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なんだか暇が続いて、なんとなく芦虎と会っている。空っぽの抜け殻になっても、別に普通に生きている。貴方がいなければ生きていけないというのは、嘘だった。だからきっと、貴方も俺がいなくても平気なんでしょう。
「…………」
「どうした」
芦虎が俺を伺うようにじっと見るから、声をかける。お前はうーんと間抜けな声を出す。
「ポテト、追加していい……?」
「好きなもん食えって最初に言ったろ」
そうは言われましても……とお前は申し訳なさそうに注文端末でポテトを追加した。食うのかよ。じゃあ最初から遠慮なんてしなければいいのに。ファミレスの会計くらい、なんとも思わない。だから奢られとけと伝えている。そんな日が、連日続いているから。申し訳なくも思ったり。芦虎は俺がどれだけ稼げるのか、昔から興味がないから。自分が財布出さなくていいのが、ずっと引っかかるようだった。
「……よく食うな、芦虎は」
「うん。美味しいもの、好き」
「そうか」
あの人が美味しそうになにか食べるのを見るのが好きだった。そのことを思い出すと、芦虎も似たように美味しくなにかを食べているのが、温かく思えるようになって。ひとつひとつを瑠璃さんと比べてしまう。比べて、もしかしてそんなに驚愕するような差なんて、ないのかもしれないなんて思って。美味しそうに食べる人、柔らかく笑う人、静かな思いやりを持ち合わせる人。当たり前のように、どこにでも溢れている人たち。でもなんで、瑠璃さんでなくてはいけなかったんだろう。
「冴も食べなよ」
運ばれてきたポテトを前に、芦虎は俺に箸を渡してきて。体に毒だとかどうでもよくて、自分も箸でポテトを口に運んだ。芦虎はどこかくたびれているけれど、なにも話さない俺と会わないとは言わない。口数が少なくても、エスコートが上手くなくても、怒らない。泣きたくなってしまう、あの人が恋しくて。芦虎が優しいのが沁みて、安堵してしまう。瑠璃さんがよかった。芦虎でもいいなんて、思いたくない。芦虎が可哀想じゃないか。
「元気ないね」
「お前も似たようなもんだろ」
「うん、冬は調子悪いから」
それだけじゃないだろうに。支えになりたいと思うのは、嘘じゃないんだ。借りがいっぱいある。俺は無責任で、強情な奴だった。瑠璃さんと出会えて、そのことを知った。瑠璃さんはもう俺の元にはいないけれど、あの人が教えてくれたことはきっと忘れない。それでいいのかな。それも永遠の形かな。それで納得するしか、ないのだろうか。
「食べ終わったら、散歩したいけどいい?」
「……そうだな。少し歩くか」
寂しいのを誤魔化せなくて、きっと君と手を繋ぐ。次の恋に向かう気分じゃない。でも恋ではなくとも、そっと側にいてくれる君と友達でよかった。それだけは確かだから、今度は失くしたりしないように。瑠璃さんじゃなくてもよかった。よかったんだと、知ってしまう日まで。空っぽのまんま、君に寄り添って、なんとか歩いていく。そんな自分を、そんな君を、許して愛していく。
「…………」
「どうした」
芦虎が俺を伺うようにじっと見るから、声をかける。お前はうーんと間抜けな声を出す。
「ポテト、追加していい……?」
「好きなもん食えって最初に言ったろ」
そうは言われましても……とお前は申し訳なさそうに注文端末でポテトを追加した。食うのかよ。じゃあ最初から遠慮なんてしなければいいのに。ファミレスの会計くらい、なんとも思わない。だから奢られとけと伝えている。そんな日が、連日続いているから。申し訳なくも思ったり。芦虎は俺がどれだけ稼げるのか、昔から興味がないから。自分が財布出さなくていいのが、ずっと引っかかるようだった。
「……よく食うな、芦虎は」
「うん。美味しいもの、好き」
「そうか」
あの人が美味しそうになにか食べるのを見るのが好きだった。そのことを思い出すと、芦虎も似たように美味しくなにかを食べているのが、温かく思えるようになって。ひとつひとつを瑠璃さんと比べてしまう。比べて、もしかしてそんなに驚愕するような差なんて、ないのかもしれないなんて思って。美味しそうに食べる人、柔らかく笑う人、静かな思いやりを持ち合わせる人。当たり前のように、どこにでも溢れている人たち。でもなんで、瑠璃さんでなくてはいけなかったんだろう。
「冴も食べなよ」
運ばれてきたポテトを前に、芦虎は俺に箸を渡してきて。体に毒だとかどうでもよくて、自分も箸でポテトを口に運んだ。芦虎はどこかくたびれているけれど、なにも話さない俺と会わないとは言わない。口数が少なくても、エスコートが上手くなくても、怒らない。泣きたくなってしまう、あの人が恋しくて。芦虎が優しいのが沁みて、安堵してしまう。瑠璃さんがよかった。芦虎でもいいなんて、思いたくない。芦虎が可哀想じゃないか。
「元気ないね」
「お前も似たようなもんだろ」
「うん、冬は調子悪いから」
それだけじゃないだろうに。支えになりたいと思うのは、嘘じゃないんだ。借りがいっぱいある。俺は無責任で、強情な奴だった。瑠璃さんと出会えて、そのことを知った。瑠璃さんはもう俺の元にはいないけれど、あの人が教えてくれたことはきっと忘れない。それでいいのかな。それも永遠の形かな。それで納得するしか、ないのだろうか。
「食べ終わったら、散歩したいけどいい?」
「……そうだな。少し歩くか」
寂しいのを誤魔化せなくて、きっと君と手を繋ぐ。次の恋に向かう気分じゃない。でも恋ではなくとも、そっと側にいてくれる君と友達でよかった。それだけは確かだから、今度は失くしたりしないように。瑠璃さんじゃなくてもよかった。よかったんだと、知ってしまう日まで。空っぽのまんま、君に寄り添って、なんとか歩いていく。そんな自分を、そんな君を、許して愛していく。
