重要人物設定

【テオ・ヴェルナート】

年齢:39歳
種族:猫族
背:177cm
一人称:『私』
「キミ」
好き:民 読書 兄(レン)
嫌い:フェルナンド国王
得意:魔法(父ほどではないがなかなかに優秀な魔導士)
苦手:剣
通称:【そのまま・テオ様・王子】

レンの弟でヴェルナート王家の王子でアノンの父。
39歳にしていまだに王子の座のままには何か理由があるようだが…。



※↓下記はネタバレになりますのでオラン国王の過去を見てから読むことをお勧めいたします。





【王子のままのテオ】
テオが39歳にして未だに王座を渡されていないのはオランが仮面の組織と繋がりを持ち続けてきたことによるものです。
イアンや人間に起きてしまった事は全て自分の責任
だからこそテオや民たちには一切の関りをもたせたくないというのがオランの思い(それでも王にどこまでも付いていくと決めた兵たちはオランのそばから離れないのですが)

王という立場を与えてしまえばテオまで巻きこんでしまうと考えたオランはやむをえずテオを王子の座のままに置いております。


【兄レンとテオ】

自由奔放で冒険が大好きで誰とでもすぐに打ち解けてしまう明るい兄レンと人と打ち解けるのが少し苦手で少し引っ込み思案だがそれでも民を思う気持ちが強い優しいテオ

二人は二卵性双生児としてこの世に生を受けております。

テオは明るく優しい兄がとても大好きでしたがそれと同時に誰とでもすぐに打ち解けてします兄に少しコンプレックスを抱いておりました。

また、双子でも先に生まれた兄であるレンが王の座に近いであろうと思っていたテオは心の奥底で兄を疎ましくおもってしまってもおりました。
しかし、それでも兄が大好きなテオはそんな自分がとてもとても嫌いでした。

しかし、父の様な名君になりたいという思いは強く
そして自由奔放で旅願望の強い兄は王には向かないという考えもあり
年を重なるごとに自分が王となり民を守りたいという思いは日増しに強くなっていきました。


だからでしょうか。
レンがイヴリスと出会い国を出て行ってしまった時
兄が居なくなった寂しさより自分が王の座に付けるという喜びの方が強かったテオ。

しかし、それも兄が残した手紙を読むまでは……でした。
国を出る際にレンはテオに手紙を残しており、そこにはこう綴られておりました。

自分は旅に出るから心おきなく王の座についてほしい。
自分が居たことにより今まで変な劣等感を抱かせてしまい申し訳なかった。
優しいお前の事だからずっとその事に心を痛めてきただろう。
だが、自分は元々王の座には向かなかったのだ。
外の世界に目を向け続ける自分よりも滑の奥でも民を真に思いやる事が出来るお前が王になる…それこそが民の幸せなのだと
その事をどうか忘れないでほしい。どうか胸をはってその座につき、その心のままに民を慈しんでほしいと。


この手紙を読み涙を流したテオ。
今までずっと兄への劣等感は隠し続けてきたつもりだったが兄はずっと気づいていたのか。
そうだ…兄はいつも引っ込み思案な自分の気持ちをいつだって汲んでくれる優しい人だった。
そういう人だった。
それなのに自分は…自分の事ばかりか
最愛の兄が居なくなった事を喜ぶ始末

こんな者が王など勤まるのだろうかと


しかし、そんな自分を信じてくれた兄の思いを胸に刻み
このことをけして忘れずに国を治めようと誓ったテオ。

そしていつか再び兄に出会う事を夢見ておりました。



【その後のテオ】
王となる決意を胸に刻み日々民の為に日夜勉強に勤しむテオ。
しかしそんな中、ふとある時期を境にオラン国王の様子が変わります。

元々殺戮の歌姫の死後直後にもひどく気を病んでいたオラン。
(これはイアンを裏切り人間達にぬぐい切れぬ罪を犯してしまったものによるものですが、この事を知らなかったテオは鳥族族長と人魚族族長が殺戮の歌姫による呪歌によって亡くなった事によるものだと思っておりました。)

しかし少しづつですが王としての仕事に追われながら少しづつ少しずつ民の為に回復していったオラン。

しかしその数年後
実は生きていたイアンに再会した事によりオランば再び自分の罪を改めて再認識し心を病みました。
そしてイアンや人間達に父が行った非道な行いを知ってしまったテオ。

そのあまりの出来事にテオは言葉を無くします。
そして日増しに心を病み続ける父の姿。

元々引っ込み思案で言葉を口にするのも苦手なテオ…
今のこの現状をどうしていいか分からず日増しに心を病んでいく父を見て
どうしてよいかも分からず

そんな時に思い出すのは優しく明るい兄の姿

もし兄がこの場に居たらどうするのだろうか
きっと兄がこの場に居れば父ももっと病まずにいられたかもしれない



兄が居れば
兄が居れば


そんな思いでこの絶望的な現状の中救いを求めるように兄に会いたいと切に願うテオ

そうしてついには自ら兄を探すようになります。

元々猫族王家では兄であるレンを探してはいたのですが、それでもなんの手がかりも見つけられずに数年の月日が経っておりました。

なので自らも国を度々お忍びで出て兄を探すテオ。

見た事もない世界。見た事もない文化。見たこともない野生の魔獣達。

そんななか悪戦苦闘を続けながらもとある街にて
ついにレンを見つけ出すテオ。

6歳になった息子のクロイツとたまたま街に物資調達で買い物にきていたレンとばったり。
そうして数年ぶりに会うお互いの姿に涙を流しながら駆け寄り抱きあ再会を喜び合うテオとレン。

会いたかった。
ずっと会いたかったのだと。

そうして幼いクロイツを見てびっくりするテオ。
まさか子供が居るとは思わず、びっくりしつつも挨拶を交わすクロイツとテオ。

そうしてレンとテオはお互いの時間を埋めるようにたくさんの事を話しました。

しかし、幸せそうな兄の姿を見たら
とても今の父の現状やイアンの事をテオは話せませんでした。

ひとしきり兄の現状などの話を聞いた後、国に戻らなくてはとその場を去ります。

二人はまたお会おうと再会の約束をして。





しかし、その約束は二度と叶わぬものに…。


近頃国をやたらと隠密で抜け出すテオを心配したオランはこっそりと兵にテオを尾行させておりました。

そしてそれがきっかけでレンの居場所が分かり、それをイアンに知られてしまった為レンはイアンに殺され帰らぬ人に。


その事を後に知ったテオはひどく心を病んでしまいました。

自分のせいで…
自分のせいで兄は死んでしまったのだと。


そうしてひどく心を病んだテオは何年も何年も何年もその事をずっと後悔し生き続けてきました。
自分がいっそこの世に生まれなければとさえ思いながら…。


【アノンとテオ】
テオには8歳の息子アノンがおります。

兄を自分のせいで失ったとずっと悔やんできて、また父の苦しむ姿に胸をずっと痛め続けてきた故に自身もずっと苦しんできたテオ。

そんなテオですが、息子であるアノンには愛情を惜しみなく与えてきました。(もちろんオランもです)
そして王としての生き方も。

そんな中感受性豊かな息子のアノンは祖父や父の苦しみに気付いており、幼いながらにとても心を痛めておりました。
幼い息子にまで辛い思いをさせてしまう自分に申し訳ない気持ちでいっぱいなテオ。

しかしそれでも苦しみから逃れられずにずっと辛い心境にありました。



【クロイツとテオ】

猫族の国にオランに連れて来られて王宮で過ごす中、クロイツとテオは再会を果たします。

クロイツが実は生きていたと知った時からずっと自分のせいであの子はどれだけ辛い状況下の中生きて来たのだろうかと胸を痛め続けていたテオ。

自分が兄に会いに行かなければあの子は父と母を失わずに幸せに暮らせて居ただろうに…

クロイツと再会を果たした際にそれを涙ながらに謝罪したテオ


そんなテオにクロイツは言いました。

どうか心を痛めないでほしいと。

あの日テオに再会を果たした後の父(レン)は本当に嬉しそうだったと
貴方にずっと会いたかったのだと満面の笑みで涙を流しながら何度も会えて嬉しかったと言っていた父の顔を俺は今でも鮮明に覚えていますと

父は時々あなたやオラン国王の事を話してくれておりました
その時の顔はすごく楽しそうで……でも、すごく寂しそうだった。
だから俺はずっと思っていました。
いつか父が貴方たちに再会出来る日が訪れればと。

だから…貴方が父に会いに来てくれて心から喜ぶ父を見て
俺は本当に嬉しかったんです。

だから、どうか心を痛めないでください。
父の為にもどうか。


そのクロイツ言葉でずっと苦しみ抜いて生きて来たテオの心はようやく救われました。
そしてあの時の少年がこんなにも立派に心優しい青年に成長してくれて嬉しく思うテオ。
そしてその心はやはり兄にそっくりだと思うテオでした。
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