重要人物設定
【イヴリス・リリアーナ】
『分からない…何も覚えていないのよ』
年齢:?歳
種族:歌族
背:164cm
一人称:『私』
「アナタ」
好き:歌
嫌い:争い
得意:料理、裁縫
苦手:戦闘行為
通称:【そのまま・イヴ】
記憶を失い森の中にある湖で倒れていたところをレンに助けられた歌族の女性。
好奇心旺盛でまるで少年のような彼に惹かれ愛しあうようになる。
息子のクロイツと夫のレンと三人で共に暮らしていたが何者かに連れ去られてしまう。
レン【猫族王子】
↑レンの設定はこちら
性格
おしとやかで少々天然な不思議な雰囲気をもつ女性
運動神経が悪くて少しドジ
とてもあたたかい心をもっていてふわふわと不思議な癒やしなオーラを身にまとっている
言動も瞳も何もかも優しさに包まれていてそんな彼女にレンは惹かれて恋に落ちる
クロイツが時々セティアに向ける優しい眼差しはイヴリス譲り
セリフ集
『私ね空が大好き
だってこの広い空を通して世界中の人と繋がっているんですもの
どんな人が居てどんな生活をしているのかは分からない
それでもみんな必ずこの空を見ているのよ
それってとっても素敵な事だと思わない?
だからね…この空と同じ色をしたあなたの瞳が私は大好きなの』
『いつかきっと貴方を誰よりも大切にしてくれる人が現れる
その人はきっとあなたを誰よりも愛してくれるから』
ここから先の設定は
セティアの過去設定を読んでから見る事をおすすめします。
セティア【記憶喪失歌族少女】
【イヴリスの過去】
大いなる木々と同じ色をした瞳をもつという事で天使の生まれ変わりなのだろうと歌族の集落では幼い頃から聖女として扱われてきたイヴリス。
しかし、イヴリスはそんな扱いに疑問をもっていました。
瞳の色が違うだけなのに
私はただのイヴリスなのにどうしてみんな聖女として扱うのだろうと
集落の皆の自分を崇める瞳にただただ戸惑う日々
妹だけが自分をただのイヴリスとしてしたってくれるそんな毎日
そしてイヴリスにはもう一つ悩む事が
それはこの村が外界を一切寄せ付けない事
人間を忌み嫌う歌族の人々
それは人間が亜人を攫い奴隷として扱っている街が存在する為
(かつては多くの歌族の民も奴隷として攫われていきました)
そして母である歌族族長のアシュレもその街で奴隷だった過去をもつ
命からがら逃げ延びてきて
そうしてこの集落に帰ってくる事が出来たが
この集落で出会えた夫ですら人間に殺されてしまったアシュレ
だからこそ人間への恨み憎しみに心を蝕まれている母アシュレにイヴリスと妹のアンヌは幼い頃から人間がどれだけ醜く邪悪かを教えられて育ちました。
アシュレは1枚の世界地図を出し人間大陸を指差し
人間の大陸はこんなにも大きく
ここには多くの恐ろしい人間が居るのだとイヴリス達に伝えました。
しかし、イヴリスには疑問でした。
この狭い集落でさえ様々な人が居るのに、これだけ大きい大陸に住む人間たちがすべて恐ろしい存在だとはとても思えなかったのです。
きっとここと同じで怖い人も良い人も様々な人が居る。
人間だからとひとくくりにするのはどうなのかと。
しかし、母が負った心の傷を思えばとてもそんな事は口に出来ず…
本当は忌まわしい人間たちと繋がりをもつとされる空を皆が嫌っている中
自分は青空が好きだとも言えず…
その事は妹のアンヌとの二人だけの秘密でした。
そんな中セティアが誕生し、集落はかつてないほどざわめき立ちます。
一族に悪魔が産まれたと。
あの忌まわしい空と同じ目を宿した悪魔が産まれてしまったと。
ただちに処刑せねばと。
しかし、セティアの両親が涙ながらに必死に何度も懇願した為なんとか処刑を免れたセティア。
そのあまりの話に言葉を失うイヴリス。
そうしてアシュレには近寄るなと言われてはいたものの、イヴリスはアンヌと共にセティアの元へと訪れます。
セティアの両親も聖女様は会われないほうが良いのではと言うものの
それでもセティアに会うときかないイヴリス。
そうしてなんとか会う事が叶いようやく目にしたセティアは
それはそれはとても愛らしく
自分の大好きな青空と同じ色をしたその美しい瞳に吸い寄せられるようにそっとイヴリスはセティアに触れます。
するとそこには優しく暖かいぬくもりが。
それが手に伝わってきた瞬間イヴリスの瞳からは涙があふれ出し…
ただ瞳の色が違うだけで、どうして自分達の運命はこんなにも違うのか
自分は木々と同じ色をした瞳をもって産まれただけで聖女として崇められ
一方でセティアは皆が嫌う青空と同じ瞳をもって産まれただけで悪魔だと忌み嫌われ処刑までされかけて
ほんの少し手を伸ばして触れてみれば
こんなにもこの子が暖かいぬくもりをもっている事が分かるのに…
どうしてみんなこのぬくもりに触れようとすらしないのか
この残酷な現実にただただ涙を流しセティアを抱きしめるイヴリス
そうして一緒に来たアンヌに言います。
『この子は悪魔なんかじゃない。この子は歌族の普通の女の子。
だってこんなにも温かいのよ。ほら…アンヌも触れてみて』
そう言われそっとセティアに触れるアンヌ
『うん、温かい…温かいねセティア』
そう言いながらアンヌも涙を流します。
その二人の姿に涙を流すセティアの両親。
そうして、イヴリスとアンヌはアシュレに反対されつつも何度も何度もセティアの元に訪れます。
そうして2年の月日が経ち
セティアの愛らしく成長する姿にただただ癒やされる日々を送る二人。
しかし、悲劇は起こってしまいます。
セティアの両親の起こした事故によりアンヌが亡くなってしまったのです。
その衝撃の出来事にショックを受けるイヴリス。
しかし、更なる衝撃的な出来事をイヴリスは告げられます。
アンヌを殺した罪としてアシュレがセティア達一家を処刑すると。
それを知り慌ててイヴリスはセティア達の家へと向かいます。
それは絶対にだめっ!!
そんなのっ…そんなのっ!!!!
しかし、時すでに遅く
セティア達の家へ着くとそこにはセティアの両親の処刑された遺体が…
そして、今にもセティアを殺そうとする母アシュレの姿がそこにはありました。
それを見て慌ててアシュレの前に立ちはだかり涙ながらに止めに入るイヴリス。
しかし、お前は悪魔に魅入られてると
セティアを殺そうとするアシュレ。
それでもセティアを抱きしめ泣き叫びながら必死にイヴリスはセティアを守ろうとします。
その姿にやむを得ず
『天使が生かせと言うなら…』
とセティアは処刑を免れ、アシュレは仕方なくその場を去ります。
後に残ったのはセティアを抱きかかえるイヴリスとセティアの両親の遺体を片付ける歌族の民たち。
目の前の残酷な光景にただただ涙を流し
イヴリスはセティアを連れ自分の部屋へと帰ります。
そうして妹が亡くなった事とセティアの両親を守れなかった事にひたすら涙を流すイヴリス。
『ごめんね…っごめんねセティア』
そうしていつまでもイヴリスは泣き続け
ついには泣き疲れてイヴリスは眠ってしまいます。
その夜
イヴリスはとある夢を見ます。
それは、ある二人の若い男女が仲睦まじそうに幸せそうに過ごしている夢
青年の姿はなぜだかよく見えないけれども
その瞳はとても愛おしげに隣にいる女の子へと向けられていて
『セティア』
と優しげに紡がれた言葉にはとても愛が溢れていて
その優しい瞳に見つめられ、名前を呼ばれて嬉しそうに微笑むセティアであろう女の子
その笑顔があまりにも純粋で
心の底から幸せそうに笑いながら、その瞳もまた隣にいる青年への愛に溢れていて
そんな幸せそうな二人の光景に胸の奥が暖かくなりながらイヴリスは目を覚まします。
ですが目を覚ましたイヴリスはあれは夢じゃないと悟ります。
いつかこの子には大切にしてくれる人が現れる
あの夢の青年はこの子を誰よりも愛してくれるのだと
なぜだかは分からないけれどもイヴリスはそう確信しました。
必ず「青年」はセティアの前に現れると。
ああ…この子は幸せになれるんだ
あんなにも純粋に笑える日々がこの子には訪れるんだ
その事が涙が出るほどたまらなく嬉しかったイヴリス
なら、あの「青年」が現れるまで私がこの子を守ろう
この子の純粋な心がこの集落の人々の悲しみに飲み込まれてしまわないように
この子が笑顔を無くさないでいられるように私がこの子を…
そう心に誓うイヴリス
だから…お願い
必ずこの子を見つけ出して…っ
私の大切なセティアをどうか誰よりも愛して…幸せにしてあげて
そう涙ながらに願うイヴリスでした。
【イヴリスとクロイツ】
クロイツが産まれたその日イヴリスは涙を流します。
もちろん可愛いわが子がこの世に誕生した喜びで涙を流したのもあります。
でも、それだけじゃない気がしたのです。
やっと…
やっと会えたんだと
あなただったんだと なぜかは分からないけれどもそう思えてならなかったイヴリス
この時記憶をなくしていたイヴリスにはどうして自分がそう思うのか分かりませんでしたが
無意識に心の奥底では気づいていたのです。
セティアを愛してくれる青年はこの子だったんだと。