少女との出会い


竜族の集落はあそこからは少し遠いらしく少女の事もあり竜に乗って向かう事になった


『しっかし危なかったな~ シグルスの群れを追いかけて正解だったぜ!』


彼等は見回りの途中たまたま見かけたシグルスの群れを不穏に思い、追いかけて来た所彼らに遭遇したという

始めは遠くから様子を伺っていたが直ぐに戦いがはじまり、必死にその中から逃げようとしている少女を抱えた青年を見てあわてて助けに入ってくれたのだ


『ああ あんた達が来てくれなかったら危なかった 礼を言う』

『よせやいっ困った時はお互い様だぜ!
それにしても旅人さん猫族だったんだな~どうりで足が速いはずだ!』


そう 青年は人間ではなく亜人であった
先程着ていたマントを脱いだ青年の頭とお尻からは綺麗な灰色の耳と尻尾が生えていた


『猫族に会ったのなんて俺達初めてだぜ 歌族もだ!あいつら大人しい種族だって聞いていたがありゃ嘘だな~ いきなり戦いだすわ


…こんなお嬢さん殺そうとするわ』


男はそう言いつつまだ目覚めぬ少女に視線を移す
青年も少女を見つめた


『…一言では言い現せない事情がありそうだな もしかしたら相当恐いめにあったかもしれねぇ 目が覚めたら焦らずゆっくり話を聞いてやろうじゃねえか…』

『…ああ』

『そういえば自己紹介がまだだったな!俺はレイアン 旅人さん名前は?』

『クロイツだ』


クロイツはそう言うと視線をまた少女に移した

その顔は無表情であったが彼の瞳は切なげだった

その様子にレイアンはそれ以上口を開かなかった











空には竜の羽ばたく音だけが響き渡るのであった



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