プロトタイプ/落書き
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ちゅーすちゅーす。せっかくいただいたオフなんで、今日は1人で鎌倉観光に来てるぜ!理由は、なんかレベル高そうだから!女の子の!あとさ、鎌倉って最近いつもお祭り騒ぎみたいに賑わってるだろ?アガることが転がってる気配すんだよなー。忍者ネタもウケそうだし!それにしたって、人が多いなー。春休みだからか?とりあえず、神頼みに鶴岡八幡宮に行ってみた。本殿から少し離れたとこ、御神木?の下。忘れられなかったワンピースを見つけて息が止まった。え、運命じゃねこれ。俺は人混みをするりと抜けて、前に降り立った。瑠璃さんは俺の顔を見ると、花が咲くみたいに笑った。よかった、元気になったんだ。
「瑠璃さん!瑠璃さんだ!」
「こんにちは忍者さん。奇遇ね?」
「奇遇どころじゃないっしょ?運命だわこれ」
瑠璃さんの手を両手で包んでシェイクハンド。綺麗だなー相変わらず。怯まずに声かけたあの日の俺は、やっぱ表彰もんだわ。……名古屋で抜け殻みたいだったこの人は、生気を取り戻して今目の前にいる。会えると思ってなかった、正直勇気出なかったし。瑠璃さんが元気ってことは、俺の失恋確定事項だし。それでもいいけどね。
「なんだお前。誰?」
すっごく不機嫌な男の声がして、そっちを見たら鬼の形相の糸師冴がいた。わお。
「ちゅーす。俺の顔忘れた?流石にちょい傷つくぜ」
「……9番なのは分かってる。なんで、瑠璃さんと親しそうなんだって聞いてんだよ」
「うーんそれには激ロマンティックでドラマティックな奇跡がありまして」
「うぜぇひと言でまとめろ」
俺は教えてやるかどうか悩んだ、ない頭で。マウント取ってもいいけどなー瑠璃さんが困るっしょ。俺はコイツ嫌いだけど、瑠璃さんは好きなんだもんな。あんな顔させる男なんて、やめときゃいいのに。
「名古屋で一度だけ会って、連絡先交換したの。影汰くん面白いから切れなくて」
「いぇーいメル友でぇす!」
糸師冴は眉間にいっそう皺を寄せて、なにも言わずに瑠璃さんの腕を取って歩き出した。そろーっとついて歩く。歩くペースを上げられても、人混みに紛れることなくぴったりと。この状況下で俺から逃げられると思うなよ。
「ついてくんなヘボ忍者」
「忍者振り切れると思うなよ?つーか、瑠璃さんが疲れるじゃん。もうちょい瑠璃さんのこと考えて歩いたら?」
弩級の図星を喰らって、日本の至宝は黙りこくった。瑠璃さんを見れば、別段困ってない。ちょっと嬉しそうなくらいだ。あーいけないんだ、そんな風に男弄んでさ。嫌いになんてなれねぇけどさ!
「……お前ごときが瑠璃さんのこと知った口を聞くな」
「ふーん?俺はあんたが知らねぇ瑠璃さんのこと知ってっけど?」
「あ?」
「影汰くん」
瑠璃さんの声がワントーン、低い。分かってんよ、だから怖い顔しないで。
「ハイハーイ!忍者は機密事項守ります、勿論デス!」
瑠璃さんが糸師冴と別れて、ずぶ濡れの子犬みたいな表情で名古屋彷徨ってた話は、俺と瑠璃さんだけの秘密だ。あの数日間は、俺とあんただけの秘密。アガるね、この人としか話せないことがあるって。竜胆瑠璃の中に、ひとつ影を落としてひっそり覗き込めるこの立ち位置は、俺にとって都合も心地もいい。瑠璃さんが納得したように笑って前を向く。まぁ、いらん世話かなこれ以上は。
「じゃあじゃあ、俺はこの辺でお暇すっかな〜どろんでぇす」
「あら、また会える?」
「瑠璃さんが信じてたら会えるよぉ。あの時みたいに絶好のタイミングでさ!」
「そうね」
糸師冴は心底面白くないと、眉を寄せて俺を睨む。から、俺もちょっとピリッと殺意混ぜて睨んで。糸師冴の右肩に左手を当てて掴んで、すれ違いざまに耳打ちをした。
「俺の一欠片の純情、全部費やして絶対幸せにしたい人だ。幸せにしなかったらブッ殺す」
糸師冴が振り向いてなにか言おうとする。聞く前に颯爽とその場を去った。忍者捕まえられると思うなよ。ずっと瑠璃さんの影から、あんたのことを見張ってっからな。
「瑠璃さん!瑠璃さんだ!」
「こんにちは忍者さん。奇遇ね?」
「奇遇どころじゃないっしょ?運命だわこれ」
瑠璃さんの手を両手で包んでシェイクハンド。綺麗だなー相変わらず。怯まずに声かけたあの日の俺は、やっぱ表彰もんだわ。……名古屋で抜け殻みたいだったこの人は、生気を取り戻して今目の前にいる。会えると思ってなかった、正直勇気出なかったし。瑠璃さんが元気ってことは、俺の失恋確定事項だし。それでもいいけどね。
「なんだお前。誰?」
すっごく不機嫌な男の声がして、そっちを見たら鬼の形相の糸師冴がいた。わお。
「ちゅーす。俺の顔忘れた?流石にちょい傷つくぜ」
「……9番なのは分かってる。なんで、瑠璃さんと親しそうなんだって聞いてんだよ」
「うーんそれには激ロマンティックでドラマティックな奇跡がありまして」
「うぜぇひと言でまとめろ」
俺は教えてやるかどうか悩んだ、ない頭で。マウント取ってもいいけどなー瑠璃さんが困るっしょ。俺はコイツ嫌いだけど、瑠璃さんは好きなんだもんな。あんな顔させる男なんて、やめときゃいいのに。
「名古屋で一度だけ会って、連絡先交換したの。影汰くん面白いから切れなくて」
「いぇーいメル友でぇす!」
糸師冴は眉間にいっそう皺を寄せて、なにも言わずに瑠璃さんの腕を取って歩き出した。そろーっとついて歩く。歩くペースを上げられても、人混みに紛れることなくぴったりと。この状況下で俺から逃げられると思うなよ。
「ついてくんなヘボ忍者」
「忍者振り切れると思うなよ?つーか、瑠璃さんが疲れるじゃん。もうちょい瑠璃さんのこと考えて歩いたら?」
弩級の図星を喰らって、日本の至宝は黙りこくった。瑠璃さんを見れば、別段困ってない。ちょっと嬉しそうなくらいだ。あーいけないんだ、そんな風に男弄んでさ。嫌いになんてなれねぇけどさ!
「……お前ごときが瑠璃さんのこと知った口を聞くな」
「ふーん?俺はあんたが知らねぇ瑠璃さんのこと知ってっけど?」
「あ?」
「影汰くん」
瑠璃さんの声がワントーン、低い。分かってんよ、だから怖い顔しないで。
「ハイハーイ!忍者は機密事項守ります、勿論デス!」
瑠璃さんが糸師冴と別れて、ずぶ濡れの子犬みたいな表情で名古屋彷徨ってた話は、俺と瑠璃さんだけの秘密だ。あの数日間は、俺とあんただけの秘密。アガるね、この人としか話せないことがあるって。竜胆瑠璃の中に、ひとつ影を落としてひっそり覗き込めるこの立ち位置は、俺にとって都合も心地もいい。瑠璃さんが納得したように笑って前を向く。まぁ、いらん世話かなこれ以上は。
「じゃあじゃあ、俺はこの辺でお暇すっかな〜どろんでぇす」
「あら、また会える?」
「瑠璃さんが信じてたら会えるよぉ。あの時みたいに絶好のタイミングでさ!」
「そうね」
糸師冴は心底面白くないと、眉を寄せて俺を睨む。から、俺もちょっとピリッと殺意混ぜて睨んで。糸師冴の右肩に左手を当てて掴んで、すれ違いざまに耳打ちをした。
「俺の一欠片の純情、全部費やして絶対幸せにしたい人だ。幸せにしなかったらブッ殺す」
糸師冴が振り向いてなにか言おうとする。聞く前に颯爽とその場を去った。忍者捕まえられると思うなよ。ずっと瑠璃さんの影から、あんたのことを見張ってっからな。