【本編】旅立ち後から冒険終わりまでのシナリオと小説


そうしてまで憎しみを消す事が出来なかった
そしてそうまでしてでも妻や娘たち(ウェンディには呪歌によって死んだ姉が三人居ます)にもう一度だけで良いから会いたかった


だからこそ目的を遂行出来るようオランには自分を恨んでほしかった

それがイアンの歪んでしまった願いでした



しかし、目の前オランはそんな自分を許し
涙を流し懇願する


大切な息子を奪ったこんな私(イアン)に



それがどうしても耐えきれないイアンはクロイツへとすがります


お前は私が憎いだろうっ!!
父を殺され母親を奪われたお前にとって私は憎むべき相手のはずだ!!!!
私が憎いだろうっ!!憎いと言えっ!!!!!


そんなイアンにクロイツは言います

『正直…アンタを許せるかどうかは今は分からねぇ…
だが、アンタがなぜこうなってしまったのかは少しは分かるつもりだ

今はただ……アンタが苦しむ姿はもう見たくねぇ…』




その言葉に唖然とし狂ったように笑い出すイアン

『お前達は愚かだな………っ愚かすぎて話にならないっ!!!!』



『………………だが、



一番愚かなのは私だ』


と涙を流すイアン




『ああ まーったくお前は本当に愚かすぎて使えない役立たずのコマだったな』


突如現れたフェルナンド王国の国王ブラッドがイアンの心臓を剣で貫きます(オランもこの時ブラッドの一撃を受けて倒れております)


その光景に泣き叫ぶウェンディ

ブラッドはそのままイアンの体を床に投げ捨てます

そんなイアンに急いで駆け寄るウェンディ


イアンは死ぬ間際にウェンディに言いました

今までお前の気持ちに本当は気付いていながらこんなにも苦しめてしまいすまないと
そうして息をひきとるイアン



『ぴーぴーうるっせぇメスガキだなぁ
たかがゴミクズな父親がくたばったくれーで泣いてんじゃねぇよ』



その言葉と行動にブチ切れたシェイドはブラッドへと牙を向きます


しかし、すんでのところで避けてセティアの方へと向かうブラッド


それに気づいたクロイツが応戦しますが前の戦いでの傷が完全に癒えておらず身体がブラッドの攻撃に対応できずにふっとばされてしまいます


そうしてセティアを捉え後ろからその頭を鷲掴みにする事に成功するブラッド


『やーーーっと捕まえたぞ 俺の愛しい殺人姫 お前の可愛い可愛い呪歌を俺の為に使いやがれ』


そうして闇の禁呪魔法によりセティアの意識と自分の意識を同化させたブラッドはセティアの呪歌をその場で発動させようとします


そんな中歌族の民まで現れます
歌族はセティアを殺すためブラッドに牙を向きますがそれをうまくよけ

そしてセティアの自我はブラッドに完全に奪われてしまいます


それをかろうじて生きていて見ていたオランはクロイツに叫びます


もう間に合わない
少女を殺せと


『反吐が出るほど優しい優しいコイツにはこのガキは殺せねえよ』


その光景にオランの言葉にまるで自分の時が止まったような錯覚をクロイツは起こします


そしてブラッドに捉えられたセティアを見てその光景に固まります


自我を失いながらも涙を流し
声が出てなくてもその口は


殺して

と訴えておりました




その瞬間すべてを悟るクロイツ


自分の中でずっと気付けなかったセティアへの思いをこのときになってようやく気付いたクロイツ

セティアが自分にとってどれだけ大切な存在なのかを心臓をえぐられるような思いで痛感し



そして
この手でセティアを殺せば間違いなく自分の心は死ぬと悟ります



でも目の前で殺してと涙を流すセティアを見て

今までずっと苦しんできたセティアを思い出し

これ以上セティアを苦しめたくないと思うクロイツ


これ以上セティアを苦しめるくらいなら自分の心はどうなっても構わないと


そしてクロイツは自分の心を殺す決断をします


涙を流しセティアへ古代破滅魔法を放つクロイツ


苦しまずにすむようにすべての魔力を放ちセティアの遺体が微塵も残らないほどの力を放出します


その凄まじさにセティアから離れるブラッド

その隙をついてシェイドはブラッドの身体を貫きます

それが致命傷となり、涙を流しセティアを手にかけるクロイツを見つめたままブラッドはなすすべなく息をひきとってしまいます



そうしてセティアも命を落とす



はずでした


しかし、クロイツの魔法がセティアに当たった瞬間まばゆい光がセティアを包み込み突如見たこともない魔法陣が現れそこから1冊の本が現れました


そしてセティアの体と本は地面へと落ちます


その光景に唖然とし震えながらセティアの元へと向かうクロイツ


恐る恐るセティアの口元へとふるえながらに手を伸ばせば


その手にはセティアの呼吸が


その事に心から安堵し涙を流しながらセティアを必死に抱きしめるクロイツ



その光景に場の時は一瞬止まりますが
セティアを殺さなければと動き出す歌族


しかしシェイドがいつのまにか呼んでいたドラゴンにてその場を去ることに成功します
(眠っているイヴリスも猫族国王も救出に成功)

そうしてドラゴンの上で尚セティアを抱きしめクロイツは涙します

そして父の亡骸を胸に抱きしめ涙するウェンディの姿もありそんなウェンディを心を痛めながら抱きしめるシェイド



そのまま皆で猫族の国へと向かいます



そして猫族の国にてオラン治療、眠っているセティアやイヴリスを寝かせ、イアンの遺体をひとまず猫族兵士にあずけたのち
あのモルターレ地下の洞窟にて突如魔法陣から現れた本をクロイツたちは開こうとします(その場に居るのはクロイツ、ウェンディ、シェイドの3人)

しかし中を見てもウェンディもシェイドも文字を読むことが出来ません


そんな中クロイツだけがなぜかその文字を読めました


中には呪歌の呪いを解く方法が記されており…

1つめの呪歌と2つめの呪歌の呪いによって死んだ者達をこの本に書かれた3つめの封印された歌によって生き返らせる事ができるという方法が


その嘘のような内容に息を飲む3人


そしてクロイツはその後の文字を読み固まります


死んだ者達を生き返らせるには1つめの呪歌、あるいは2つめの呪歌のどちらかの発動者の命を生贄に捧げること


そこにはそう記されておりました


そのあまりの方法に場が凍ります


しかし、そこで目が覚めて話を聞いていたセティアが現れ私が生贄になると言い出します

その発言に驚き、それを必死で止めようとするシェイド


しかしなぜかクロイツは何も言いません


そんなクロイツになぜ何も言わないのかとシェイドは声を荒らげます


しかしそんな二人のやりとりに一瞬目を向けるもその場を去るセティア

そのあとを追うウェンディ


あとに残るのはシェイドとクロイツのみです


シェイドは言います


セティアちゃんを止めなくて良いのかと


しかしその言葉を遮るようにとても遠い眼をしたクロイツはシェイドにある話をしだします


その話のあまりの内容に眼を見開くシェイド


そんなシェイドの真横を通りながら

すまないシェイドと謝り部屋を去るクロイツ



あとに残ったシェイドは膝から崩れ落ち涙を流します



そして結局クロイツはその後も何も言わず
セティアも何も話さずシェイドさえも口を閉ざしてしまいます


そうしてセティアたちは本に記載された歌族集落のそばにある祈りの洞窟へと向かいます


三つ目の歌を歌う場所にそこが記載されていたので



そうして洞窟の中へ一人で向かおうとするセティアにようやく口を開いたクロイツが俺も一緒に行くと言います


1人で行くと言ってもけしてゆずらないクロイツに仕方なく一緒に行くことにするセティア



洞窟の中はとても広く奥へ行けばそこには
前面に水晶がちりばめられたような美しい光景があたり一面に広がっていました(そこはとても広い深い場所でした)


その中央へと向かいそこでもうここでいいよというセティア
クロはシェイドくんの元へ戻ってと






『………お前に話さなければならない事がある』


突如話を切り出すクロイツ
顔はセティアを見ずただ前だけを見つめています


あの本に書かれたいけにえは
本当は呪歌の発動者だけではなかったと

その言葉に動揺するセティア


クロイツは更に続けます


あの本に記載されていた本当のいけにえは

一つ目の呪歌と二つ目の呪歌の発動者どちらかの命とそしてこの本の封印を解くほどの魔力の持ち主なんだと

つまりセティアと一緒にクロイツもいけにえになるという話でした


その言葉に驚愕しそんなの嫌だよ!と叫ぶセティア

クロには死んでほしくない
生きていてほしい
アタシの事にこれ以上まきこみたくない



しかしそんなセティアの言葉はまるで聞こえていないというふうにクロイツは話しを続けます


シェイドにはきちんと話してきたと


そんなクロイツの名前を必死で呼ぶセティア



そしてただ前だけを見て黙り込むクロイツ



そんなクロイツにセティアも黙ってしまいます


あたりには静寂が訪れ

二人を無音が包み込みます


そうしてまた静かに話し出すクロイツ




『セティア・・俺は


お前の呪歌が発動しようとしたあの瞬間…俺はお前を殺そうとした』



その言葉に驚くセティア


『…!…それはっ!あたしがお願いしたからっ!』






『………

ああ…あの時の決断が間違ってるとは思わねぇ

俺は何度あの瞬間に戻ってもお前を殺そうとするだろうな』


そう言いながらクロイツはまだ前だけを見つめます
そんなクロイツの表情が見えないセティア






『……



………………でもなっ
どんなに行動にうつせても…心がついてこねえんだよっ!』


突如震える声で声を荒げるクロイツ




『お前を失うって分かったあの瞬間気づいちまったんだ…



俺は…お前なしじゃ生きていけねえってっ!』



そう言いながら振り返ったクロイツは涙を流しており

そのあまりにも辛そうなクロイツの姿に固まるセティア

そのままクロイツはセティアに口づけをします





『ーーーお前を愛してるんだっ!!


…たのむセティアっ…歌ってくれっ!……たのむっ……』


そう言いセティアを抱きしめふるえながら必死に懇願するクロイツ



そんなクロイツの姿に涙を流しながらセティアはまるで走馬灯のようにクロイツとの出会いから今までの事を思い出します



そうしてクロイツへの思いが涙となってあふれ出して止まらなくて


『クロ………………アタシ、クロが大好きっっ…』
『……………ああっ…』



そうして三つ目の歌を歌おうとするセティア









…そんな二人の耳に突如セティアとは違う歌声の旋律が響きます




はっとして二人で声のする方へ目を向ければ
そこには意識を取り戻したイヴリスが三つ目の歌を歌いながらこちらへ向き微笑んでいる姿が…
そばにはオランもおります


その光景に驚き慌ててイヴリスの元へと向かう二人

しかし三つ目の歌が発動したことにより洞窟が崩れはじめイヴリスの元へとむかう道が崩れてしまいます


それでも二人は必死にイヴリスを呼びます






クロイツ
セティア


突如頭にひびく優しい声

イヴリスが二人の頭に語りかけてきました



その声に涙する二人


そんな二人にイヴリスは語りかけます


良かった 私の声聞こえるのね

なんとなく…届く気がしたの





ありがとうクロイツ
お母さん ずっと見ていたわ あなたたちの事

私とセティアは呪歌によって精神の奥の方ではずっと繋がっていたの
 

拐われたあの日
私はモルターレの地下深くで眠りにつかされ


ずっと止まったときの中にいたのだけれど


セティアの目が覚めたと同時に私の意識も目覚めて…


私ね、セティアが目を覚ました竜族の里から
ずっとずーーっと見ていたのよ あなたたちの事を




嬉しかった
たくましく成長したあなたを見れて

セティアに何もしてあげられない事がずっと苦しかったけれど

でも
クロイツがずっと私の言いたいことをセティアに伝えてくれた
守ってくれた

私の大切なセティアをこんなにも愛してくれてありがとう



『………………母さんっ…』




セティア



『…お姉ちゃんっ』



私が言った事覚えてる?


いつかきっとあなたの事を誰よりも大切にしてくれる人が現れる 
その人はきっとあなたを
だれよりも愛してくれるって



『お姉ちゃんっ!』






クロイツ

もう洞窟が崩れるわ



あなたの大切な人をどうか守ってあげて





その言葉に涙を流しながらもセティアを抱えて洞窟を出ようとするクロイツ




『(…………………母さんっ)』


うん……お母さんもずっと会いたかったわ





そんななかセティアはお姉ちゃんっ!と必死に泣き叫びます





セティア クロイツ

幸せになってね









そうして去っていく二人を暖かく見守るイヴリス



そんなイヴリスにオランは言います


『…一緒に逝くのが ワシですまない』




そんなオランにイヴリスは優しく微笑みながら言います


『いいえ 一緒に居てくださってとても嬉しいです お義父様』



その言葉に驚き
そしてイヴリスへと優し気に微笑むオラン




そうしてイヴリスの歌は世界中へと放たれました

心に響く旋律は皆の元へ届き

その歌声のあまりの優しさに世界中の皆が涙を流します

その歌声は歌族族長アシュレにも届いていて
イヴリスを思い涙するアシュレ




そうしてイヴリスとオランはまばゆい光に包み込まれていきます


あまりのまぶしさに目を閉じますが
ゆっくりと再び目をあければそこには美しい草木の光景が


その光景に驚いていると後ろから自分を呼ぶ声が


その声に振り向けば

そこにはレンがおりました(クロイツ父)


イヴリスへ優しく微笑むレン

その姿に夢なのかと思いながらも涙を流しかけよるイヴリス

同じくかけよるレン

そうして二人は互いを強く抱きしめこれは夢ではないのだと
涙ながらに再会を喜び合う二人


そしてレンはその光景を見て固まっているオラン(父)へと優しく微笑みかけます

その光景に涙を流すオラン




その光景は


イヴリスの歌により呪歌の呪いが解ける寸前にセティアの元へと映像として流れてきており
再会を果たした三人を見て涙を流すセティア



↓続きます
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