大空の方向は見失わない
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風紀委員会の呼び出しもなく、平和な日曜日。布団でゴロゴロしながらのんびりしていると、インターフォンのベルが鳴った。午前10時14分。寝巻きのまま、玄関のドアを開ける。
「確認もしないなんて不用心ですね」
「いや、真っ昼間だしいいかなって」
そこにはもうしっかりと出掛ける装いの骸がいた。あくびをしながらおはようを言うと、口くらい隠しなさいと手を口にあてがわれる。その手を両の手で包んで握り込めば、そっと合わせて握ってくれる。
「骸の手、大きくなったね」
「君が小さすぎるんですよ。ほら、出掛けるんですから早く支度なさい」
「出掛けるの? どこに?」
「……どこでもいいでしょう。僕を待たせないでください」
どーしよっかなあ、と意地悪を言えば、その大きな手でデコピンをお見舞いされた。とりあえず、外で待たすのもあれなので部屋に上げることにする。ワンルームの狭い我が家で、我が物顔にくつろぎだす骸。その横に座り込み、骸の上着の飾りを弄る僕。
「……僕は支度をしろと言ったのですが」
「そーいう気分じゃない」
「あのね……僕も一応男ですよ? 分かってます?」
「んー骸は骸」
じゃれつくように、骸の背中に覆い被さり前後に揺れる。悩ましげなため息が聞こえたが聞こえないフリ。高めの香水の香りがする。骸は僕と違って、オシャレが好きだ。僕はオシャレに興味はないけど、骸のするオシャレは好きである。髪を撫でたり、首襟を触ったりしたが、骸は黙って僕のしたいようにさせてくれた。だが、腰に腕を回しぴったりと引っ付くと、もう一度ため息を吐いて、
「そろそろいいでしょう。離しなさい」
と、腕を掴んできた。
「いーやー」
「こら、離せったら離せ」
「いーや!」
僕がケラケラと笑って抵抗すれば、骸は体を反転させて反撃してきた。遠い昔にじゃれあったように、くすぐり倒されて余計に笑い声が漏れる。
「ひー、骸、やめっ」
「やめません。僕を玩具にした罰です!」
そう言う骸の顔は、楽しそうな意地悪な表情をしていて。ああ、いつもの作られた表情よりも、こっちの方が好きだなぁと思って。この表情を知っているのは、僕だけがいいなと自惚れたりして。
「えへへへ」
「ほら、懲りたでしょう。早く着替えなさい」
「んーん。まだこうしてたい」
「……変な子ですね、まったく」
骸は僕の髪をぐしゃぐしゃとかき回し、僕を引っ張り起こして腕の中に納めた。顔を上げさせてもらえないのは、きっと僕に表情を見られたくないからだ。昔から骸はそう。僕の一番見たいもの、欲しいものは与えてはくれない。だけど。
「骸、顔見たい」
「嫌ですよ」
その声で、どんな表情しているかは想像がつくから。我慢してあげる。暖かい腕の中、無言でいたら眠たくなってきてしまう。
「なに寝ようとしてるんですか」
骸に頬っぺたを引っ張られて、11時。結局、僕らが出掛けるのは14時を回ってからだった。
「確認もしないなんて不用心ですね」
「いや、真っ昼間だしいいかなって」
そこにはもうしっかりと出掛ける装いの骸がいた。あくびをしながらおはようを言うと、口くらい隠しなさいと手を口にあてがわれる。その手を両の手で包んで握り込めば、そっと合わせて握ってくれる。
「骸の手、大きくなったね」
「君が小さすぎるんですよ。ほら、出掛けるんですから早く支度なさい」
「出掛けるの? どこに?」
「……どこでもいいでしょう。僕を待たせないでください」
どーしよっかなあ、と意地悪を言えば、その大きな手でデコピンをお見舞いされた。とりあえず、外で待たすのもあれなので部屋に上げることにする。ワンルームの狭い我が家で、我が物顔にくつろぎだす骸。その横に座り込み、骸の上着の飾りを弄る僕。
「……僕は支度をしろと言ったのですが」
「そーいう気分じゃない」
「あのね……僕も一応男ですよ? 分かってます?」
「んー骸は骸」
じゃれつくように、骸の背中に覆い被さり前後に揺れる。悩ましげなため息が聞こえたが聞こえないフリ。高めの香水の香りがする。骸は僕と違って、オシャレが好きだ。僕はオシャレに興味はないけど、骸のするオシャレは好きである。髪を撫でたり、首襟を触ったりしたが、骸は黙って僕のしたいようにさせてくれた。だが、腰に腕を回しぴったりと引っ付くと、もう一度ため息を吐いて、
「そろそろいいでしょう。離しなさい」
と、腕を掴んできた。
「いーやー」
「こら、離せったら離せ」
「いーや!」
僕がケラケラと笑って抵抗すれば、骸は体を反転させて反撃してきた。遠い昔にじゃれあったように、くすぐり倒されて余計に笑い声が漏れる。
「ひー、骸、やめっ」
「やめません。僕を玩具にした罰です!」
そう言う骸の顔は、楽しそうな意地悪な表情をしていて。ああ、いつもの作られた表情よりも、こっちの方が好きだなぁと思って。この表情を知っているのは、僕だけがいいなと自惚れたりして。
「えへへへ」
「ほら、懲りたでしょう。早く着替えなさい」
「んーん。まだこうしてたい」
「……変な子ですね、まったく」
骸は僕の髪をぐしゃぐしゃとかき回し、僕を引っ張り起こして腕の中に納めた。顔を上げさせてもらえないのは、きっと僕に表情を見られたくないからだ。昔から骸はそう。僕の一番見たいもの、欲しいものは与えてはくれない。だけど。
「骸、顔見たい」
「嫌ですよ」
その声で、どんな表情しているかは想像がつくから。我慢してあげる。暖かい腕の中、無言でいたら眠たくなってきてしまう。
「なに寝ようとしてるんですか」
骸に頬っぺたを引っ張られて、11時。結局、僕らが出掛けるのは14時を回ってからだった。
