた。
しばらく無気力で空っぽな日々が続いた。どれくらいなんて覚えてない。僕を心配した母が、週末に湖畔の別荘に行くことを勧めた。言われるがまま、別荘に行った。
「信じたくないなぁ…………」
金ならある。僕には、お金だけはあるのに。僕は晋太郎に嘘なんて吐かない。本気で、彼の生涯を買ったっていいと思ってる。でも、それは断られたし、受け入れてもらっても僕が満たされることはないだろう。この抱えきれない、受け取ってもらえない想いを、どこへやろうか。
あの夜、晋太郎を傷つけた男の顔は思い出せない。僕より大柄で、ガタイのいい男。晋太郎は、ああいうのがタイプなのか。……そもそも、晋太郎が僕のことをフったのは僕が男性であるからだと思っていた。そんなこと、君は問題にしてなかったんだね。余計に惨めで、切なくて苦しい。何故、あの瞳に僕は映らない。なにが、足りないのだろう。
「全部、かな」
一人呟いて、渇いた笑いがでた。笑ったあと、嗚咽して泣いた。全部足りない、のではなくて、全部満たしていて、その上で相手にされていないのではと、行き詰まって恐怖した。そこから思考は帰ってこれず、逃げるように眠りについた。
しばらく無気力で空っぽな日々が続いた。どれくらいなんて覚えてない。僕を心配した母が、週末に湖畔の別荘に行くことを勧めた。言われるがまま、別荘に行った。
