布田くんはたまにめんどくさくて国領くんはクソ真面目、柴崎くんはちゃらんぽらん
明日も仕事なのに、飲み過ぎている自覚はある。柴崎といると酒が進んでしまう。なんか癪だけど。柴崎は酔いがまわってきたのか、さっきから静かだ。ハイボールの栓を切る。これで終いにしておこう。
「あのさぁ~……」
「なんだ」
「そのぉ、布田くんと連絡取れないんすよ」
柴崎が舌っ足らずな声で喋る。なんかくすぐったい。
「連絡取れない?」
「うん~昨日から返事ない」
この前飲んだ時は、なんもないように見えたけどな。俺が気付けなくて、柴崎が気付くのが、いつもどうにも悔しい。
「先週、金曜の夜からドライブは行ったんだけどよ~」
「そうかい」
布田が頼るのは、いつだって柴崎だ。しんどい時に、SOSを出すのは決まって。なんだって、それだけのことがこんなに胸の内を汚すのか。いつだって、愛されるのは俺じゃなくて。みんなが必要としてるのは、俺じゃなくて。
「国領がいたら、星の話出来るのにって話してた」
暗い水面に、ひとつ水滴が落ちて波紋を作る。柴崎を見る。なんも考えてなさそう。なんも考えないで、どうしてこんなにも人の心を揺さぶるのか。俺も連れてってくれたらいいのに。そんなことを思うが、どうせ俺は誘われても断ってしまうだろう。俺は自分の計画がなによりも大事で、人のために心を砕けないから。そんな自分の冷たさを、俺が1番よく分かっている。
「オリオン座の話、して」
「オリオン座はベテルギウスとリゲルって2つの一等星と……」
酔っていても、身につけた知識はペラペラと喋ることが出来る。それでも、素直な気持ちは説明出来ない。自分で理解はしていても、こんな不恰好なもの知られたくない。辻褄も理屈も、道理だって合わない。そんなの許されるわけもない。
「おい、聞いてんのか」
「ん~……」
柴崎はせっかく話したオリオン座のことを、大して聞いてないようで。欠伸をしながら、俺の膝の上に頭を乗せて寝ようとする。狭い部屋で、身体を丸め込んで。頬を叩くが、そのまま動かない。
「こんなとこで寝るな、せめてベッド行け」
「あーい」
柴崎は頭を重たそうにしながら、俺のベッドに横になった。しまった、俺の寝るところがない。布団を敷くかと思ったが、ほろ酔いの頭はめんどくさいと言う。ハイボールは半分くらい残っている。ま、いいや。柴崎蹴飛ばして俺もベッドで寝よう。酒が思考を溶かしたら、もう少し話せる気もするが。飲んでも飲んでも、肝心なことまでは言えなかったり。そもそも、そこまで飲んだら周りの人間は寝ているし。悩んだって仕方がないことだ。愛だとか恋だとか、正直のところよく分からない。説明出来なくて、合理性に欠ける気持ちのことなんて。知らない。知らないフリをしたい。本当は知っていることすら、誤魔化しながら生きている。
「あのさぁ~……」
「なんだ」
「そのぉ、布田くんと連絡取れないんすよ」
柴崎が舌っ足らずな声で喋る。なんかくすぐったい。
「連絡取れない?」
「うん~昨日から返事ない」
この前飲んだ時は、なんもないように見えたけどな。俺が気付けなくて、柴崎が気付くのが、いつもどうにも悔しい。
「先週、金曜の夜からドライブは行ったんだけどよ~」
「そうかい」
布田が頼るのは、いつだって柴崎だ。しんどい時に、SOSを出すのは決まって。なんだって、それだけのことがこんなに胸の内を汚すのか。いつだって、愛されるのは俺じゃなくて。みんなが必要としてるのは、俺じゃなくて。
「国領がいたら、星の話出来るのにって話してた」
暗い水面に、ひとつ水滴が落ちて波紋を作る。柴崎を見る。なんも考えてなさそう。なんも考えないで、どうしてこんなにも人の心を揺さぶるのか。俺も連れてってくれたらいいのに。そんなことを思うが、どうせ俺は誘われても断ってしまうだろう。俺は自分の計画がなによりも大事で、人のために心を砕けないから。そんな自分の冷たさを、俺が1番よく分かっている。
「オリオン座の話、して」
「オリオン座はベテルギウスとリゲルって2つの一等星と……」
酔っていても、身につけた知識はペラペラと喋ることが出来る。それでも、素直な気持ちは説明出来ない。自分で理解はしていても、こんな不恰好なもの知られたくない。辻褄も理屈も、道理だって合わない。そんなの許されるわけもない。
「おい、聞いてんのか」
「ん~……」
柴崎はせっかく話したオリオン座のことを、大して聞いてないようで。欠伸をしながら、俺の膝の上に頭を乗せて寝ようとする。狭い部屋で、身体を丸め込んで。頬を叩くが、そのまま動かない。
「こんなとこで寝るな、せめてベッド行け」
「あーい」
柴崎は頭を重たそうにしながら、俺のベッドに横になった。しまった、俺の寝るところがない。布団を敷くかと思ったが、ほろ酔いの頭はめんどくさいと言う。ハイボールは半分くらい残っている。ま、いいや。柴崎蹴飛ばして俺もベッドで寝よう。酒が思考を溶かしたら、もう少し話せる気もするが。飲んでも飲んでも、肝心なことまでは言えなかったり。そもそも、そこまで飲んだら周りの人間は寝ているし。悩んだって仕方がないことだ。愛だとか恋だとか、正直のところよく分からない。説明出来なくて、合理性に欠ける気持ちのことなんて。知らない。知らないフリをしたい。本当は知っていることすら、誤魔化しながら生きている。
