カランコエの詩
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誰にでも優しい人は頼られる。否、寄生されるの間違いやもしれない。押し付けがましい面の皮が厚い羞恥心等も持ち合わせていない都合のいい人間を探す嗅覚のみ優れた俗物。咲き誇った美麗な華に群がる害虫は殺虫剤で始末しなくてはならない。
「そう、思いますよね?」
重そうに運ぶ大量の資料。両腕が震え、顔は力んでいるせいか赤みを帯びていた。
「おやおや、名無しさんは非力ですね。」
「あ、ちょっと!」
資料を無理矢理取り上げ、職員室まで運ぶ。煽りながら腹の立つこと言われたりするが、その行動は私を手伝ってくれているものだと理解した。あっという間に終わった頼まれ事。楽になった腕は徐々に軽くなってゆく。
「有難う…。」
「お人好しですね、名無しさんは。」
「用事があるって困っていたのよ。私、暇だったし。」
「へぇ。」
人に仕事おしつけて、友達の家でゲームする事を用事があるって言うんですか。なるほど、ならば嘸かし多忙なんですね。
「ね、キミ…。」
潰れた頭、靴の裏にこびりつく濃度の高い血、酸素に触れた赤がやがて黒に近づきしめしてゆく。
「名無しさんが可哀想だと思わないんですか?彼女は優しい良い子なんです。キミのような人間の嘘を信じ行動した。自身の時間を犠牲にして剰えオレちゃんに説明をする時に“暇”だと言ったんです。彼女は決して暇なんかじゃないのに。わかりますか?この気遣いの意味。キミみたいなものに非難が集まらないように自身を下げて引き受けた旨を説明してくれたんです。彼女の健気さに愛しさが止まりませんよ。なのにキミは無下にした。謝罪もお礼もなし。キミを人間として扱うのは今日で終わりです。とっとと死んじゃって下さい。」
キミの人生に寄り生きる者はオレちゃんが綺麗にしていきますよ。
「彼女は優しい。だからこそ。」
ちゃんと損のないように守らないと。
―終―
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