オオデマリの詩
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ほら、昔からあるじゃない、約束をとりつけるに便利な歌が。
「貴女は本当にどうしょうもない人ですね。」
「また、やったの?」
お互い様の台詞。いや、ことの発端は私だから、私が始まりに過ぎない。この悪魔は私を溺愛してくれている。申し分ない扱いをして大事にしてくれている。だけど、私は物足りない。ブラックの愛を試すように浮気をする。その度に相手が無惨な事になる。シリアルキラーも真っ青の光景。相手は悪魔だものね、それに比べたら人間のする事なんかちっぽけよね。
「…幸せ。」
この瞬間に愛情を強く感じる。なんて異常な話。彼は見透かしている。鉄臭い部屋が一瞬にして片付く術はいつ見ても恍惚としちゃう。何事もなかった部屋に早変わり。便利な能力とはこうあるべきよね。
「何度も同じ事を繰り返して。その頭は飾りですかァ?」
「失礼しちゃう。」
「そろそろいい加減にして欲しいんですけど。」
私の髪にそっと触れる彼の指は艶かしい。そっと胸板に手をつき見上げる。挨拶より軽い謝罪を終わらせる。だってこれは癖だもの、私のは治らないと思うの。
「人間は元々信用出来ませんが、名無しさんの言葉はそれ以下ですね。」
毒気の強い言葉を吐き捨てカカカッと笑う。今日はやけに馬鹿にしてくるのね。
「あら、じゃあ約束でもする?」
「貴女と、ですか?」
なんの冗談だと言わんばかりに笑われた。何もないよりマシだと思ってよ。何度もしてきた行為に初めて約束をとりつけるのよ。
「はい、指切り。」
「チープな契約ですね。」
指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ます。
「指切った。」
「なんです?それ。」
「嘘をついたら罰として針千本飲ますのよ。」
ふむ、と考える仕草をするブラックは何か思うところがあるらしい。
「針、千本ですか。」
「嘘ついたら、ね。」
「飲まなくて良いですよ。」
え?
「そのかわり、」
本当に一本だけ、飲んでください。
-終-
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