むせびなく。
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4話
______________________________________________
「カカカッ…。」
ええ、見えましたよ。ですが、まさかこの状況で?有り得ません。
「契約の無効。」
つまり契約失敗。これさえも覆す力。貴女の身に降りかかるこの状態は異常です。
「鬼ヤバです!」
これはどうにもならないものなのか。
「貴女、一体何者なんです…?」
指の隙間から垣間見える目は見開いており、私に問うてきた。
「人間だけど。」
「ここまでくるとジョークに聞こえますね。」
「いや、本当だから。」
母親が居てお腹痛めて産んでくれた人間よ。特殊能力とか皆無。
「……。」
結局、悪魔と契を交わしたとて報われはしなかった。
「それでも、…。」
「…?」
「会えて良かった。」
「ツラくはないのですか?」
「わざわざ聞くのね。」
後悔は二の次。
「私、もう一度言うわ。」
ブラックが好き。
「名無しさ…。」
鈍痛と共に私は死んだ。
「まだ。」
試してみたい。
「好き…」
届けたいはエゴなのかしら。
「好きよ。」
返す言葉を聞く前に私は朽ちる。
「…。」
彼は何度、私の屍を見たのだろう。
「名無しさん。」
もう、やめましょう。
「無駄死にもいいとこです。」
伝えなくても側にいれる。それだけでいいはずでは?
「それもそうとはいかないみたいなのよね」
心でも強く好きと思うとね
「こうなってしまうの。」
ああ、痛い。頭がちぎれそう。
なんて、残忍。
______________________________________________
5話
______________________________________________
目を覚ますとベッドの上だった。羽織物を肩にかけ、あたりを見渡す。
「今日も来る…?」
待てど暮らせど悪魔は来なかった。
「……嘘つき。」
“両思い”だからこそ私は死ぬのよ。
「片方じゃ、私…っ…」
死ぬより辛いじゃない。
「……。」
どこに行ったの。
「ブラック。」
探せば会えるかな。何で避けるの。
「…。」
靴なんてどうだっていい。足に刺さる小石ぐらい気にも止めない。
「…。」
割れた瓶の硝子だって、耐えるもの。
「死ぬことより痛くない。」
貴方に会えない痛みに比べたらもっと軽い。
日の出を迎えた。
「迷ったらまた、来る?」
貴方は私をどれだけ放っておける?
「あらら。」
血まみれじゃないですか。
「やはり彼女は鬼ヤバスターの気質がありましたね。」
この執着心。これが恋い焦がれる人の姿。
「オレちゃん、名無しさんには死んでほしくないだけんです。」
目の前に現れたら貴女はまた…。
「しばらくお別れ、です。」
こんな厄介な物を。
「誰のイタズラなのか。」
余計な真似をしてくれましたね。
「オレちゃんも好きですよ、名無しさん。」
貴女はこれを聞く前に死んでしまいます。
「いつ言えますかねェ…」
人間ですから。
「待ちます、か。」
結局。
「使い物にならないわね。」
何針塗ったかわからない足の裏。大袈裟よね。しばらくは歩けない。部屋も移した。大きな窓がある部屋。ここは風もきついからあまり寝室向きでは無いのだけど、いつか悪魔が現れてもすぐに分かるように。
「……こんな私をどう思う?ブラック。」
スマホの画面に映し出される唯一の写真。
そんな私は、ひとり、むせび泣く。
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5話
______________________________________________
あれから何年経ったか。
「あら、手紙。」
あの子もマメな子。元気みたいで何より。
「宛先がないわ。」
返信が出来ないわね。
「……。」
きっと今、会っても死ぬ自信がある。それほど色褪せていない。
「あと、何年経てば、戻ってくるのかな。」
顔をあわせるだけで死んでしまうような思い。
「ブラックが私を思わなくなれば、死ぬこともないのよね。」
その時に現れるつもり?はたまた
「そんな思いのない人の前にはもう、現れない、かな。」
どちらであっても辛いね。
「同じ痛みだといいなぁ…。」
なんて、悪魔に求めるなんて理想が高いかな。
「あーあ。」
綺麗な姿で会いたかったな。もう老いさらばえてしまった。
「寿命が尽きてしまうわね…。」
決してもう長くはない。
「いつ死んでもおかしくない、ですね。」
「……。」
「この時を待っていました。」
何十年も。
「いつ死んでもおかしくない貴女を、ずっと待っていましたよ。」
「ブラック…?」
どういうこと。
「…。」
そっと唇が重なった。頬に触れる彼の手は昔も何も変わらない。
「やっと叶いましたね。」
「そう、ね…。」
「好きですよ、名無しさん」
「……。」
頭の中のごちゃごちゃした物が全て消えたわ。
「私も。」
ああ、なんて
「幸せそうな顔をしてるんですか。」
満ち足りた表情で死ぬなんて。
「これで、両思いですよ。」
遅くなりましたね。
こんな運命。なんのイタズラかイジワルか。どちらを苦しめたかったのか。あるいはどちらも苦しめたかったのか。
それはわかりませんが、一言いいですか。
「カカッ、ざまぁみろ、ですねェ。」
これでもいいなんて思えば、一枚上手になることなんて容易いんですよ。
「充分満足しました。」
これがオレちゃんの最初で最後の好きな人です。
「おやすみなさい。」
この冷たくつたうものは何だというのでしょうか。
お姉ちゃん大好き。
私もフミのこと大好きよ。
ほんと?どれくらいフミのこと好き?
友達以上恋人未満、ってやつかしら?
なにそれ。
友達よりも好き。だけど恋人とまではいかない。まぁ、私とフミは女の子同士だから恋人にはならないけれど。
恋人できたらフミ、2番の子になるの?
2番?…どうかしらね。友達としては一番じゃないかしら。
フミ以外、お姉ちゃんのこと好きじゃなかったら、とられないのになぁ。
あらあら。フミはおませさんね。
誰も知る人の居ない、話。
-終-
__________________________________________
最後まで有難う御座いました。
書いてて「はぁ?」とか言いながら仕上げました。
誰も何も得しない小説!!
転生にしてもループものにしても書くの初めて過ぎて辻褄あうこれ?って。本当に申し訳ない。おかしな点しかない。
フミちゃんはSCPのちいさな魔女ですね。アニメ版にもありました。
呪いではないけど、夢主さんはフミ(ちいさな魔女)から魔法をかけられています。あのなんてない会話から産まれたもの。日常会話すぎて気に求めてないから魔女にかけられた事すら気づかない。
なので打ち勝つというわけではないけど、寿命の中でのハッピーエンドにしました。
こんなんで申し訳ないです。ほんと難しい。
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「カカカッ…。」
ええ、見えましたよ。ですが、まさかこの状況で?有り得ません。
「契約の無効。」
つまり契約失敗。これさえも覆す力。貴女の身に降りかかるこの状態は異常です。
「鬼ヤバです!」
これはどうにもならないものなのか。
「貴女、一体何者なんです…?」
指の隙間から垣間見える目は見開いており、私に問うてきた。
「人間だけど。」
「ここまでくるとジョークに聞こえますね。」
「いや、本当だから。」
母親が居てお腹痛めて産んでくれた人間よ。特殊能力とか皆無。
「……。」
結局、悪魔と契を交わしたとて報われはしなかった。
「それでも、…。」
「…?」
「会えて良かった。」
「ツラくはないのですか?」
「わざわざ聞くのね。」
後悔は二の次。
「私、もう一度言うわ。」
ブラックが好き。
「名無しさ…。」
鈍痛と共に私は死んだ。
「まだ。」
試してみたい。
「好き…」
届けたいはエゴなのかしら。
「好きよ。」
返す言葉を聞く前に私は朽ちる。
「…。」
彼は何度、私の屍を見たのだろう。
「名無しさん。」
もう、やめましょう。
「無駄死にもいいとこです。」
伝えなくても側にいれる。それだけでいいはずでは?
「それもそうとはいかないみたいなのよね」
心でも強く好きと思うとね
「こうなってしまうの。」
ああ、痛い。頭がちぎれそう。
なんて、残忍。
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5話
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目を覚ますとベッドの上だった。羽織物を肩にかけ、あたりを見渡す。
「今日も来る…?」
待てど暮らせど悪魔は来なかった。
「……嘘つき。」
“両思い”だからこそ私は死ぬのよ。
「片方じゃ、私…っ…」
死ぬより辛いじゃない。
「……。」
どこに行ったの。
「ブラック。」
探せば会えるかな。何で避けるの。
「…。」
靴なんてどうだっていい。足に刺さる小石ぐらい気にも止めない。
「…。」
割れた瓶の硝子だって、耐えるもの。
「死ぬことより痛くない。」
貴方に会えない痛みに比べたらもっと軽い。
日の出を迎えた。
「迷ったらまた、来る?」
貴方は私をどれだけ放っておける?
「あらら。」
血まみれじゃないですか。
「やはり彼女は鬼ヤバスターの気質がありましたね。」
この執着心。これが恋い焦がれる人の姿。
「オレちゃん、名無しさんには死んでほしくないだけんです。」
目の前に現れたら貴女はまた…。
「しばらくお別れ、です。」
こんな厄介な物を。
「誰のイタズラなのか。」
余計な真似をしてくれましたね。
「オレちゃんも好きですよ、名無しさん。」
貴女はこれを聞く前に死んでしまいます。
「いつ言えますかねェ…」
人間ですから。
「待ちます、か。」
結局。
「使い物にならないわね。」
何針塗ったかわからない足の裏。大袈裟よね。しばらくは歩けない。部屋も移した。大きな窓がある部屋。ここは風もきついからあまり寝室向きでは無いのだけど、いつか悪魔が現れてもすぐに分かるように。
「……こんな私をどう思う?ブラック。」
スマホの画面に映し出される唯一の写真。
そんな私は、ひとり、むせび泣く。
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5話
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あれから何年経ったか。
「あら、手紙。」
あの子もマメな子。元気みたいで何より。
「宛先がないわ。」
返信が出来ないわね。
「……。」
きっと今、会っても死ぬ自信がある。それほど色褪せていない。
「あと、何年経てば、戻ってくるのかな。」
顔をあわせるだけで死んでしまうような思い。
「ブラックが私を思わなくなれば、死ぬこともないのよね。」
その時に現れるつもり?はたまた
「そんな思いのない人の前にはもう、現れない、かな。」
どちらであっても辛いね。
「同じ痛みだといいなぁ…。」
なんて、悪魔に求めるなんて理想が高いかな。
「あーあ。」
綺麗な姿で会いたかったな。もう老いさらばえてしまった。
「寿命が尽きてしまうわね…。」
決してもう長くはない。
「いつ死んでもおかしくない、ですね。」
「……。」
「この時を待っていました。」
何十年も。
「いつ死んでもおかしくない貴女を、ずっと待っていましたよ。」
「ブラック…?」
どういうこと。
「…。」
そっと唇が重なった。頬に触れる彼の手は昔も何も変わらない。
「やっと叶いましたね。」
「そう、ね…。」
「好きですよ、名無しさん」
「……。」
頭の中のごちゃごちゃした物が全て消えたわ。
「私も。」
ああ、なんて
「幸せそうな顔をしてるんですか。」
満ち足りた表情で死ぬなんて。
「これで、両思いですよ。」
遅くなりましたね。
こんな運命。なんのイタズラかイジワルか。どちらを苦しめたかったのか。あるいはどちらも苦しめたかったのか。
それはわかりませんが、一言いいですか。
「カカッ、ざまぁみろ、ですねェ。」
これでもいいなんて思えば、一枚上手になることなんて容易いんですよ。
「充分満足しました。」
これがオレちゃんの最初で最後の好きな人です。
「おやすみなさい。」
この冷たくつたうものは何だというのでしょうか。
お姉ちゃん大好き。
私もフミのこと大好きよ。
ほんと?どれくらいフミのこと好き?
友達以上恋人未満、ってやつかしら?
なにそれ。
友達よりも好き。だけど恋人とまではいかない。まぁ、私とフミは女の子同士だから恋人にはならないけれど。
恋人できたらフミ、2番の子になるの?
2番?…どうかしらね。友達としては一番じゃないかしら。
フミ以外、お姉ちゃんのこと好きじゃなかったら、とられないのになぁ。
あらあら。フミはおませさんね。
誰も知る人の居ない、話。
-終-
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最後まで有難う御座いました。
書いてて「はぁ?」とか言いながら仕上げました。
誰も何も得しない小説!!
転生にしてもループものにしても書くの初めて過ぎて辻褄あうこれ?って。本当に申し訳ない。おかしな点しかない。
フミちゃんはSCPのちいさな魔女ですね。アニメ版にもありました。
呪いではないけど、夢主さんはフミ(ちいさな魔女)から魔法をかけられています。あのなんてない会話から産まれたもの。日常会話すぎて気に求めてないから魔女にかけられた事すら気づかない。
なので打ち勝つというわけではないけど、寿命の中でのハッピーエンドにしました。
こんなんで申し訳ないです。ほんと難しい。
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