アザレアの詩
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ちょっと怖い人。取っ付きにくくて威圧的な関西弁の人。
「ほんっと最悪!」
「あんな人ないから。」
皆、ありかなしかの話してる。A様は評判が悪いみたい。
「名無しはどう思うの?」
好きか嫌いか。はたまた付き合えるか付き合えないか。の話、だよね?
「おこがましくて、考えたことも、ないかな…。」
ごめんなさい、嘘です。めちゃくちゃ考えたことある。
「一人だけいい子ね、貴女って。」
冷やかな目。そうだよね、同調しないとこの社会はやり過ごせない。なのに私はどちらともない返しをしてしまった。
「あ…。」
皆が去っていく。明日からどうしよう。私、嫌われ者になっちゃったかな。
「女って陰湿やなー。」
高みの見物をしていたのか上から降ってくるA様。どうしよう、女特有の会話聞かれちゃってる。嫌な気分にさせちゃったよね。というか何で盗み聞きしてるの。
「自分、明日からどうやって過ごすんや?」
「あ…行き場所ないですね」
「女は怖いからなー、自分、いじめられるんちゃう?」
「ありえ、ますね…」
明日から怖い。それをわざわざ教えてくれるいい性格をしたA様。
「自分、ありなんか?なしなんか?」
「え?」
さっきの話、掘り返してきた。どうしよう。素直に言う?でも…
「あり、です…。」
「どんな所がや?」
髪が長いところもお目もちょっときつい性格も傲慢な所も…。あげるときりがないことに気づいた。ありというか好き、だよね。
「へ〜。」
「きょ、興味ないなら聞かないで、下さい。」
ニコニコしてる。
「今の、なんや告白みたいやな。」
好きだしありだしもう立派な告白だよ。みたいというか告白。これ、詰んだんじゃないかな。ふられたら、もうどこにも居場所ないよ。
「嫌われ者同士、仲良くしよか。」
「な、仲良く…?」
「え、自分、嫌なん?」
「ね、願ったり叶ったり…で、す…」
「…。」
わしわしと私の頭を大雑把に撫で来いと言わんばかりに手首を掴まれた。
「ほな、これからよろしゅう頼むわ。名無し。」
付き合っても嫌われたまま。側に置かれたとて嫌われたまま。結局、前には戻れないけども。
「わいが居る。他にはなーんもいらんやろ?」
「…はいっ。」
2人で、充分。
-終-
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