プロトタイプ/落書き
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「……俺、明日オフなんだけど」
「そう。私は美術館に行こうかなと思っていたところだけど」
夜の就寝前、何気ない風を装ってそう声をかけたら、こちらも見ずにつれない返事。どう答えたら、この人は明日一緒にいてくれるのか。ついていく、と言ったら1人で行きたいの、と言われてしまいそうだし。デートに誘うならちゃんとしたデートプランを、なんて言うが、あんまり綿密にプランを立てるとこの人は窮屈がってしまう。かえって逆効果だったし、俺も疲れるからプランは立てない。でも、なにか気の引く言葉がないと振り向いてくれないし。面倒くさい人だ。その面倒くささが、クセになっている俺は物好きだろう。なんとでも言えばいいさ。
「……美術館は、明日でなくちゃダメか?」
「冴くん次第」
口説いてみろ、と目で訴えられる。頭であれこれフレーズを浮かべるが、どれもしっくりこないし。恋の駆け引きなんて、分からない。この人に教わってもちっとも。だって、好きな気持ちが全てだろうが。
「どんな形でもいいから、明日は一緒にいたい」
「うーん70点?」
「何点でもいい。一緒にいよう」
いっつも、そうやって誤魔化して。俺のことを遠ざけて。そのくせ、部屋からは出ていかない。知ってるぞ、瑠璃さんは言葉で言うよりも俺のことは好きだろ。その気持ちを、引きずり出せない俺が悪いのかもしれないが。もっと欲しがってくれよ。もっと、素直に俺の側にいてくれ。
「冴くん、泣きそう?」
「泣かない。し、泣くとしたら瑠璃さんのせいだ」
「まぁ人聞きの悪い」
瑠璃さんが部屋に行ってしまいそうだから、手首を掴んで引っ張って、窓際のソファーまで連れてきて座らせた。一方的に手を繋いで、強く握りしめた。窓の外は暗く、風が強く吹いている。夜空に星が、頼りなく光る。瑠璃さんが手を振り払うような動きをするから、手は離したけれど肩に腕を回して抱いた。瑠璃さんが俺の方へ身体を寄せて倒す。それだけでときめいてしまって、なにも言えなくなる。
「明日もこうしていたいの?」
「出来ればずっとこうしていたいんだよ」
「そう。嬉しいわね」
その言葉が胸を溶かして、甘く脳に響く。あまりこうやって肯定してくれることはない。身体を瑠璃さんの方へ向けて、横から抱きしめてしまう。瑠璃さんは拒まなかった。鼻先を頬へ突き立てて、息を吹きかけた。瑠璃さんはくすぐったそうに身をよじる。
「キスしていいか?」
「ダメって言ってもするでしょ」
「聞かないと怒るだろ」
「怒るね」
瑠璃さんが目を細めると、とんでもなく色っぽく見えて。動けずにいたら、ちゅ、と先に奪われてしまった。俺は瞬きを繰り返す。頬に熱が集まって暑い。瑠璃さんの人差し指が、唇に触れる。まだなにかあるのか。
「キス我慢したら、明日は一緒にいよっか?」
「そんなの聞かない。キスもするし、明日も一緒にいる」
べ、と人差し指を舐めて。怯んだ瞬間に手首を押さえて、唇を奪った。触れるだけのキスを繰り返して、舐め回すようなキスを挟んで。そのうち、瑠璃さんが合わせてくれるから、気持ちよくなって。明日、このぬくもりが離れるのが不安になって、一度顔を離してじっと瞳を見た。金箔が貼られているような、キラキラした瞳。
「明日まで離さない」
「ふふ、好きにして」
吸い込まれるように、妖艶な顔にキスを降らせた。明日まで、なんて嘘。一生、離したくないんだよ。
「そう。私は美術館に行こうかなと思っていたところだけど」
夜の就寝前、何気ない風を装ってそう声をかけたら、こちらも見ずにつれない返事。どう答えたら、この人は明日一緒にいてくれるのか。ついていく、と言ったら1人で行きたいの、と言われてしまいそうだし。デートに誘うならちゃんとしたデートプランを、なんて言うが、あんまり綿密にプランを立てるとこの人は窮屈がってしまう。かえって逆効果だったし、俺も疲れるからプランは立てない。でも、なにか気の引く言葉がないと振り向いてくれないし。面倒くさい人だ。その面倒くささが、クセになっている俺は物好きだろう。なんとでも言えばいいさ。
「……美術館は、明日でなくちゃダメか?」
「冴くん次第」
口説いてみろ、と目で訴えられる。頭であれこれフレーズを浮かべるが、どれもしっくりこないし。恋の駆け引きなんて、分からない。この人に教わってもちっとも。だって、好きな気持ちが全てだろうが。
「どんな形でもいいから、明日は一緒にいたい」
「うーん70点?」
「何点でもいい。一緒にいよう」
いっつも、そうやって誤魔化して。俺のことを遠ざけて。そのくせ、部屋からは出ていかない。知ってるぞ、瑠璃さんは言葉で言うよりも俺のことは好きだろ。その気持ちを、引きずり出せない俺が悪いのかもしれないが。もっと欲しがってくれよ。もっと、素直に俺の側にいてくれ。
「冴くん、泣きそう?」
「泣かない。し、泣くとしたら瑠璃さんのせいだ」
「まぁ人聞きの悪い」
瑠璃さんが部屋に行ってしまいそうだから、手首を掴んで引っ張って、窓際のソファーまで連れてきて座らせた。一方的に手を繋いで、強く握りしめた。窓の外は暗く、風が強く吹いている。夜空に星が、頼りなく光る。瑠璃さんが手を振り払うような動きをするから、手は離したけれど肩に腕を回して抱いた。瑠璃さんが俺の方へ身体を寄せて倒す。それだけでときめいてしまって、なにも言えなくなる。
「明日もこうしていたいの?」
「出来ればずっとこうしていたいんだよ」
「そう。嬉しいわね」
その言葉が胸を溶かして、甘く脳に響く。あまりこうやって肯定してくれることはない。身体を瑠璃さんの方へ向けて、横から抱きしめてしまう。瑠璃さんは拒まなかった。鼻先を頬へ突き立てて、息を吹きかけた。瑠璃さんはくすぐったそうに身をよじる。
「キスしていいか?」
「ダメって言ってもするでしょ」
「聞かないと怒るだろ」
「怒るね」
瑠璃さんが目を細めると、とんでもなく色っぽく見えて。動けずにいたら、ちゅ、と先に奪われてしまった。俺は瞬きを繰り返す。頬に熱が集まって暑い。瑠璃さんの人差し指が、唇に触れる。まだなにかあるのか。
「キス我慢したら、明日は一緒にいよっか?」
「そんなの聞かない。キスもするし、明日も一緒にいる」
べ、と人差し指を舐めて。怯んだ瞬間に手首を押さえて、唇を奪った。触れるだけのキスを繰り返して、舐め回すようなキスを挟んで。そのうち、瑠璃さんが合わせてくれるから、気持ちよくなって。明日、このぬくもりが離れるのが不安になって、一度顔を離してじっと瞳を見た。金箔が貼られているような、キラキラした瞳。
「明日まで離さない」
「ふふ、好きにして」
吸い込まれるように、妖艶な顔にキスを降らせた。明日まで、なんて嘘。一生、離したくないんだよ。