掌編/ネオプロトタイプ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「15時になったら、デザート食べる!」
「好きにしろ」
すぐに顔がほどけてしまいそうになって、必死で口を引き結んでいる。大学生になって時間に余裕が出来たから、莉子とよく作業会をやるようになった。ファミレスにこもって、俺は勉強して莉子はなんか創作をしている。俺にはさっぱり分からないことだが、莉子には重要なことのようだ。創作をしている時の莉子は明るい。進捗があると、嬉しそうに報告をしてくる。俺の方はというと、実際のところ普段の半分くらいまで進めるスピードは落ちる。内緒だが。捗らないのがバレたら、やめにしようって言われそうだし。莉子はノートを何冊も広げて、漫画を積み上げて、スマホに文字を打ち込んでいる。俺が莉子を見ていることには、気づかない。莉子は目が大きくてまつ毛が長い。髪が癖っ毛で、ふわふわしている。顔は丸顔でほっぺがぷにぷにしてる。あと……胸がデカい。藤丸ほどじゃねぇが。背が低いけどパーツのバランスがいいからあまりチビに見えない。横に並ぶとめちゃくちゃ小せぇ。観察しながら、どこがそんなに好きなのか考えた。どこ?どこだろうな……サイズ感、は好き。小学生の頃から変わってないことに胸を締め付けられる。可愛い。あとはそうだな……声、好きかも。表情豊かで。歌はその、あんまり受け付けねぇけども。嬉しそうな時の声、好きだな。正直、全部好きなんだけど。どれもこれも、あの日から変わってなかったから、こんなにも好きになったと思う。初恋、だし。
「……どうかした?」
スマホから顔を離した莉子と、バチっと目が合ってしまい肩が跳ねる。頭が真っ白になってしまって、答えが出ない。莉子が不思議そうに首を傾げるので、慌てる。
「いや、美人だなと思って……」
口が滑った。穴があったら入りたい。顔に熱が集まる、見られたくない。飲み物取ってくる、とそそくさと席を立った。その行動で恥ずかしがってるのがバレるから、余計に照れ臭い。深呼吸して、ウーロン茶を一杯一気飲みした。席に戻るのが怖いが、そーっと戻る。莉子は俺の顔を見つめている。また頬が熱い。
「……なんだよ」
「んー見惚れるほど美人か?と思って」
そりゃ、惚れた女だから多分に贔屓目は入るよ。言わねぇけど。言えねぇけど。莉子はずーっと不思議そうな顔をしている。莉子がちょっと馬鹿でよかった。
「そんな美人かなぁ」
「……ちょっと、気になったから観察してただけだ」
「なんで?」
困るんだよなぁ、これ。いつも、なんで?って聞くんだ。自分で考えてくれ。答えを出されても困るけど。うん、俺もだいぶ我儘だな。自覚はある。
「特に意味はねぇよ」
「ふーん……」
莉子は納得いってなさそうな顔をしていたが、それ以上は追及してこなかった。ドリンクを取りに行き、作業に戻った。性懲りもなく、また莉子を見つめてしまう。可愛いんだよなぁ。
「……なんか言いたいことあるの?」
莉子が不安そうに眉を下げるので、今度こそ心臓がひっくり返る。2回もバレた。
「いや。ねぇ、よ」
「本当に?」
「嘘じゃねぇ」
莉子は俺の目を見ると、そっか!と笑った。心臓が鷲掴みにされたように感じる。簡単に俺のことを信じてくれる。たまに甘えてきて、でも自分でしっかり立とうと頑張る。可愛い、可愛くて仕方ないんだって。目を逸らした。眩しいんだよ。
「あとちょっと書いたら2000字〜」
原稿用紙5枚も書いたのか。すげぇ。褒めてあげなくちゃと思うが、先ほどの余韻でなにも言えなくて。とりあえず、デザート好きなだけ食べさせてやろう。俺の課題は、ほとんど進んでない。
「好きにしろ」
すぐに顔がほどけてしまいそうになって、必死で口を引き結んでいる。大学生になって時間に余裕が出来たから、莉子とよく作業会をやるようになった。ファミレスにこもって、俺は勉強して莉子はなんか創作をしている。俺にはさっぱり分からないことだが、莉子には重要なことのようだ。創作をしている時の莉子は明るい。進捗があると、嬉しそうに報告をしてくる。俺の方はというと、実際のところ普段の半分くらいまで進めるスピードは落ちる。内緒だが。捗らないのがバレたら、やめにしようって言われそうだし。莉子はノートを何冊も広げて、漫画を積み上げて、スマホに文字を打ち込んでいる。俺が莉子を見ていることには、気づかない。莉子は目が大きくてまつ毛が長い。髪が癖っ毛で、ふわふわしている。顔は丸顔でほっぺがぷにぷにしてる。あと……胸がデカい。藤丸ほどじゃねぇが。背が低いけどパーツのバランスがいいからあまりチビに見えない。横に並ぶとめちゃくちゃ小せぇ。観察しながら、どこがそんなに好きなのか考えた。どこ?どこだろうな……サイズ感、は好き。小学生の頃から変わってないことに胸を締め付けられる。可愛い。あとはそうだな……声、好きかも。表情豊かで。歌はその、あんまり受け付けねぇけども。嬉しそうな時の声、好きだな。正直、全部好きなんだけど。どれもこれも、あの日から変わってなかったから、こんなにも好きになったと思う。初恋、だし。
「……どうかした?」
スマホから顔を離した莉子と、バチっと目が合ってしまい肩が跳ねる。頭が真っ白になってしまって、答えが出ない。莉子が不思議そうに首を傾げるので、慌てる。
「いや、美人だなと思って……」
口が滑った。穴があったら入りたい。顔に熱が集まる、見られたくない。飲み物取ってくる、とそそくさと席を立った。その行動で恥ずかしがってるのがバレるから、余計に照れ臭い。深呼吸して、ウーロン茶を一杯一気飲みした。席に戻るのが怖いが、そーっと戻る。莉子は俺の顔を見つめている。また頬が熱い。
「……なんだよ」
「んー見惚れるほど美人か?と思って」
そりゃ、惚れた女だから多分に贔屓目は入るよ。言わねぇけど。言えねぇけど。莉子はずーっと不思議そうな顔をしている。莉子がちょっと馬鹿でよかった。
「そんな美人かなぁ」
「……ちょっと、気になったから観察してただけだ」
「なんで?」
困るんだよなぁ、これ。いつも、なんで?って聞くんだ。自分で考えてくれ。答えを出されても困るけど。うん、俺もだいぶ我儘だな。自覚はある。
「特に意味はねぇよ」
「ふーん……」
莉子は納得いってなさそうな顔をしていたが、それ以上は追及してこなかった。ドリンクを取りに行き、作業に戻った。性懲りもなく、また莉子を見つめてしまう。可愛いんだよなぁ。
「……なんか言いたいことあるの?」
莉子が不安そうに眉を下げるので、今度こそ心臓がひっくり返る。2回もバレた。
「いや。ねぇ、よ」
「本当に?」
「嘘じゃねぇ」
莉子は俺の目を見ると、そっか!と笑った。心臓が鷲掴みにされたように感じる。簡単に俺のことを信じてくれる。たまに甘えてきて、でも自分でしっかり立とうと頑張る。可愛い、可愛くて仕方ないんだって。目を逸らした。眩しいんだよ。
「あとちょっと書いたら2000字〜」
原稿用紙5枚も書いたのか。すげぇ。褒めてあげなくちゃと思うが、先ほどの余韻でなにも言えなくて。とりあえず、デザート好きなだけ食べさせてやろう。俺の課題は、ほとんど進んでない。