布田くんはたまにめんどくさくて国領くんはクソ真面目、柴崎くんはちゃらんぽらん
今日はわりあい早く終わった上、オジキの機嫌が良くて封筒に2枚入っていた。自分の気分も上がる。なにすっかな。パチで溶かすのはあまりにももったいないしな。欲しいもんも特にないし。パーッと飲むか。スマホを取り出し、トーク欄を眺めて「栗平」のとこにスタンプを投げ込む。
『奢るから、今日夜飲みに行かねぇ?』
メッセージを投げて、またしばしトーク欄を眺める。栗平呼ぶなら、黒川も呼ぼうか。あかりさんは仕事かな。あれこれ考えた後、もう一度封筒を覗く。2枚。
(あんま人数多いと2万でも足出ないか?)
4人で予算気にせず飲むには、心許ない気がする。せっかく奢るなら安い店選びたくねぇしな。うん。とりあえず栗平からの返信待とう。タバコに火をつける。煙が茜空に吸われていく。今日も悪くない。とりあえず車を置きに帰る。車から降りたところで、返信が来た。
『絶対行くから!!仕事速攻で終わらせていくから!!』
『無理すんなよー』
スタンプ押して、部屋でもう一服。飲むなら電車使わねぇとなー。うちの最寄りまで来てくれればいいが。栗平が帰るの大変だろうから、市ヶ谷まで出るか。通った大学周りなら、まだかろうじて出られる。
『市ヶ谷周辺にいるからな』
栗平にそう送って、いつものウエストポーチ、中身そのままに出かける。日が伸びたと感じる。もうすぐ冬も終わるな。畑潰したあそこ、また薬局になるのか。薬局はもういらねぇって。どうせならファミレスか居酒屋になってほしい。ここの地下は昔は魚民だったのに、今はゴルフの打ちっぱなしになってら。街はどんどん変わっていく。置いてかれたとは思わない。勝手に変わっていくものに、合わせる必要なんてどこにもない。変わって怖いものと言えば、大事な人たちの寿命だとか、生活だとか。それだって、俺が止められるものはごく僅かだ。
(PASMO、どこやったっけ?)
財布の中か?財布を探したが、見つからず。慌ててウエストポーチを漁ると、内ポケットに仕舞ってあった。カードを取り出して、改札を通る。とりあえずズボンのポケットに入れた。どっちに乗るんだっけ?
『今終わった!!すぐ行くね!!』
『おう逆走しちゃってまだ着いてないから、焦らず来いよー』
3駅くらいで気付いてよかった。あと2駅?怖くて案内板から目が離せない。アナウンスを注意深く聞き、確かに市ヶ谷で降りる。なんか細かいところがあれこれ変わっていて、混乱する。A4出口だっけ。
『いつもの出口にいるからね!!分かんなかったら言ってね』
『いつもの出口ってA4?』
『そうだよー』
合ってた。頭上の案内を追いながら、なんとか地上に出る。俺が見つける前に、栗平が俺を見つけて飛びついてくる。危ねぇって。栗平が胸元に引っ掛けてるサングラスが落ちそうなので、落ちる前に拾う。栗平は少し落ち着いて、ありがと~と受け取った。
「会いたかったよ~」
「こないだ3連休にも会っただろ」
「週1は会いたいもん!」
「はいはい、悪かった」
俺の腕に絡む栗平の、頭をぽんぽん撫でてやる。びっくりするくらい、髪がサラサラだ。なに食ったらこうなんだ?まぁ栗平は俺よりずっと少食だが。栗平にひっつかせたまま、居酒屋を探す。
「なに食いたい?」
「翔悟さん♡」
「急に反応に困る冗談やめろ」
栗平がものすごく幸せそうにしてるので、笑って流してしまう。多分本気なんだよなぁ。知り合って10年になるのか?ずーっと飽きずにこの調子なんだよな。俺から差し出せるものはなにもないってのに。少し申し訳なくて、少し心地よくて、どうしたらいいか分からない。
「じゃあ焼き鳥食えるとこにするぞ」
「はーい」
栗平が頭を寄せてくるのには慣れた。好きにさせることにした。まぁ事実、栗平は国領の次に気を遣わないし。居心地がいいのは、確かなことで。だったら、変わらなくてもいいんじゃないかなんて、おそらく甘えているんだ。
『奢るから、今日夜飲みに行かねぇ?』
メッセージを投げて、またしばしトーク欄を眺める。栗平呼ぶなら、黒川も呼ぼうか。あかりさんは仕事かな。あれこれ考えた後、もう一度封筒を覗く。2枚。
(あんま人数多いと2万でも足出ないか?)
4人で予算気にせず飲むには、心許ない気がする。せっかく奢るなら安い店選びたくねぇしな。うん。とりあえず栗平からの返信待とう。タバコに火をつける。煙が茜空に吸われていく。今日も悪くない。とりあえず車を置きに帰る。車から降りたところで、返信が来た。
『絶対行くから!!仕事速攻で終わらせていくから!!』
『無理すんなよー』
スタンプ押して、部屋でもう一服。飲むなら電車使わねぇとなー。うちの最寄りまで来てくれればいいが。栗平が帰るの大変だろうから、市ヶ谷まで出るか。通った大学周りなら、まだかろうじて出られる。
『市ヶ谷周辺にいるからな』
栗平にそう送って、いつものウエストポーチ、中身そのままに出かける。日が伸びたと感じる。もうすぐ冬も終わるな。畑潰したあそこ、また薬局になるのか。薬局はもういらねぇって。どうせならファミレスか居酒屋になってほしい。ここの地下は昔は魚民だったのに、今はゴルフの打ちっぱなしになってら。街はどんどん変わっていく。置いてかれたとは思わない。勝手に変わっていくものに、合わせる必要なんてどこにもない。変わって怖いものと言えば、大事な人たちの寿命だとか、生活だとか。それだって、俺が止められるものはごく僅かだ。
(PASMO、どこやったっけ?)
財布の中か?財布を探したが、見つからず。慌ててウエストポーチを漁ると、内ポケットに仕舞ってあった。カードを取り出して、改札を通る。とりあえずズボンのポケットに入れた。どっちに乗るんだっけ?
『今終わった!!すぐ行くね!!』
『おう逆走しちゃってまだ着いてないから、焦らず来いよー』
3駅くらいで気付いてよかった。あと2駅?怖くて案内板から目が離せない。アナウンスを注意深く聞き、確かに市ヶ谷で降りる。なんか細かいところがあれこれ変わっていて、混乱する。A4出口だっけ。
『いつもの出口にいるからね!!分かんなかったら言ってね』
『いつもの出口ってA4?』
『そうだよー』
合ってた。頭上の案内を追いながら、なんとか地上に出る。俺が見つける前に、栗平が俺を見つけて飛びついてくる。危ねぇって。栗平が胸元に引っ掛けてるサングラスが落ちそうなので、落ちる前に拾う。栗平は少し落ち着いて、ありがと~と受け取った。
「会いたかったよ~」
「こないだ3連休にも会っただろ」
「週1は会いたいもん!」
「はいはい、悪かった」
俺の腕に絡む栗平の、頭をぽんぽん撫でてやる。びっくりするくらい、髪がサラサラだ。なに食ったらこうなんだ?まぁ栗平は俺よりずっと少食だが。栗平にひっつかせたまま、居酒屋を探す。
「なに食いたい?」
「翔悟さん♡」
「急に反応に困る冗談やめろ」
栗平がものすごく幸せそうにしてるので、笑って流してしまう。多分本気なんだよなぁ。知り合って10年になるのか?ずーっと飽きずにこの調子なんだよな。俺から差し出せるものはなにもないってのに。少し申し訳なくて、少し心地よくて、どうしたらいいか分からない。
「じゃあ焼き鳥食えるとこにするぞ」
「はーい」
栗平が頭を寄せてくるのには慣れた。好きにさせることにした。まぁ事実、栗平は国領の次に気を遣わないし。居心地がいいのは、確かなことで。だったら、変わらなくてもいいんじゃないかなんて、おそらく甘えているんだ。
