隙あらば孕ませようとしてくるケルトの大英雄
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●衝撃の事実
「なあ、サーヴァントでも子供が作れるらしいぞ」
「へえ、初耳。ところでその話、誰から聞いたの?」
「言峰。というわけで、オレの子を孕んでくれ」
「はあ!? 断る!! っていうかそれ本当なの? 綺礼のことだからあることないこと言ってるだけじゃないの??」
「試してみるか?」
「ぜっっったいヤダ」
「なんでだよ。オレとお前の仲だろ?」
「私とランサーの仲に何があるって言うのよ」
●そこに愛はあるか
「そんなスナック感覚で孕ませようとされるの、非常に、大変、とっても迷惑なんだけど。だいたい、ランサーは別に私のこと好き! 抱きたい!! って感じじゃないでしょ?」
「好きだ! 抱きてぇ!! って感じだったらいいのか?」
「いや、そうは言ってないから」
「好きだ依久乃! オレの子を孕んでくれ!」
「話聞けよ。そんなインスタントな口説き方であっさり抱かれる女は現代にはいません」
「ふーん、じゃあこれならどうだ?」
「え?」
「(壁ドン&至近距離で)お前が好きだ。…なあ、オレのものになれよ」
「…………!?」
「……こういう感じならいいのか?」
「……はっ……!! っだぁーー近い!!!」
「うぉっと」
「びっくりしたーーもーー!! ほんっっとやめて! ちょっと顔がいいからってそういうこと軽率にすんな!!! っていうかどこで覚えたんだそんな口説き方」
「金ピカがやってるゲームで見た」
「王様、乙女ゲーとかやるんだ……」
●風呂から出たらなんかいる
「ふーさっぱりしたー」
「よう」
「って、ひゃぁ! なな、なんでいるの」
「いやぁ、さっぱりしたところでどうかな、と思って」
「何がどうかな、だよ!!」
「子づくr」
「出てけ! ヘンタイ!!」
「この状況で逃げられるとでも思ってるのか……?」
「また壁ドンとか……二度目は驚かないんだからね。って、ちょ、どこ触って……や、やめ」
「痛くはしねえから……大人しくしてろ」
「……ちょっ、ほんと、やだっ……んっ……」
「なーんてな!湯冷めしちまうからさっさと身体拭きな」
「お、おま……誰のせいだと……!!!」
●寝ようとしたらなんかいる
「さ、寝ようっと……ぎゃあ!?」
「よう、待ってたぜ」
「全裸の変態男がベッドの中にいるので今夜は言峰の部屋で寝ます」
「まあまあそう言わず、軽く一発」
「そんな軽く一杯、みたいなノリで言われても。っていうか服着て」
「何言ってんだ。着ちまったら意味ねえだろ。それともアレか? 着たままするのが趣味なのか?」
「違う!! あーもう服着ないならせめて霊体化して。ってちょっと、布団から出てこないで! やだやだやめて、ああ、何とは言わないけど見えちゃうから!!!」
●もはや日課になり段々対応が雑になる
「なー依久乃ー、オレに抱かれろよー」
「離して、暑い、邪魔」
「一回だけ、な?」
「一回で子供できるとは限らないんで」
「じゃあできるまでしようぜ!」
「そもそもしません!」
●最古の王様に愚痴る
「聞いてよ王様。最近ランサーが私の貞操を狙ってくるんだけど」
「何!? それは許しがたい」
「お、珍しくこっちの言うことに同意してくれるんだ」
「花嫁の処女は全て我のものだ。子を成すというならまずは王に処女を捧げるのが礼儀というもの。つまりは貴様の処女も我のものである。駄犬の分際で王のものに手を出すなど、許し難い行いよな」
「うわあ、思ったより最低な理由。これが人類最古の処女厨か……」
「フハハハ、そう照れるな」
「照れてねえよ! ねえ王様。そもそも私はランサーと結婚しないし、だっ、だいたい……私が処女だとも限らないでしょ!?」
「ハッ、何を言うか。貴様、処女であろう?」
「ぐっ……まあ処女ですが何か!」
●未来の弓兵に相談する
「というわけで、現代の倫理観と貞操観念をお持ちのアーチャー先輩から、アイツに言ってやってほしいんですよ」
「私から何か言ったところで、アレは聞かないと思うがね……」
「そこをなんとか……。私じゃ、上手く説明できないし、かわされちゃうんだよ。持ち前の煽りスキルでひとつ誘導尋問を」
「煽りスキル……。まあ、一応、内容だけは聞こう」
「ありがとう……! アーチャーには、アイツに避妊の重要性と現代で子育てすることの大変さを説明してやって欲しいんだよね。無闇矢鱈に子作りしていい時代じゃないって、わからせてやらないと」
「……ふむ。では君はつまり、避妊さえすればあの男とそういう関係になることについては、満更でもない、と?」
「は!? どうしてそうなるの!?」
「ああ、いや……君の言い方では、そう解釈する事もできる、という話だ。君が本気で嫌がれば、奴も諦めると思うのだがな」
「これでも本気で嫌がってるつもりだったんだけど……。何が足りなかったんだろう? 真剣味?」
「とは言え、最終的には手を出してこないのだろう。であれば、本気ではないかもしれないぞ。あの男のことだから、悪ふざけのつもりで、君が困る顔を見て楽しんでいるというか……」
「え、だとしたら、すごい、私ばかみたいじゃない……?」
「いや、すまない。そういうつもりでは。少なくとも、君が気にすることはひとつもないぞ。悪いとしたら、君が勘違いをするような冗談を言うあの男だ」
「そ、そうだよね……。うっ、アーチャーは優しいね……うちのボンクラどもと違って……」
「苦労しているようだな……。まあ、犬がじゃれているようなものだと思って今まで通り躱していれば、いずれ飽きるだろうさ」
「だよね……! ランサーが私なんかに本気になるわけないだろうし」
●一方その頃
「最近、依久乃にえらくご執心みたいだけど、どういうつもりなの?」
「おう。実は、サーヴァントでも孕ませられるって聞いてな」
「ちょっ、なにそれ、初耳なんだけど!」
「言峰が言ってたんだよ。だから、できるならやろうかと」
「はあ!? 依久乃を!?」
「おう」
「そ、そんな理由で…!? ていうか、できるの!?」
「さあな。わからん。だから試すんだ」
「試すって……ああいや、真偽は今は問題じゃないわ。ともかくそんな、いきなりは、はら……じゃない、に、妊娠させるなんて……」
「なんだ、嬢ちゃん案外初心なんだな」
「るっさいわね、余計なお世話よ!! というか、仮にできたとしても、いきなり子作りをせがむとか、たとえ冗談だとしても流石に最低よ」
「なんでだよ。惚れたら抱くだろ? 普通」
「ああ、惚れてはいるのね……」
「それで子供が出来るとありゃ、孕ませるだろ」
「これがケルトの倫理観……。というか、本気なら尚更タチが悪いんじゃ」
「それに、もし仮に依久乃がオレのものにならなくても、オレの子を孕めば、依久乃はオレの事一生忘れられなくなるだろ」
「あ、ダメだこいつ。早く座に還さないと」
●猛犬、牙を剥く
「さあ、今日こそオレに抱かれろ」
「ねえ、それもうやめようよ。からかってるだけなんでしょ?」
「何がだ」
「いやだから孕ませるとかいうの。なんだかんだ言って結局いつも、本気では手を出して来ないじゃない」
「まあ確かに、手は出してないな」
「だいたいランサーが私に本気になるわけないんだから、そもそも必死になって逃げてるのも変な話だよね」
「……。んー……まあ、そうだなぁ」
「あー、よかった。これでやっと安心して眠れる。これでも最近ちょっと怖かったんだからね」
「すまねえな」
「もう、こういうたちの悪い冗談は勘弁してよ」
「勘違いさせて悪かったよ」
「ほんと、なんか自分がバカみたいに思えて……って待って。なんか近いんだけど」
「とんだ勘違いだ。……オレが本気じゃない、なんて」
「え」
「……捕まえた」
「えっ、ちょ、待って! 離し、て……! やだ、本当に動かない……!!」
「なあ依久乃。ひとついいことを教えてやる」
「……な、なに……?」
「狩人が獲物を泳がせるのは、本気じゃないからじゃない。……いつでも仕留められるからだ」
(暗転)
●愛があればいいってもんじゃない
「うう……なんとか逃げてきたけど……身体中噛まれた……。痛い……。ちょっと綺礼! アンタ飼い犬になんてこと吹き込んでくれたの!!」
「どうした。そんな格好で。野犬にでも襲われたか?」
「だ、誰のせいだと思って……!! ランサーに変なこと教えたでしょ!!」
「はて、何のことかな」
「とぼけんな! サーヴァントは子供できるとかいうあれだよ!!!」
「ああ、あれか。あれは受肉したサーヴァントなら、という話だぞ」
「……それランサーにちゃんと言った?」
「さてな」
「このっ……また大事なところを端折りやがって……!! おかげでこっちは酷い目に遭ったんだからな!!」
「そのようだな。お前が慌てる姿は、なかなかに愉しめたぞ」
「あーーほんっとむかつく!!! さぞ酒が美味かったでしょうねえ!!!」
「……フッ。まあ、安心しろ。そういうわけだからこれからは好きなだけ抱かれるといい」
「全然安心できねーよ!! っていうか待って。今おかしなこと言わなかった? 好きなだけ抱かれろ……? 子作りができないなら、ランサーはもう私には手を出してこないはずだよね!?」
「奴にとっては妊娠の可否は問題ではない。あれはただの切欠にすぎんよ」
「どういうこと……?」
「どういうことも何も、お前はあれだけ言い寄られておいて気付かないのか?本人もはっきり自らの気持ちを口にしていただろう」
「……え、嘘でしょ。あれ本気だったの? 二人で結託して私をからかってる訳じゃなくて?」
「アレがお前に嫌われるリスクを冒して私なんぞと徒党を組むと思うかね?」
「それは……」
「それに、お前とて、惚れた男に抱かれるなら本望だろう?」
「え? 待って、惚れてるって、わ、私が、ランサーに!?」
「ほう、やはりその様子では、自覚がなかったのか」
「な、な………!!」
「よかったな。これで晴れて両思いだ。どうした、顔が赤いぞ?」
「う、うるさい!! 仮にそうだったとしても、こんな展開望んでねーよ!! このひとでなし!!」
「何を言う、私ほど人間らしい人間もおるまい」
「あーーそーーですね!!!!」
「なあ、サーヴァントでも子供が作れるらしいぞ」
「へえ、初耳。ところでその話、誰から聞いたの?」
「言峰。というわけで、オレの子を孕んでくれ」
「はあ!? 断る!! っていうかそれ本当なの? 綺礼のことだからあることないこと言ってるだけじゃないの??」
「試してみるか?」
「ぜっっったいヤダ」
「なんでだよ。オレとお前の仲だろ?」
「私とランサーの仲に何があるって言うのよ」
●そこに愛はあるか
「そんなスナック感覚で孕ませようとされるの、非常に、大変、とっても迷惑なんだけど。だいたい、ランサーは別に私のこと好き! 抱きたい!! って感じじゃないでしょ?」
「好きだ! 抱きてぇ!! って感じだったらいいのか?」
「いや、そうは言ってないから」
「好きだ依久乃! オレの子を孕んでくれ!」
「話聞けよ。そんなインスタントな口説き方であっさり抱かれる女は現代にはいません」
「ふーん、じゃあこれならどうだ?」
「え?」
「(壁ドン&至近距離で)お前が好きだ。…なあ、オレのものになれよ」
「…………!?」
「……こういう感じならいいのか?」
「……はっ……!! っだぁーー近い!!!」
「うぉっと」
「びっくりしたーーもーー!! ほんっっとやめて! ちょっと顔がいいからってそういうこと軽率にすんな!!! っていうかどこで覚えたんだそんな口説き方」
「金ピカがやってるゲームで見た」
「王様、乙女ゲーとかやるんだ……」
●風呂から出たらなんかいる
「ふーさっぱりしたー」
「よう」
「って、ひゃぁ! なな、なんでいるの」
「いやぁ、さっぱりしたところでどうかな、と思って」
「何がどうかな、だよ!!」
「子づくr」
「出てけ! ヘンタイ!!」
「この状況で逃げられるとでも思ってるのか……?」
「また壁ドンとか……二度目は驚かないんだからね。って、ちょ、どこ触って……や、やめ」
「痛くはしねえから……大人しくしてろ」
「……ちょっ、ほんと、やだっ……んっ……」
「なーんてな!湯冷めしちまうからさっさと身体拭きな」
「お、おま……誰のせいだと……!!!」
●寝ようとしたらなんかいる
「さ、寝ようっと……ぎゃあ!?」
「よう、待ってたぜ」
「全裸の変態男がベッドの中にいるので今夜は言峰の部屋で寝ます」
「まあまあそう言わず、軽く一発」
「そんな軽く一杯、みたいなノリで言われても。っていうか服着て」
「何言ってんだ。着ちまったら意味ねえだろ。それともアレか? 着たままするのが趣味なのか?」
「違う!! あーもう服着ないならせめて霊体化して。ってちょっと、布団から出てこないで! やだやだやめて、ああ、何とは言わないけど見えちゃうから!!!」
●もはや日課になり段々対応が雑になる
「なー依久乃ー、オレに抱かれろよー」
「離して、暑い、邪魔」
「一回だけ、な?」
「一回で子供できるとは限らないんで」
「じゃあできるまでしようぜ!」
「そもそもしません!」
●最古の王様に愚痴る
「聞いてよ王様。最近ランサーが私の貞操を狙ってくるんだけど」
「何!? それは許しがたい」
「お、珍しくこっちの言うことに同意してくれるんだ」
「花嫁の処女は全て我のものだ。子を成すというならまずは王に処女を捧げるのが礼儀というもの。つまりは貴様の処女も我のものである。駄犬の分際で王のものに手を出すなど、許し難い行いよな」
「うわあ、思ったより最低な理由。これが人類最古の処女厨か……」
「フハハハ、そう照れるな」
「照れてねえよ! ねえ王様。そもそも私はランサーと結婚しないし、だっ、だいたい……私が処女だとも限らないでしょ!?」
「ハッ、何を言うか。貴様、処女であろう?」
「ぐっ……まあ処女ですが何か!」
●未来の弓兵に相談する
「というわけで、現代の倫理観と貞操観念をお持ちのアーチャー先輩から、アイツに言ってやってほしいんですよ」
「私から何か言ったところで、アレは聞かないと思うがね……」
「そこをなんとか……。私じゃ、上手く説明できないし、かわされちゃうんだよ。持ち前の煽りスキルでひとつ誘導尋問を」
「煽りスキル……。まあ、一応、内容だけは聞こう」
「ありがとう……! アーチャーには、アイツに避妊の重要性と現代で子育てすることの大変さを説明してやって欲しいんだよね。無闇矢鱈に子作りしていい時代じゃないって、わからせてやらないと」
「……ふむ。では君はつまり、避妊さえすればあの男とそういう関係になることについては、満更でもない、と?」
「は!? どうしてそうなるの!?」
「ああ、いや……君の言い方では、そう解釈する事もできる、という話だ。君が本気で嫌がれば、奴も諦めると思うのだがな」
「これでも本気で嫌がってるつもりだったんだけど……。何が足りなかったんだろう? 真剣味?」
「とは言え、最終的には手を出してこないのだろう。であれば、本気ではないかもしれないぞ。あの男のことだから、悪ふざけのつもりで、君が困る顔を見て楽しんでいるというか……」
「え、だとしたら、すごい、私ばかみたいじゃない……?」
「いや、すまない。そういうつもりでは。少なくとも、君が気にすることはひとつもないぞ。悪いとしたら、君が勘違いをするような冗談を言うあの男だ」
「そ、そうだよね……。うっ、アーチャーは優しいね……うちのボンクラどもと違って……」
「苦労しているようだな……。まあ、犬がじゃれているようなものだと思って今まで通り躱していれば、いずれ飽きるだろうさ」
「だよね……! ランサーが私なんかに本気になるわけないだろうし」
●一方その頃
「最近、依久乃にえらくご執心みたいだけど、どういうつもりなの?」
「おう。実は、サーヴァントでも孕ませられるって聞いてな」
「ちょっ、なにそれ、初耳なんだけど!」
「言峰が言ってたんだよ。だから、できるならやろうかと」
「はあ!? 依久乃を!?」
「おう」
「そ、そんな理由で…!? ていうか、できるの!?」
「さあな。わからん。だから試すんだ」
「試すって……ああいや、真偽は今は問題じゃないわ。ともかくそんな、いきなりは、はら……じゃない、に、妊娠させるなんて……」
「なんだ、嬢ちゃん案外初心なんだな」
「るっさいわね、余計なお世話よ!! というか、仮にできたとしても、いきなり子作りをせがむとか、たとえ冗談だとしても流石に最低よ」
「なんでだよ。惚れたら抱くだろ? 普通」
「ああ、惚れてはいるのね……」
「それで子供が出来るとありゃ、孕ませるだろ」
「これがケルトの倫理観……。というか、本気なら尚更タチが悪いんじゃ」
「それに、もし仮に依久乃がオレのものにならなくても、オレの子を孕めば、依久乃はオレの事一生忘れられなくなるだろ」
「あ、ダメだこいつ。早く座に還さないと」
●猛犬、牙を剥く
「さあ、今日こそオレに抱かれろ」
「ねえ、それもうやめようよ。からかってるだけなんでしょ?」
「何がだ」
「いやだから孕ませるとかいうの。なんだかんだ言って結局いつも、本気では手を出して来ないじゃない」
「まあ確かに、手は出してないな」
「だいたいランサーが私に本気になるわけないんだから、そもそも必死になって逃げてるのも変な話だよね」
「……。んー……まあ、そうだなぁ」
「あー、よかった。これでやっと安心して眠れる。これでも最近ちょっと怖かったんだからね」
「すまねえな」
「もう、こういうたちの悪い冗談は勘弁してよ」
「勘違いさせて悪かったよ」
「ほんと、なんか自分がバカみたいに思えて……って待って。なんか近いんだけど」
「とんだ勘違いだ。……オレが本気じゃない、なんて」
「え」
「……捕まえた」
「えっ、ちょ、待って! 離し、て……! やだ、本当に動かない……!!」
「なあ依久乃。ひとついいことを教えてやる」
「……な、なに……?」
「狩人が獲物を泳がせるのは、本気じゃないからじゃない。……いつでも仕留められるからだ」
(暗転)
●愛があればいいってもんじゃない
「うう……なんとか逃げてきたけど……身体中噛まれた……。痛い……。ちょっと綺礼! アンタ飼い犬になんてこと吹き込んでくれたの!!」
「どうした。そんな格好で。野犬にでも襲われたか?」
「だ、誰のせいだと思って……!! ランサーに変なこと教えたでしょ!!」
「はて、何のことかな」
「とぼけんな! サーヴァントは子供できるとかいうあれだよ!!!」
「ああ、あれか。あれは受肉したサーヴァントなら、という話だぞ」
「……それランサーにちゃんと言った?」
「さてな」
「このっ……また大事なところを端折りやがって……!! おかげでこっちは酷い目に遭ったんだからな!!」
「そのようだな。お前が慌てる姿は、なかなかに愉しめたぞ」
「あーーほんっとむかつく!!! さぞ酒が美味かったでしょうねえ!!!」
「……フッ。まあ、安心しろ。そういうわけだからこれからは好きなだけ抱かれるといい」
「全然安心できねーよ!! っていうか待って。今おかしなこと言わなかった? 好きなだけ抱かれろ……? 子作りができないなら、ランサーはもう私には手を出してこないはずだよね!?」
「奴にとっては妊娠の可否は問題ではない。あれはただの切欠にすぎんよ」
「どういうこと……?」
「どういうことも何も、お前はあれだけ言い寄られておいて気付かないのか?本人もはっきり自らの気持ちを口にしていただろう」
「……え、嘘でしょ。あれ本気だったの? 二人で結託して私をからかってる訳じゃなくて?」
「アレがお前に嫌われるリスクを冒して私なんぞと徒党を組むと思うかね?」
「それは……」
「それに、お前とて、惚れた男に抱かれるなら本望だろう?」
「え? 待って、惚れてるって、わ、私が、ランサーに!?」
「ほう、やはりその様子では、自覚がなかったのか」
「な、な………!!」
「よかったな。これで晴れて両思いだ。どうした、顔が赤いぞ?」
「う、うるさい!! 仮にそうだったとしても、こんな展開望んでねーよ!! このひとでなし!!」
「何を言う、私ほど人間らしい人間もおるまい」
「あーーそーーですね!!!!」
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