序章/プロトタイプ
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則本保栄は、回収班のレギュレーションを作った人物である。現在25歳。大規模侵攻の時には、すでに成人していた。根付栄蔵の甥っ子ということもあり、ボーダーにはすぐに入隊して馴染んだ。そうして「ゴミ捨て場」と化した警戒区域を、守るための仕事を選んでしている。殲滅したトリオン兵の回収の、安全基準を敷いた男。彼は花を愛した。それも、道端にこっそり咲くような花を。花が摘み取られることを、どうしても良しとしなかった。
「春秋、このあとヒマ?」
「暇じゃないと言えば嘘になる程度には暇だな」
「おしおし、なんか手伝えることあれば助けるので!飲みにいこーぜ!」
保栄は寂しがり屋だ。あまり人には見せないようにしているけども。ボーダー内の数少ない大人の1人、しかもやらかせば大事な叔父の手を煩わせるのは分かっている。それはそれとして、彼は女遊びが激しい。
「他、誰か呼ぶか?」
「んにゃ。今日は春秋と2人がいいです♡」
「はいはい分かった。店は俺が決めていいな?」
「そりゃモチロン。美味しい店おせーて」
「生憎そんなにグルメじゃないよ俺は……」
ボーダー本部を離れ、夜の街に踏み出す2人。保栄は目線を忙しなく動かし、時に首も回す。凝っているのだろう、首を回すたびにゴリゴリと音がする。東春秋は苦笑しながら、自分の首元に手を当てた。ま、俺も凝ってるしなぁ。
「保栄は、それずっとやってて疲れないのか?」
「それ?」
「いーっつもなにかに刺激を受けて、考え事をしているように見えるよ」
保栄はその答えを微笑みながら探して、一瞬だけ、無になって答えた。
「父さんが、そういう人だったから」
春秋は説明を求めた。それでも傷つけたいわけじゃないから、黙っていた。道の端による。保栄は自分の目尻から流れる雫を、指で擦った。
「父さんが、そこにあるものには全て意味があるって言ってたから」
「うん」
「場所も時間も、そのためだけに存在する瞬間が、どんなものにも宿ってるって言ってたから」
「そうだな」
「ゴミ捨て場になっちゃったあそこに、もう一度花の種撒きたいんだ」
「うん」
東春秋は、自分は底意地の悪い人間だと思った。このやり取りは、初めてではない。保栄は素直だから、どこででも話していることだろう。けれども、誰だって彼の話は何回もリピートしたくなる。イタリアに住んでた頃はゴミ捨て場が大好きだった彼の……彼の地獄が、この三門市にあるということ。きっと終わることなどない地獄だけど、2人でならもう少しやれる気がする。仲間が増え続ければ、傷跡以外は癒える気がする。
「ありがとう。で、なにが食べたいんだ?」
「洋食、ハンバーグ」
「了解」
ボーダー最重要人物達の夜会は、案外とすぐ日常の側で行われている。他人の声など聞いてないから、個室などは不要なのである。
「春秋、このあとヒマ?」
「暇じゃないと言えば嘘になる程度には暇だな」
「おしおし、なんか手伝えることあれば助けるので!飲みにいこーぜ!」
保栄は寂しがり屋だ。あまり人には見せないようにしているけども。ボーダー内の数少ない大人の1人、しかもやらかせば大事な叔父の手を煩わせるのは分かっている。それはそれとして、彼は女遊びが激しい。
「他、誰か呼ぶか?」
「んにゃ。今日は春秋と2人がいいです♡」
「はいはい分かった。店は俺が決めていいな?」
「そりゃモチロン。美味しい店おせーて」
「生憎そんなにグルメじゃないよ俺は……」
ボーダー本部を離れ、夜の街に踏み出す2人。保栄は目線を忙しなく動かし、時に首も回す。凝っているのだろう、首を回すたびにゴリゴリと音がする。東春秋は苦笑しながら、自分の首元に手を当てた。ま、俺も凝ってるしなぁ。
「保栄は、それずっとやってて疲れないのか?」
「それ?」
「いーっつもなにかに刺激を受けて、考え事をしているように見えるよ」
保栄はその答えを微笑みながら探して、一瞬だけ、無になって答えた。
「父さんが、そういう人だったから」
春秋は説明を求めた。それでも傷つけたいわけじゃないから、黙っていた。道の端による。保栄は自分の目尻から流れる雫を、指で擦った。
「父さんが、そこにあるものには全て意味があるって言ってたから」
「うん」
「場所も時間も、そのためだけに存在する瞬間が、どんなものにも宿ってるって言ってたから」
「そうだな」
「ゴミ捨て場になっちゃったあそこに、もう一度花の種撒きたいんだ」
「うん」
東春秋は、自分は底意地の悪い人間だと思った。このやり取りは、初めてではない。保栄は素直だから、どこででも話していることだろう。けれども、誰だって彼の話は何回もリピートしたくなる。イタリアに住んでた頃はゴミ捨て場が大好きだった彼の……彼の地獄が、この三門市にあるということ。きっと終わることなどない地獄だけど、2人でならもう少しやれる気がする。仲間が増え続ければ、傷跡以外は癒える気がする。
「ありがとう。で、なにが食べたいんだ?」
「洋食、ハンバーグ」
「了解」
ボーダー最重要人物達の夜会は、案外とすぐ日常の側で行われている。他人の声など聞いてないから、個室などは不要なのである。
