掌編/ネオプロトタイプ
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「拓磨、これ。長らく借りていてごめんね」
「お、おう。読んだのか?」
「うん!」
褒めて欲しそうに頭を差し出すから、思わず手が出て頭や頬を撫でる。莉子が俺が貸した本を、読んで返してきた。とんでもなく珍しい。いつも俺が押し付けるように、自分の書棚の整理も兼ねて、莉子が読みそうな本を渡していたが。読了して返ってきたのは記憶にない(別にそのことについて怒りとか寂しさは特にない)。
「どうした、なんで読めた?いつも胆力なくて読み進められねぇって言ってたじゃねぇか」
「「小林、読書は1日10ページでも充分なんだ」って二宮さんに教わって。毎日10ページずつ読んだら読めたし、他の本も読みやすくなったよ」
「ほー」
二宮さんがそんなことを。でもまぁ、確かに。俺は本は読み出したらなるべく一気に読み進められるから、そういうアドバイスは出来なかったな。……思考の視野が狭い自覚はある。こうと決めたら曲げらんねぇ。
「読書、しばらく頑張るんだぁ」
「……頑張りすぎるなよ?」
「あれ?私また頑張りすぎてました?」
莉子が茶目っけたっぷりに首を傾げている。表情筋の固い頬を、むにーっと摘んで。あぁ、なんだってこれだけのことで胸が熱いくらいなんだろう。
「じゃあ、任務いってくるね!」
軽くハグをされて、手を振って去っていく。目を離せず、背中が曲がり角で消えるまで眺めていた。1日10ページか。俺を本にしたら、莉子にとって何ページなんだろうか。好きのひと言で終わりそうにも、何百ページかけても書き切れないようにも思う。何百ページも、読ませるのは忍びないか。でも、加減なんて分かんねぇんだよな。
(そも、莉子の本をどれだけ俺は読めているんだろう)
途端に寂しさが押し寄せた。全部知りたい。手元にないと不安だ。返された本の表紙を、親指で撫でた。とりあえず、この本もっかい読んじまおう。そしたら、莉子に感想を改めて聞ける。自分の隊室に向けて歩き出した。気分は悪くない。莉子が許してくれる限り、好きのページを書き連ねていく。それでもって、10ページだけでも読んでもらえたらそれでいい。今日も明日も、ずっと好きなんだ。
「お、おう。読んだのか?」
「うん!」
褒めて欲しそうに頭を差し出すから、思わず手が出て頭や頬を撫でる。莉子が俺が貸した本を、読んで返してきた。とんでもなく珍しい。いつも俺が押し付けるように、自分の書棚の整理も兼ねて、莉子が読みそうな本を渡していたが。読了して返ってきたのは記憶にない(別にそのことについて怒りとか寂しさは特にない)。
「どうした、なんで読めた?いつも胆力なくて読み進められねぇって言ってたじゃねぇか」
「「小林、読書は1日10ページでも充分なんだ」って二宮さんに教わって。毎日10ページずつ読んだら読めたし、他の本も読みやすくなったよ」
「ほー」
二宮さんがそんなことを。でもまぁ、確かに。俺は本は読み出したらなるべく一気に読み進められるから、そういうアドバイスは出来なかったな。……思考の視野が狭い自覚はある。こうと決めたら曲げらんねぇ。
「読書、しばらく頑張るんだぁ」
「……頑張りすぎるなよ?」
「あれ?私また頑張りすぎてました?」
莉子が茶目っけたっぷりに首を傾げている。表情筋の固い頬を、むにーっと摘んで。あぁ、なんだってこれだけのことで胸が熱いくらいなんだろう。
「じゃあ、任務いってくるね!」
軽くハグをされて、手を振って去っていく。目を離せず、背中が曲がり角で消えるまで眺めていた。1日10ページか。俺を本にしたら、莉子にとって何ページなんだろうか。好きのひと言で終わりそうにも、何百ページかけても書き切れないようにも思う。何百ページも、読ませるのは忍びないか。でも、加減なんて分かんねぇんだよな。
(そも、莉子の本をどれだけ俺は読めているんだろう)
途端に寂しさが押し寄せた。全部知りたい。手元にないと不安だ。返された本の表紙を、親指で撫でた。とりあえず、この本もっかい読んじまおう。そしたら、莉子に感想を改めて聞ける。自分の隊室に向けて歩き出した。気分は悪くない。莉子が許してくれる限り、好きのページを書き連ねていく。それでもって、10ページだけでも読んでもらえたらそれでいい。今日も明日も、ずっと好きなんだ。
