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言峰夢「善悪の秤」にまつわる色々

2019/10/23 19:15
※言峰夢「善悪の秤」のネタバレを含むのでお読みいただいてから御覧ください。

大丈夫な方はどうぞ。
(あくまで個人の解釈であるということをご理解いただいた上でお読みください)







◆善悪の秤における天秤の反対側について
何故秤の反対側に乗せるのが「この世全ての悪」でないのか、という点についてですが。(誰にツッコまれた訳でもないけど)

彼自身の存在が「この世全ての悪」側だから。秤は裁きの秤。罪の重さを測るもの。反対側に乗せて釣り合いをとるのなら、反対の性質のものでなくてはいけない気がしたからです。
そして自身の不幸でしか裡を満たせず、自身の平穏を望んでくれる大切な人には決して報いられないという矛盾、もとい罪があるなら、それはまるっと言峰とは反対の性質ではないかと。

◆夢主について(設定だけある)
元々、長々と設定だけはあったんですね。この小説は設定を盛るだけ盛ってその過程で出た産物を掌編小説の形にまとめたものになります。
興味のある方はよければどうぞ。ややグロ……というか児童虐待のような表現が含まれるので要注意です。


***


自身の不幸でしか埋められない女が現れたとき、他人の不幸でしか裡を埋められない男がどう動くのか、少し見てみたいなあと思ったのがすべての始まりです。

自身の痛みでしか生きる実感を得られない夢主。生い立ちが結構な具合に凄惨。ある魔術師の家系に生まれるのだけど、その家系は男性主導で、跡継ぎは男性限定。嫁入りの女性は胎盤扱いで、女の子が生まれたらどうされるかというと、魔術師の魔力ブースターとして全身魔術回路に改造されるという設定。

それで、その家系の真実を知らずに弱小家系の地位向上のために嫁がされた女(夢主の母親)が、その家系の真実に気付いて出奔し、夢主を教会に預けて行方をくらます。で、言峰のところで娘として暮らす……っていう話だった。魔術師なのに教会に預けたのは、母親がかつて璃正さんと縁があったことと、魔術師なら聖堂教会に頼ることはないという先入観を逆手に取ったため。

健全に育ちはするものの、実は出奔した段階で肉体改造はかなり進んでいて、その時の苦痛のトラウマが残っていて、自傷行為をしてしまう。そして肉体改造は幼い頃に唯一受けた仕打ちだから、本人の身体はそれを愛情行為と勘違いしているがために、優しくされればされるほど空虚が膨らみ、傷めつけられることで満たされるという歪んだ性癖を持ってしまう。

ちなみに魔術回路は、一度開いてしまえばあとはスイッチを入れるだけというのは原作プレイ済みの方ならご存知のとおりだとおもうんだけど、side materialによるとそのスイッチは魔術師それぞれに違っていて、性的興奮で開く人、自傷行為でしか開かない人もいるらしい。そしてそれは最初の「開きの儀式」で決まると。

つまりこの子(夢主)は肉体改造儀式の時に、男性から傷めつけられるという条件付けをされて、傷めつけられなければ魔術回路が励起しない。

これ元の家系はやっぱり女を道具にしか見てないから、男性側の女性への傷害行為で女性の魔術回路を励起させ、魔力を増幅させるってことになるんだけど、魔力を通しやすい身体だから、どうにか魔術回路を励起させて、外に魔術を流さないとオーバーヒートしてしまうので、自傷行為で自分を保っていたわけなんだけど。
けど現状、夢主の魔術回路を励起させることができるのは言峰だけという……設定を……盛るだけ盛って力尽きました。←

よければそういう背景に思いを馳せながら読み返していただけると嬉しいなと思います……。ちなみに夢主の年齢は言うと犯罪になる年齢とだけ^q^

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