クロッカスの詩
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吐かれる言葉に安堵する。
「ブラック、好きよ。」
「有難うございます。」
いつものように受け流す。毎日飽きませんねぇ
「ブラックは恋愛とかしないの?」
「オレちゃん悪魔ですよ。」
そんな人間がするようなもの。
「鬼ヤバなコンテンツとして一目置いていますけど。」
それ以外は大したことのない感情です。
「そうじゃないのよ。」
一生懸命、恋愛について教えてくれる名無しさん。
「わかった?」
「わかりません。」
「じゃあ私の想いは伝わらないのね。」
「言葉は伝わりますよ。」
そうじゃないと彼女は必死に言う。からかうと面白いですね。毎日こんなやり取り。やはり人間と遊ぶのは楽しいです。
「どうすれば伝わるかなぁ…」
真剣、ですねぇ。
「それ、伝わると何かあるんですか?」
「伝わったら付き合って恋人になって一緒に居るのよ。」
付き合わなくても恋人じゃなくても一緒に居ますけどね。何が違うんでしょうか。
「名無しさんは鬼ヤバですねぇ。」
意味の分からなさはさとくんとどっこいです。
「まぁ、ただ。」
貴女に言われるのと嫌な気はしないかもです。
「本当にっ!?…いつか、私を好きになってくれる時がくるのかな。」
「さぁ、どうでしょう。」
オレちゃん、名無しさんのいう“好き”も良くわかりませんし。
「悔しい。全然響いてないなんて。」
ツンとして帰っていく。送りましょうか?
「大丈夫、また明日ね。大好き。」
「……また。」
明日なんて来なかった。
「……。」
息をしていない貴女は何も発しない。
「随分あっさりと死んでしまうんですね。」
車にはねられただけで逝ってしまうんですか。
「なるほど、これが恋愛、ですか。」
失うと苦しい、どこもかしこも溢れたフレーズ。
「もう名無しさんには届きませんね。」
たかをくくるもんじゃない。
-終-
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