イラクサの詩
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「待って待って…なんで。」
いつも通りに過ごしていた日常に飛び込んでくる不可思議な出来事。急なめまいから目を瞑り、ふと瞼を開けると私の目は光を失った。昼間だった景色に暗闇が広がる。何の前触れもなく起きた異変に動悸が止まらない。
「……っ、」
この先の人生を絶望視せざる終えない。涙が溢れるも自身の泣き顔すら拝むことすらもう出来はしない。そっと手探りで伸ばす手は何かを掴んだ。
「なに?」
「名無しさん。」
「ブラック?」
そっと手を離す。この手の届く範囲に居るであろうブラックの存在にほんの少し安心してしまった。
「何を座り込んでいるんです?」
「目が…」
「目?」
「見えないの…。」
「それはそれは。」
動揺なく答えるブラック。腕を引っ張られ、無理矢理立ち上がらされる。地に足がつかず浮遊感が身体を襲う。耳に入る風の音が飛んでいる事を私に伝えてくれているかの様だった。
「ブラック怖い、なに?飛んでるの?」
「正解です!さて、名無しさん。」
ピタリと止まる。まだ地にはついていない。小脇に抱えられていた身体が体勢を変え、両脇に手を入れられ宙ぶらりんに抱っこされている。支えられている面積の少なさに不安感しかない。
「今、どれくらいの高さだと思いますか?」
「え?」
「この高さから落ちたら死ぬか死なないか、どちらだと思いますか?」
「…何するつもり?」
「ほんの些細なお遊びです。」
「間違えたら?」
「どうなると思いますか?」
カカッと聞こえる悪魔の笑い声に寒気が止まらない。
「震えてますよ、貴女はこんな事でこわがるのですねぇ。」
「なんで、こんな…」
「だって、人は好きな人ほどいじめたくなるんでしょう?」
悪魔的な悪戯。もう少し玩具になって下さい。
-終-
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