三角錐で見る夢
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トルキエ暦75年、黒砂糖月カラ・シェケル1日。トルキエ将国では砦の町ヒサールで反乱が起きているとの報告が入っているが、ここブチャク将国の宝石の町ムジュヘルでは、まだ大きな混乱は起きていない。ジン商会、第45将子クルク・ベシュ・ベイオウル武器商のスィラーフイスマイルに雇われた傭兵、山の楽団オルケスタ・デ・モンターニャのリザンは、同じ主人に運良く買われた妹と共に、休暇を楽しんでいた。
「兄上、あれ! 串焼き買ってください!」
「おぉ、いいぞ。リジュは食べるのが好きだな~」
「はい、大好きです!」
商店街を練り歩く姿は、恋人と見間違えるほど仲がいい。宝石の町ムジュヘルでも評判の、仲良し兄妹である。
久しぶりの妹との休暇、あまり自分から休まないリジュの羽休めになるように努める。リジュは俺と同じく、イスマイル様に雇われた傭兵だ……実際のところは、リジュは女として人生を買われたのだが、本人は傭兵として雇われていると思っている。イスマイル様が訂正する気がないようなので(面白半分で)そのままにしているが。リジュは祖母が手入れしていた長い髪と、エメラルドのような深緑の瞳が綺麗な女の子だ(俺は声が一番可愛いと思う)。イスマイル様が一目惚れするのも無理はない。
「兄上、あっちの市場バザールでエルバッハの誕生日の贈り物を選びたいです!」
「おっ今年も贈ってやるのか?」
「はい!」
リジュが笑顔で名前を呼ぶエルバッハという男は俺の友達で、主にルメリアナの心臓地方クオーレ・ディ・ルメリアナや南ルメリアナ地方で傭兵をしている。幼い頃のリジュを知っていて、昔から可愛がってくれているのだ(可愛がり方が絶対下心があると、兄は踏んでいる)。
「兄上、このブローチと帽子飾り、どちらがいいと思いますか?」
「んーリジュが選ぶならなんでも喜ぶと思うぞあいつ」
「えー悩んでるのに」
リジュが露店で悩んでいる間、周囲の噂話が耳に入ってきた。なんでも、バルトライン帝国との国境線、砦の町ヒサールでの反乱がいよいよ深刻化しそうだとか……きな臭い話だ、と思いながらリジュに視線を戻すと、不安そうに俺を見上げていた。
「どうした?」
「いえ……イスマイル様の側にいなくて大丈夫かなって」
リジュはいつだって、自分の使命をしっかり全うしようとする。……イスマイル様への想いに、特別な感情があるかは分からないし、それはエルバッハに対してもそう感じる。
「じゃあ、早く贈り物選んで戻るか?」
「うん!」
せっかくもらった休み、もう少しのんびりさせてやりたかったが。こう見えて頑固なので、多分言っても聞かないだろう。可愛い妹とのデートはここでお終いだ。
(イスマイル様か、エルバッハか……)
もしかしたら、どちらかが彼女に添い遂げるかもしれない。だからこそ、兄として先入観を持たせる発言はしないようにしてる。妹が、心から選べる道を、俺は応援したいのだ。
「兄上、あれ! 串焼き買ってください!」
「おぉ、いいぞ。リジュは食べるのが好きだな~」
「はい、大好きです!」
商店街を練り歩く姿は、恋人と見間違えるほど仲がいい。宝石の町ムジュヘルでも評判の、仲良し兄妹である。
久しぶりの妹との休暇、あまり自分から休まないリジュの羽休めになるように努める。リジュは俺と同じく、イスマイル様に雇われた傭兵だ……実際のところは、リジュは女として人生を買われたのだが、本人は傭兵として雇われていると思っている。イスマイル様が訂正する気がないようなので(面白半分で)そのままにしているが。リジュは祖母が手入れしていた長い髪と、エメラルドのような深緑の瞳が綺麗な女の子だ(俺は声が一番可愛いと思う)。イスマイル様が一目惚れするのも無理はない。
「兄上、あっちの市場バザールでエルバッハの誕生日の贈り物を選びたいです!」
「おっ今年も贈ってやるのか?」
「はい!」
リジュが笑顔で名前を呼ぶエルバッハという男は俺の友達で、主にルメリアナの心臓地方クオーレ・ディ・ルメリアナや南ルメリアナ地方で傭兵をしている。幼い頃のリジュを知っていて、昔から可愛がってくれているのだ(可愛がり方が絶対下心があると、兄は踏んでいる)。
「兄上、このブローチと帽子飾り、どちらがいいと思いますか?」
「んーリジュが選ぶならなんでも喜ぶと思うぞあいつ」
「えー悩んでるのに」
リジュが露店で悩んでいる間、周囲の噂話が耳に入ってきた。なんでも、バルトライン帝国との国境線、砦の町ヒサールでの反乱がいよいよ深刻化しそうだとか……きな臭い話だ、と思いながらリジュに視線を戻すと、不安そうに俺を見上げていた。
「どうした?」
「いえ……イスマイル様の側にいなくて大丈夫かなって」
リジュはいつだって、自分の使命をしっかり全うしようとする。……イスマイル様への想いに、特別な感情があるかは分からないし、それはエルバッハに対してもそう感じる。
「じゃあ、早く贈り物選んで戻るか?」
「うん!」
せっかくもらった休み、もう少しのんびりさせてやりたかったが。こう見えて頑固なので、多分言っても聞かないだろう。可愛い妹とのデートはここでお終いだ。
(イスマイル様か、エルバッハか……)
もしかしたら、どちらかが彼女に添い遂げるかもしれない。だからこそ、兄として先入観を持たせる発言はしないようにしてる。妹が、心から選べる道を、俺は応援したいのだ。
