大空の方向は見失わない
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誤魔化していた傷跡を直す為に眠りにつく。戦士でしかない僕は、戦うことで生きる糧を得て、どうにか息をしている。ベッドしかない簡素な部屋は、隙間風が吹きさらし寒い。それでも、毛布にくるまればそこには安心がある。今日も一日生きたという安心が。
夢の中の精神世界を、意図してさ迷える者は少ないと思う。特に僕のような格闘家には。けれど、僕は術士も嗜んでいるので、よく散歩に出る。向かう先は、いつも変わらず従兄弟の元なのだが。
「骸!」
「おや、今日は随分と早いですね。お疲れですか?」
「まあ、幻覚で誤魔化してた骨折がそろそろヤバイからね」
自分は骸の伏せられた切り札だ。骸が全てを壊した日に、僕もそこにいた。そうして、孤独である方の道を選ばされた。守護者がいない代わりに、守るものもない道へ。そうすることで、骸は僕を逃がした。彼の計画の外側へ。彼がマフィアを追放される時も、脱獄しボンゴレに仕掛けた時も、その果てに復讐者の監獄へ行った時も。全部全部、外側から見てきた。可笑しなことに、僕が助けに入るべきと思うタイミングで、彼は僕を拒否する。悔しいことに、そうすることで誰にも関係を悟られることなく、僕は護られている。大事な骸の左目として。
「……そろそろ両目、揃える?」
「まだ負担が大きいでしょうねえ。止めておきましょう」
僕の赤紫の髪の下には、骸と同じ六の数字がある。あの地獄のような環境で、地獄を廻った記憶。目というのは両目揃ってこそだが、それに一人で耐えるだけの能力は当時の僕達にはなく、僕達は片目ずつそれを入れられた。二人で一つ。一心同体とも言える僕達が揃えば、向かうところ敵なしだと思うのだが。骸は決断しない。
「早く骸が創る世界を見たいのになー」
「……貴方、その目無しで今さら生きていけると思っているんですか」
「んー無理だろうねー。恨みもそこそこ買ってるし。すぐ殺されちゃうだろうね」
でも、どうせ命は巡るものだから。巡り巡って、君の元に帰るだろう。それがどんな姿であれ。精神世界は穏やかで、嫌なことは忘れられる。ここでも僕は眠たくなってきたから、相当疲れているようだ。
「どんな姿になっても、僕は骸の味方だよー……」
すうっと意識を手放す瞬間に、見えた彼の顔は複雑そうだった。そんな思い煩わなくてもいいのに。伏せ札で切り札。僕はそれだけの存在のはずだろう?
「目、覚めちゃった……」
戻ってきた現実。僕の顔には一筋、涙が流れていた。
夢の中の精神世界を、意図してさ迷える者は少ないと思う。特に僕のような格闘家には。けれど、僕は術士も嗜んでいるので、よく散歩に出る。向かう先は、いつも変わらず従兄弟の元なのだが。
「骸!」
「おや、今日は随分と早いですね。お疲れですか?」
「まあ、幻覚で誤魔化してた骨折がそろそろヤバイからね」
自分は骸の伏せられた切り札だ。骸が全てを壊した日に、僕もそこにいた。そうして、孤独である方の道を選ばされた。守護者がいない代わりに、守るものもない道へ。そうすることで、骸は僕を逃がした。彼の計画の外側へ。彼がマフィアを追放される時も、脱獄しボンゴレに仕掛けた時も、その果てに復讐者の監獄へ行った時も。全部全部、外側から見てきた。可笑しなことに、僕が助けに入るべきと思うタイミングで、彼は僕を拒否する。悔しいことに、そうすることで誰にも関係を悟られることなく、僕は護られている。大事な骸の左目として。
「……そろそろ両目、揃える?」
「まだ負担が大きいでしょうねえ。止めておきましょう」
僕の赤紫の髪の下には、骸と同じ六の数字がある。あの地獄のような環境で、地獄を廻った記憶。目というのは両目揃ってこそだが、それに一人で耐えるだけの能力は当時の僕達にはなく、僕達は片目ずつそれを入れられた。二人で一つ。一心同体とも言える僕達が揃えば、向かうところ敵なしだと思うのだが。骸は決断しない。
「早く骸が創る世界を見たいのになー」
「……貴方、その目無しで今さら生きていけると思っているんですか」
「んー無理だろうねー。恨みもそこそこ買ってるし。すぐ殺されちゃうだろうね」
でも、どうせ命は巡るものだから。巡り巡って、君の元に帰るだろう。それがどんな姿であれ。精神世界は穏やかで、嫌なことは忘れられる。ここでも僕は眠たくなってきたから、相当疲れているようだ。
「どんな姿になっても、僕は骸の味方だよー……」
すうっと意識を手放す瞬間に、見えた彼の顔は複雑そうだった。そんな思い煩わなくてもいいのに。伏せ札で切り札。僕はそれだけの存在のはずだろう?
「目、覚めちゃった……」
戻ってきた現実。僕の顔には一筋、涙が流れていた。
