プロトタイプ/落書き
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「……瑠璃さん、拗ねてても可愛いけどどうしたの。なにかあったか?」
「んー」
2月22日、なんでもない朝だ。昨日、瑠璃さんはなかなか帰ってこなくて、心配で帰りを待っていたからまだ眠い。まだ眠くてベッドにいるのに、瑠璃さんが急に部屋に入ってきて俺の隣に滑り込んでくるから、混乱している。瑠璃さんは俺の腕を抱きしめるように組んで、むーっと鼻を鳴らしている。子供みたいで可愛くて、空いた手で頭に触れて。多分俺は今、だらしなくて情けない顔をしている。隠す必要もないけど。この人の前でだけだし。
「言ってくれなくちゃ、分からない」
「言っても仕方のないことなの」
「いいよ、それでも」
あんたの話なら、いくらくだらなくてもいくらでも聞く。促すように、頬を揉んだ。もちもちだ。
「……冴くんのこと、みんなが悪く言うから怒ってるの」
「んー?」
瑠璃さんがネットの記事を俺に見せる。昨日の試合についてあれこれ書いてある。それがどうかしたか?
「見たまんまの結果だから、仕方ねぇだろ」
瑠璃さんがぶすーっとむくれる。可愛い。頬を手で潰して弄ぶ。瑠璃さんが膝の上に乗ってきて、コアラみたいに抱きついてくる。妙に積極的で、ドキドキする。どうせ深い意味はないのだが。
「本当に、どうした?それだけか?」
「…………冴くんはカッコいいのに、みんな勝手なこと言う」
「えっと、そうなのか?」
カッコいいことを言ったつもりはないが。ただの事実だろ。瑠璃さんがポカポカ俺の胸を叩く。痛くない。なんだこれ、可愛いがすぎる。
「冴くんはカッコいいよ」
「いつも言わないじゃん」
「いつも恥ずかしいから言ってないだけ」
自分の頬の熱を感じる。好きな女の子に、カッコいいって言われただけ。それだけのことが、こんなに嬉しいもんなのか。瑠璃さんはそっぽ向いて、それでも膝から退こうとしない。ダメだ、意地悪したくなる。
「ふーん、カッコいいと思ってたんだ俺のこと」
「……うん」
「じゃあいつも逃げ回んのは恥ずかしいから?」
「違う」
「本当に?これでもまだ強がる?」
瑠璃さんの身体を押して、覆い被さるようにして。これでもかと顔を近づけて、耳元で囁いてみる。瑠璃さんの身体がこわばる。やばい。本能が警報を鳴らしてる。瑠璃さんが思いっきり突き飛ばすように押すから、退いた。瑠璃さんは顔を真っ赤にして、ベッドから飛び降りて出ていった。仰向けに寝転び、脱力する。なんなんだよ、あれ。
(瑠璃さんは今でも、ちゃんと俺のこと見てくれてるんだ)
嬉しい。別に誹謗中傷にはなんも感じないが、俺のために怒ってくれるのは可愛い。カッコいいからのおまけ付き。可愛い。感想が可愛いしか出てこなくなった。うーん。言われてみれば、俺も可愛いと思ってるけど言ってなかったかも。じゃあちゃんと伝えないと、フェアじゃないよな。
「瑠璃さん、」
部屋の中、瑠璃さんを探し回る。かくれんぼみたいだな。ちょっと懐かしい。そんな広い家でもないから、すぐ見つかるけど。瑠璃さんはベランダに出ていて、くしゃみをしている。慌てて上着を持って、俺もベランダに出た。
「なにしてんだ、風邪引くぞ」
「……うん」
瑠璃さんはまたじとーっとした目で俺を見ている。今そんな表情したって可愛いだけだろ。そんなに俺のこと好きなのがバレたのが恥ずかしいのか?いや、うん。俺も恥ずかしいくらい嬉しくてどうにかなりそうだけど。
「瑠璃さん、かわいい」
「知ってるもん」
「世界一かわいい」
「……大げさな男は嫌い」
「大げさじゃないんだけど?」
瑠璃さんを引き寄せて抱きしめる。瑠璃さんが腕の中でもがいて、上目遣いで俺を見る。あ、待って。
「冴くんがカッコいいから悪いんだ」
なにがだよ、支離滅裂だよ。なにも言い返せずに、瑠璃さんの頭を胸に押しつける。無理、これ以上聞いてたらどうにかなる。朝からなんだってんだ、大忙し。可愛いしか出てこないよ、知ってたけど。急に炸裂するのやめてくれ。
「んー」
2月22日、なんでもない朝だ。昨日、瑠璃さんはなかなか帰ってこなくて、心配で帰りを待っていたからまだ眠い。まだ眠くてベッドにいるのに、瑠璃さんが急に部屋に入ってきて俺の隣に滑り込んでくるから、混乱している。瑠璃さんは俺の腕を抱きしめるように組んで、むーっと鼻を鳴らしている。子供みたいで可愛くて、空いた手で頭に触れて。多分俺は今、だらしなくて情けない顔をしている。隠す必要もないけど。この人の前でだけだし。
「言ってくれなくちゃ、分からない」
「言っても仕方のないことなの」
「いいよ、それでも」
あんたの話なら、いくらくだらなくてもいくらでも聞く。促すように、頬を揉んだ。もちもちだ。
「……冴くんのこと、みんなが悪く言うから怒ってるの」
「んー?」
瑠璃さんがネットの記事を俺に見せる。昨日の試合についてあれこれ書いてある。それがどうかしたか?
「見たまんまの結果だから、仕方ねぇだろ」
瑠璃さんがぶすーっとむくれる。可愛い。頬を手で潰して弄ぶ。瑠璃さんが膝の上に乗ってきて、コアラみたいに抱きついてくる。妙に積極的で、ドキドキする。どうせ深い意味はないのだが。
「本当に、どうした?それだけか?」
「…………冴くんはカッコいいのに、みんな勝手なこと言う」
「えっと、そうなのか?」
カッコいいことを言ったつもりはないが。ただの事実だろ。瑠璃さんがポカポカ俺の胸を叩く。痛くない。なんだこれ、可愛いがすぎる。
「冴くんはカッコいいよ」
「いつも言わないじゃん」
「いつも恥ずかしいから言ってないだけ」
自分の頬の熱を感じる。好きな女の子に、カッコいいって言われただけ。それだけのことが、こんなに嬉しいもんなのか。瑠璃さんはそっぽ向いて、それでも膝から退こうとしない。ダメだ、意地悪したくなる。
「ふーん、カッコいいと思ってたんだ俺のこと」
「……うん」
「じゃあいつも逃げ回んのは恥ずかしいから?」
「違う」
「本当に?これでもまだ強がる?」
瑠璃さんの身体を押して、覆い被さるようにして。これでもかと顔を近づけて、耳元で囁いてみる。瑠璃さんの身体がこわばる。やばい。本能が警報を鳴らしてる。瑠璃さんが思いっきり突き飛ばすように押すから、退いた。瑠璃さんは顔を真っ赤にして、ベッドから飛び降りて出ていった。仰向けに寝転び、脱力する。なんなんだよ、あれ。
(瑠璃さんは今でも、ちゃんと俺のこと見てくれてるんだ)
嬉しい。別に誹謗中傷にはなんも感じないが、俺のために怒ってくれるのは可愛い。カッコいいからのおまけ付き。可愛い。感想が可愛いしか出てこなくなった。うーん。言われてみれば、俺も可愛いと思ってるけど言ってなかったかも。じゃあちゃんと伝えないと、フェアじゃないよな。
「瑠璃さん、」
部屋の中、瑠璃さんを探し回る。かくれんぼみたいだな。ちょっと懐かしい。そんな広い家でもないから、すぐ見つかるけど。瑠璃さんはベランダに出ていて、くしゃみをしている。慌てて上着を持って、俺もベランダに出た。
「なにしてんだ、風邪引くぞ」
「……うん」
瑠璃さんはまたじとーっとした目で俺を見ている。今そんな表情したって可愛いだけだろ。そんなに俺のこと好きなのがバレたのが恥ずかしいのか?いや、うん。俺も恥ずかしいくらい嬉しくてどうにかなりそうだけど。
「瑠璃さん、かわいい」
「知ってるもん」
「世界一かわいい」
「……大げさな男は嫌い」
「大げさじゃないんだけど?」
瑠璃さんを引き寄せて抱きしめる。瑠璃さんが腕の中でもがいて、上目遣いで俺を見る。あ、待って。
「冴くんがカッコいいから悪いんだ」
なにがだよ、支離滅裂だよ。なにも言い返せずに、瑠璃さんの頭を胸に押しつける。無理、これ以上聞いてたらどうにかなる。朝からなんだってんだ、大忙し。可愛いしか出てこないよ、知ってたけど。急に炸裂するのやめてくれ。
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