プロトタイプ/落書き
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「優ちゃん、瑠璃も私のこと嫌いになっちゃったのかな」
美絵は泣きながら私にそう相談してきた。瑠璃ちゃんの母親として、生きていくのは辛そうに見えた。美絵が瑠璃ちゃんを嫌いになっちゃいそうで怖いんだろう。
「瑠璃ちゃん、美絵のこと嫌いじゃないと思うよ?ただ、怒られるのが嫌なんだよ」
「だってあの子、むちゃくちゃで」
「むちゃくちゃなりに、あの子はあの子らしく生きようとしてるんだよ。ちゃんと考えてるよ。なにも聞かないで怒るのは、やめてあげてほしいな」
美絵は黙って俯き、考えた。瑠璃ちゃんは、私と少し似てるとこがある。理屈より衝動を優先する。理性より感動を優先する。それに加えて、あの子は幼い頃に大きな傷を抱えてしまった。私たち大人の責任だ。だから、あの子が決めた生き方に、口を出す権利はない。まぁ近所のお絵描きの先生に過ぎない私には、なおさら。
「私の家に来ている分には、安心でしょ?美絵も美絵の人生を大事にしないとだしね」
「私の人生…………」
「そ。子供のためだけに生きてるわけじゃないからね。子供からしたら、そんなの厚かましいでしょ」
貴方のためだけに、そんなの粗悪なセールストークの語り出しと一緒だ。私たちがするべきなのは子供の人生を尊重して育むことだけで、依存や束縛ではないはずだ。
「大丈夫、廻もいるし。瑠璃ちゃんが安心なら、うちにいていいよ。少し様子見よう」
「うん、ごめんね……」
「謝ることじゃないよ。美絵も少し休もう」
触れた肩は、少し痩せた気がする。駅前のカフェで別れて、それぞれの家に帰る。さて、瑠璃ちゃんは蜂楽家にいるかしら?夕飯は家でちゃんとしたもの食べてほしいけど。そりゃ、遊んでくれる男の人は美味しいものご馳走してくれるだろうけど。きっと、美味しくは食べられないでしょ。安心した場所で愛してる人と食べる食事が、やっぱり世界一だと思う。瑠璃ちゃんにとっても、そうであってほしい。
「お、挽き肉安いじゃん」
ハンバーグにしようか。多めに肉を買う。瑠璃ちゃんがいなかったら、冷凍してしまえばいいや。日が暮れていく。山の中にある我が家への帰り道は、暗い。場合によっては寒い。暗くて寒い、寂しい場所はかいぶつの声がよく響く。だから山が好き。
「お、おかえり〜」
廻の顔を見ると、自然に笑顔になる。私の宝物。私の顔を見て、廻も安心したように笑う。
「……おかえりなさい」
瑠璃ちゃんは廻の膝の上に抱えられていた。少し遠慮がちに、私の顔色を伺っている。私は2人ともの頭を撫でて、抱きしめた。
「ただいま〜!!今日も楽しかった?」
「瑠璃ちゃんがまたどっか行こうとするから、俺止めた!」
「そっか。じゃあ夜は3人で散歩に行こうか?」
「……うん、そうしたい」
瑠璃ちゃんは小さい声でそう呟く。ちゃんと拾って、受け止める。寂しいだけなのよね。誰かと繋がってたいのよね。私たちじゃない誰かを、探したくなる日もあるのよね。家族って窮屈だったりするよね、特に17歳の歳頃は。あれこれ推測はするけど、変に気遣ったり知った気にはならないように。ただ、私が瑠璃ちゃんとしたいことをするだけ。瑠璃ちゃんが喜びそうなことなら、してあげたいだけだ。
「今日ハンバーグにするよー!手洗って手伝って!」
「はーい」
廻が瑠璃ちゃんを膝から下ろして、洗面所へ行く。瑠璃ちゃんはその背中をぼんやり見ていた。
「瑠璃ちゃんも手伝って?」
「……うん!」
瑠璃ちゃんは素直に頷いた。周囲よりも幾分幼い我が子たち。どんなスピードで成長してもいいよ。味方でいることしか出来ないけど、寂しくなったらここに帰っておいで。
美絵は泣きながら私にそう相談してきた。瑠璃ちゃんの母親として、生きていくのは辛そうに見えた。美絵が瑠璃ちゃんを嫌いになっちゃいそうで怖いんだろう。
「瑠璃ちゃん、美絵のこと嫌いじゃないと思うよ?ただ、怒られるのが嫌なんだよ」
「だってあの子、むちゃくちゃで」
「むちゃくちゃなりに、あの子はあの子らしく生きようとしてるんだよ。ちゃんと考えてるよ。なにも聞かないで怒るのは、やめてあげてほしいな」
美絵は黙って俯き、考えた。瑠璃ちゃんは、私と少し似てるとこがある。理屈より衝動を優先する。理性より感動を優先する。それに加えて、あの子は幼い頃に大きな傷を抱えてしまった。私たち大人の責任だ。だから、あの子が決めた生き方に、口を出す権利はない。まぁ近所のお絵描きの先生に過ぎない私には、なおさら。
「私の家に来ている分には、安心でしょ?美絵も美絵の人生を大事にしないとだしね」
「私の人生…………」
「そ。子供のためだけに生きてるわけじゃないからね。子供からしたら、そんなの厚かましいでしょ」
貴方のためだけに、そんなの粗悪なセールストークの語り出しと一緒だ。私たちがするべきなのは子供の人生を尊重して育むことだけで、依存や束縛ではないはずだ。
「大丈夫、廻もいるし。瑠璃ちゃんが安心なら、うちにいていいよ。少し様子見よう」
「うん、ごめんね……」
「謝ることじゃないよ。美絵も少し休もう」
触れた肩は、少し痩せた気がする。駅前のカフェで別れて、それぞれの家に帰る。さて、瑠璃ちゃんは蜂楽家にいるかしら?夕飯は家でちゃんとしたもの食べてほしいけど。そりゃ、遊んでくれる男の人は美味しいものご馳走してくれるだろうけど。きっと、美味しくは食べられないでしょ。安心した場所で愛してる人と食べる食事が、やっぱり世界一だと思う。瑠璃ちゃんにとっても、そうであってほしい。
「お、挽き肉安いじゃん」
ハンバーグにしようか。多めに肉を買う。瑠璃ちゃんがいなかったら、冷凍してしまえばいいや。日が暮れていく。山の中にある我が家への帰り道は、暗い。場合によっては寒い。暗くて寒い、寂しい場所はかいぶつの声がよく響く。だから山が好き。
「お、おかえり〜」
廻の顔を見ると、自然に笑顔になる。私の宝物。私の顔を見て、廻も安心したように笑う。
「……おかえりなさい」
瑠璃ちゃんは廻の膝の上に抱えられていた。少し遠慮がちに、私の顔色を伺っている。私は2人ともの頭を撫でて、抱きしめた。
「ただいま〜!!今日も楽しかった?」
「瑠璃ちゃんがまたどっか行こうとするから、俺止めた!」
「そっか。じゃあ夜は3人で散歩に行こうか?」
「……うん、そうしたい」
瑠璃ちゃんは小さい声でそう呟く。ちゃんと拾って、受け止める。寂しいだけなのよね。誰かと繋がってたいのよね。私たちじゃない誰かを、探したくなる日もあるのよね。家族って窮屈だったりするよね、特に17歳の歳頃は。あれこれ推測はするけど、変に気遣ったり知った気にはならないように。ただ、私が瑠璃ちゃんとしたいことをするだけ。瑠璃ちゃんが喜びそうなことなら、してあげたいだけだ。
「今日ハンバーグにするよー!手洗って手伝って!」
「はーい」
廻が瑠璃ちゃんを膝から下ろして、洗面所へ行く。瑠璃ちゃんはその背中をぼんやり見ていた。
「瑠璃ちゃんも手伝って?」
「……うん!」
瑠璃ちゃんは素直に頷いた。周囲よりも幾分幼い我が子たち。どんなスピードで成長してもいいよ。味方でいることしか出来ないけど、寂しくなったらここに帰っておいで。