文体スケッチ
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#文字書きさん雨を使わずに雨を表現してください
20200614(日)16:58コメントする ( 1 )
お気に入りの服。
新しい靴。
おろしたてのバッグ。
いつもよりも念入りなメイク。
全部を洗い流すのには、このシャワーは冷たすぎる。
#文字書きさん雨を使わずに雨を表現してください
20200614(日)16:55コメントする ( 1 )
重たい体。時折痛みが脳を刺す。
アノ日みたいな体調。
紫陽花に慰められたら、どんなに楽だろう。
#文字書きさん雨を使わずに雨を表現してください
20200614(日)16:55コメントする ( 0 )
肌に纏わりつく、じとついた空気。
独特の匂いと、青を覆い隠していく雲。
きっと、もうじき。
#文字書きさん雨を使わずに雨を表現してください
20200614(日)16:54コメントする ( 1 )
道路の真ん中に大きくできた水溜りに、また小さく波紋がいくつも生まれていく。
#文字書きさん雨を使わずに雨を表現してください
20200614(日)16:53コメントする ( 1 )
朝、家の猫が頻繁に顔を洗っていた。
家を出たら、燕が低いところを飛び交っている。
私は玄関脇から折り畳みのそれを選んだ。
#文字書きさん雨を使わずに雨を表現してください
20200614(日)16:27コメントする ( 1 )
ぱた、と何かの音がした。
顔を上げ、それが外からだと気付くよりも早く、音は強くはっきりと大きくなる。視線を向けた窓ガラスに、見えない雫がぶつかっては透明なものが伝う。
やがて、光を放つ怒号を落とし、滝のように泣き始めた。
海
20200510(日)16:48コメントする ( 2 )
怒号のように響く。寄せては返す波の音。
湿った空気。慣れない独特の香り。それを運ぶ風。
おぼつかない足元。
近づくごとに大きく聞こえる。
断続的に、不規則に、引いては、寄せて。
繰り返し、繰り返し。
大きく、小さく、大きく、小さく、大きく、大きく。
岩礁に打ち付けては、泡立つ白い波。
砂を巻き込む砂浜。
白い石を敷き詰めた人工的な岸辺。
テトラポットを積み上げた崖。
どこから見ても、ただ大きく広がるだけの水の塊。
時折跳ねる、生き物。
飛び込むのは鳥。
投げられる石。
刻一刻と変わり続ける空の色。雲の形。
揺らめく波間に、光り輝く日差し。
追記
写真は撮ったもの。
日付は思い出せない。タイトルは追記にて
20200327(金)16:47コメントする ( 0 )
銀色の薄い格子。その向こうに煌々と燃え盛る炎。
手を翳して、熱を確かめる。
ひとつ頷き、並んだ皿に手を伸ばす。
どの皿にも、赤く、綺麗な薄切りの身が並んでいる。
形と色が微妙に違うそれらを見比べ、一枚の皿を選ぶ。トングでそっと一枚ずつ摘み上げ、格子の上に折れないように並べる。
途端に音を立てて燃え盛る火。
じゅわっと音を立て、煙が上る。
視界も聴覚も感情も、まるでお祭り気分。
小さな空の小皿に、テーブル脇の液体を流し入れ、トングを構えて待つ。
そっと一枚、トングを差し込み捲り上げて見る。
――いい色だ。
茶色、とも灰色とも言えないそんな色で表すには無粋な言わば"焼き色"。
じわりと浮かぶ赤い汁さえ、身を輝かせる。
店員の声と共に運ばれてくる、白い山を持った茶碗。
トングを箸に持ち替えて、いざ。
「いただきます!!」
追記
タイトル【焼肉】
画像はフリー画像。
多分とても食べたかった。
森
20191004(金)16:44コメントする ( 0 )
陽の光を閉ざす緑の天幕。澱んだ土の臭い。ひんやりとした空気。何かの鳴き声。震える葉音に身を震わせた。辿ってきた道だったはずの地面は、途切れて立ち止まった先に何も見せない。振り返ってみても、根と草が蔽い茂るばかり。一体、私はどこから来たのか。どこへ行けばいいのだろう。――どこに、行けるのだろう。
ワオキツネザル
20190910(火)16:43コメントする ( 4 )
緑の芝生の上。
寛いだ様子で大股開きに足を開いて座る5匹の獣。
一家のような佇まいで腰を落ち着けている。
白と黒の縞模様が鮮やかな毛並みの、長い尾を豪快に垂らしている。
折った膝の上に置かれた手がやわく拳を形成していて、その姿がワンカップを片手にテレビを見る親父そのもの。
白い毛並みに頭部は黒から灰色とも赤茶とも付かない色へのグラデーションカラー。
目元のアイラインと鼻と口元だけが黒く、目は鋭く尖った赤。
お腹は白く、腕の部分は薄い赤茶から灰色の毛並み。
追記
画像はggって出てきたもので書いた。