プロトタイプ/落書き
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「瑠璃さん、誰と連絡してるの」
口数を増やせと言われたので、とりあえず瑠璃さんのことをあれこれ質問するようにした。瑠璃さんは詮索も束縛も嫌いよ、と言うので、わがままだな、と文句をつけた。わがままな女は嫌い?と問うので、瑠璃さんは好き、と答えて。それきり、質問には笑顔で答えてくれるようになった。詮索したいわけでも、束縛したいわけでもない。気になるんだよ。
「廻にメールしてる」
めぐる?
「…………女の人?」
「廻は幼馴染の男の子よ」
幼馴染かあ。羨ましい。瑠璃さんはちっちゃい頃から可愛かったんだろうか。時折、瑠璃さんが歳下だったらと妄想する。いっぱい可愛がりたい。歳下だったら、こんなに余裕ぶって突き放されたりしないだろうか。変わんないのかな。
「同い年?」
「3つ下」
俺よりも歳下なのか。少しだけ安心している自分がいた。俺より歳下の男に、瑠璃さんが惚れるビジョンは見えない。……いや、知った気にならない方がいいか。瑠璃さんのこと、俺はまだよく知らない。瑠璃さんがずっとスマホの画面を見てるのが、寂しくて面白くなくて隣に座る。なんの反応もないから、勇気を出して距離を詰める。思わず、夢中で見ている画面を覗き込む。寂しい、と打ってあって思考がフリーズした。
「こら、はしたない。女の子のスマホを許可なく覗かないの」
「瑠璃さん、寂しいのか?」
瑠璃さんが俺を叱るのにお構いなしで、瑠璃さんを見つめる。瑠璃さんがいつもより覇気のない瞳で俺を見て、迷子のように視線を泳がせる。少しだけ弱った姿に、胸が高鳴って。思わず頬に触れた。また怒られるかな。構わないや。
「瑠璃さん」
「……廻とはずっと一緒で、こんなに離れていることなかったから」
「俺がずっと一緒にいるのじゃ、ダメ?」
瑠璃さんが泣きそうで、そんな表情見たことなかったから。高揚している。もっといろんな表情が見たい。全部見たい。もっとずっと、一緒にいたら見せてくれるのか?めぐるって奴は、どこまで知っている?
「…………ダメなの」
「なにが」
「わたし本当は弱いから、廻がいないとダメ」
頭をバッドで殴られたかってくらいの衝撃と、ちゃんとこの人も人間なんだって安心と。アンドロイドに恋をしてしまったのかと、不安にだってなったから。なにをしても届かないと知るのが、怖かったから。ちゃんとこの人の心に誰かが住んでいるのなら、ぶんどってしまえばいいことだ。俺が新しく、瑠璃さんの中に居座る。
「弱いんだ」
瑠璃さんがこくりと頷いて。頭をそっと撫でて、胸に収めてしまった。あったかい、やわらかい。離したくない。胸のときめきを閉じ込めるようにぎゅっと抱きしめた。瑠璃さんが苦しい、と胸を押し返すので、慌てて緩めた。
「もう、なによ。怒ってるの?」
「? 怒ってなんかない」
「じゃあ、なに?今の会話にいいことなんてあった?」
「??」
瑠璃さんにじとっと睨まれて、首を傾げた。なんかおかしかったか?可愛くて仕方ないだけなんだけど。黙っていると、瑠璃さんが離れようとするので、それは嫌だから腕を掴んで留めた。瑠璃さんはなおも俺を睨んでいる。よく分からないけれど、誤魔化すように微笑んだ。
「……おかしな人」
「そうか?」
「そうよ」
瑠璃さんはムスッとしたまま、身体を俺に預けて目を閉じてしまった。俺は見られてないのをいいことに、じっと瑠璃さんを観察する。まつ毛が長くて、肌がスベスベしていて、唇は薄い。髪が真っ黒でふわふわ。どれも、おかしいくらい好きだ。もっと堪能したくて、顔を近づける。あと数センチ。
「お行儀が悪いのね」
瑠璃さんの人差し指が、俺の唇に触れて。痺れたような感覚が走った。瑠璃さんは俺の肩を押し返して、身体を起こした。
「お伺いも立てずにキスなんて、野蛮」
「ごめんなさい、野蛮な男は嫌い?」
「…………ケースバイケースね。今のはないわ」
「そうか」
恋のことは、よく分からない。分からないけれど、瑠璃さんが全部教えてくれたらいい。瑠璃さんが寂しい時、真っ先に駆け寄って隣を陣取りたい。全部俺で埋まってしまったらいいのに。瑠璃さんの都合なんて忘れて、手を繋いで。俺は鼻唄を歌いながら、側を離れなかった。
口数を増やせと言われたので、とりあえず瑠璃さんのことをあれこれ質問するようにした。瑠璃さんは詮索も束縛も嫌いよ、と言うので、わがままだな、と文句をつけた。わがままな女は嫌い?と問うので、瑠璃さんは好き、と答えて。それきり、質問には笑顔で答えてくれるようになった。詮索したいわけでも、束縛したいわけでもない。気になるんだよ。
「廻にメールしてる」
めぐる?
「…………女の人?」
「廻は幼馴染の男の子よ」
幼馴染かあ。羨ましい。瑠璃さんはちっちゃい頃から可愛かったんだろうか。時折、瑠璃さんが歳下だったらと妄想する。いっぱい可愛がりたい。歳下だったら、こんなに余裕ぶって突き放されたりしないだろうか。変わんないのかな。
「同い年?」
「3つ下」
俺よりも歳下なのか。少しだけ安心している自分がいた。俺より歳下の男に、瑠璃さんが惚れるビジョンは見えない。……いや、知った気にならない方がいいか。瑠璃さんのこと、俺はまだよく知らない。瑠璃さんがずっとスマホの画面を見てるのが、寂しくて面白くなくて隣に座る。なんの反応もないから、勇気を出して距離を詰める。思わず、夢中で見ている画面を覗き込む。寂しい、と打ってあって思考がフリーズした。
「こら、はしたない。女の子のスマホを許可なく覗かないの」
「瑠璃さん、寂しいのか?」
瑠璃さんが俺を叱るのにお構いなしで、瑠璃さんを見つめる。瑠璃さんがいつもより覇気のない瞳で俺を見て、迷子のように視線を泳がせる。少しだけ弱った姿に、胸が高鳴って。思わず頬に触れた。また怒られるかな。構わないや。
「瑠璃さん」
「……廻とはずっと一緒で、こんなに離れていることなかったから」
「俺がずっと一緒にいるのじゃ、ダメ?」
瑠璃さんが泣きそうで、そんな表情見たことなかったから。高揚している。もっといろんな表情が見たい。全部見たい。もっとずっと、一緒にいたら見せてくれるのか?めぐるって奴は、どこまで知っている?
「…………ダメなの」
「なにが」
「わたし本当は弱いから、廻がいないとダメ」
頭をバッドで殴られたかってくらいの衝撃と、ちゃんとこの人も人間なんだって安心と。アンドロイドに恋をしてしまったのかと、不安にだってなったから。なにをしても届かないと知るのが、怖かったから。ちゃんとこの人の心に誰かが住んでいるのなら、ぶんどってしまえばいいことだ。俺が新しく、瑠璃さんの中に居座る。
「弱いんだ」
瑠璃さんがこくりと頷いて。頭をそっと撫でて、胸に収めてしまった。あったかい、やわらかい。離したくない。胸のときめきを閉じ込めるようにぎゅっと抱きしめた。瑠璃さんが苦しい、と胸を押し返すので、慌てて緩めた。
「もう、なによ。怒ってるの?」
「? 怒ってなんかない」
「じゃあ、なに?今の会話にいいことなんてあった?」
「??」
瑠璃さんにじとっと睨まれて、首を傾げた。なんかおかしかったか?可愛くて仕方ないだけなんだけど。黙っていると、瑠璃さんが離れようとするので、それは嫌だから腕を掴んで留めた。瑠璃さんはなおも俺を睨んでいる。よく分からないけれど、誤魔化すように微笑んだ。
「……おかしな人」
「そうか?」
「そうよ」
瑠璃さんはムスッとしたまま、身体を俺に預けて目を閉じてしまった。俺は見られてないのをいいことに、じっと瑠璃さんを観察する。まつ毛が長くて、肌がスベスベしていて、唇は薄い。髪が真っ黒でふわふわ。どれも、おかしいくらい好きだ。もっと堪能したくて、顔を近づける。あと数センチ。
「お行儀が悪いのね」
瑠璃さんの人差し指が、俺の唇に触れて。痺れたような感覚が走った。瑠璃さんは俺の肩を押し返して、身体を起こした。
「お伺いも立てずにキスなんて、野蛮」
「ごめんなさい、野蛮な男は嫌い?」
「…………ケースバイケースね。今のはないわ」
「そうか」
恋のことは、よく分からない。分からないけれど、瑠璃さんが全部教えてくれたらいい。瑠璃さんが寂しい時、真っ先に駆け寄って隣を陣取りたい。全部俺で埋まってしまったらいいのに。瑠璃さんの都合なんて忘れて、手を繋いで。俺は鼻唄を歌いながら、側を離れなかった。