名前なき綺羅星

(滅びゆく国。民衆の手により革命が起こり、明日は王子の処刑の日……身代わりが王子の手錠をつけ、王子は遠い国へ亡命する)

「なぁ……死ぬべきなのは俺なんだろ?そうじゃないか。君が死ぬ必要、ないだろ。やめにしてくれよ」
「そういうわけには参りません。私は王子と背格好が似ている、きっとバレることはないでしょう」
「失敗の心配をしているのではない!君の命はーー」

(手錠のついた手で、身代わりが王子の手を取った)

「(……冷たい。死んでいるかのようだ)なぁ、何故俺は生かされる?」
「それを考えるのが、貴方のこれからの人生の贖罪でございます。今、その問いが出たのは及第点ですね」
「宿題か……忘れたことなかったのに」

(身代わりが吹き出して笑う。王子はきょとんとして、少しほっとした。)

「さぁ、逃げきれなくては意味がない。城の裏門の馬車へ、急いで」
「……あぁ、分かった。ありがとう。君のことは一生忘れない」

(身代わりが出来ることはここまで。身代わりは手錠を擦り合わせるように祈った)
18/18ページ
スキ