ロスタイムまでのキックオフ
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(ブルーロックプロジェクト??なんやろそんなけったいな)
両親が意気揚々とダイニングに持ち込んだ封筒は、ブルーロックプロジェクトの選抜対象であるという通知だった。当然、僕の意思とは関係なく、両親は俺にチャレンジするように言った。悪意のない期待の眼差しを、いつだって振り払いたいけれど。こんな親でも、僕の両親やから。夕飯のシチューは、なんとなく味気なかった。
部屋にこもってからは、軽く身体のストレッチをして、そのあとは肩こりも忘れてゲームをする。ゲームはいい。どんだけ上手くなろうとも、両親にその凄さは伝わらない。理解の届かない場所で、楽しく遊ぶのが気楽でいいのだ。しかも、ゲームでの強さなんて底なしに高い。難易度まで選んで遊べる。こんな自由ってない。
『ひつじさん、やっほー!今日なにする?』
1番付き合いの長いユーザーさん。藍さん。男だか女だかよく分からないし気にもしないけど。いつも自然体で、素直な表現を選ぶから、ゲームでも作戦が混乱することもないし、とにかく楽しいし上手い。でも、とても義理堅い人であるからこそ、無言退去自由のギルドであっても、ちゃんと報告しなきゃと思った。
『あのね』
打ち込んだ瞬間に、つぅーと涙が溢れた。手で擦って湿り気を感じたら、止まらなくなってしまった。嗚咽を漏らしながら、それでも丁寧に打った。
『僕、しばらくここ来れへんかもしれんねん』
『そうなん?なんか具合悪い?』
『いや、そうじゃないんだけど』
そうじゃないんだけど。簡単に言ってしまえば、リアルが忙しくなっただけなんだけど。そんな陳腐な理由でここを去りたくなかったんだ。
『ブルーロックプロジェクトってサッカーの育成選手に選ばれて……多分ゲーム触れないねん』
『ふーん、そっかぁ。まぁ大丈夫だよ!ひつじちゃんならよゆーよゆー』
藍さんはあいからず能天気で、ちょっとイラッとする。僕の欲しい言葉、それじゃない。
『ま、でもさ。辛かったらズルしてでもここに戻っておいでよ。このゲームが好きだろ?』
『うん、すき』
それも、出来ることなら貴方とプレイしたいんだよ。その気持ちはお菓子を包むように胸にしまった。
『私もしばらくはこのゲーム遊びたいからさー。ひつじが帰ってくるまでいろいろ探索しとくよ。で、2人ともで面白くなくなったら、また別のゲーム探そ?』
『うん』
『なーんも悲しいことあらへんよ。サッカーも楽しんでね』
『うん、ありがとう』
2人でのやり取りが終わった直後に、ギルドのメンバーが集まってきて。大事な約束はふたりきりのものになった。それに心底安心した。僕は、僕のプレイをする場所を選んでええねん。それだけのことだった。
両親が意気揚々とダイニングに持ち込んだ封筒は、ブルーロックプロジェクトの選抜対象であるという通知だった。当然、僕の意思とは関係なく、両親は俺にチャレンジするように言った。悪意のない期待の眼差しを、いつだって振り払いたいけれど。こんな親でも、僕の両親やから。夕飯のシチューは、なんとなく味気なかった。
部屋にこもってからは、軽く身体のストレッチをして、そのあとは肩こりも忘れてゲームをする。ゲームはいい。どんだけ上手くなろうとも、両親にその凄さは伝わらない。理解の届かない場所で、楽しく遊ぶのが気楽でいいのだ。しかも、ゲームでの強さなんて底なしに高い。難易度まで選んで遊べる。こんな自由ってない。
『ひつじさん、やっほー!今日なにする?』
1番付き合いの長いユーザーさん。藍さん。男だか女だかよく分からないし気にもしないけど。いつも自然体で、素直な表現を選ぶから、ゲームでも作戦が混乱することもないし、とにかく楽しいし上手い。でも、とても義理堅い人であるからこそ、無言退去自由のギルドであっても、ちゃんと報告しなきゃと思った。
『あのね』
打ち込んだ瞬間に、つぅーと涙が溢れた。手で擦って湿り気を感じたら、止まらなくなってしまった。嗚咽を漏らしながら、それでも丁寧に打った。
『僕、しばらくここ来れへんかもしれんねん』
『そうなん?なんか具合悪い?』
『いや、そうじゃないんだけど』
そうじゃないんだけど。簡単に言ってしまえば、リアルが忙しくなっただけなんだけど。そんな陳腐な理由でここを去りたくなかったんだ。
『ブルーロックプロジェクトってサッカーの育成選手に選ばれて……多分ゲーム触れないねん』
『ふーん、そっかぁ。まぁ大丈夫だよ!ひつじちゃんならよゆーよゆー』
藍さんはあいからず能天気で、ちょっとイラッとする。僕の欲しい言葉、それじゃない。
『ま、でもさ。辛かったらズルしてでもここに戻っておいでよ。このゲームが好きだろ?』
『うん、すき』
それも、出来ることなら貴方とプレイしたいんだよ。その気持ちはお菓子を包むように胸にしまった。
『私もしばらくはこのゲーム遊びたいからさー。ひつじが帰ってくるまでいろいろ探索しとくよ。で、2人ともで面白くなくなったら、また別のゲーム探そ?』
『うん』
『なーんも悲しいことあらへんよ。サッカーも楽しんでね』
『うん、ありがとう』
2人でのやり取りが終わった直後に、ギルドのメンバーが集まってきて。大事な約束はふたりきりのものになった。それに心底安心した。僕は、僕のプレイをする場所を選んでええねん。それだけのことだった。
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