コリウスの詩
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いじめがいがあって、歪む表情が何とも言えん子やな。
「自分、可愛げのないって言われへん?」
「初めて言われました。」
ツンケンして可愛げのない女やで。
「顔と中身合ってへんわ。」
「好き勝手言って下さい。もう知りません。」
べーっと舌を出し退散しようとする。
「飽きへんやつやな、またBの所に行くんか?」
「ちがいます。」
珍しい。どこ行くんや。
「彼は帰れば会えますもの。」
「それ、婚約者の前で言うか?」
「神が勝手に言っただけでしょーが。」
Aさんも嫌だとはっきり言えばいいのに。
「本当に好きな人が出来たとき、後悔するわよ?」
「後悔?」
ふんっと鼻で笑ってしまった。
「ここにそんな上等な女がおるよーにみえへんけど。」
「最低ー。」
ジト目でこちらを見つめる名無しの毛先に触れた。
「神の子と結婚。そんで妻になれるんやで?ここでの地位は約束されたも同然や。」
なのに何故
「さっさと別れてこっちに…」
「そんなものよりBが大事です。」
くるっと振り返り近づいてきた顔。鼻先同士が当たるほどの距離。なんやねん、普段逃げ隠れするくせに。びっくりするやろ。
「………妥協とちゃうわ。」
「…何が?」
離れる名無し。
「こっちにこな後悔するで、ええんか。」
さっさと来い。
「…Bと居ればどこに居ても後悔しませんもの。」
指先からするりと離れていく名無しの髪。
「仲良しこよし、とでも言いたいんか。」
面白くない。
「………。」
魔界に追放すると名無しまで連れていったわ。
「……返せ。」
人の婚約者。
「自分、後悔、しとらんのやろうな…。」
乾いた笑いが溢れた。
「そやんな、あいつとならどこでも…ええんやろ?…」
これを“好き”やと言ったら間違いになるんか。
-終-
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