⑩恋人たちのココロ ~彼であって彼でなく。 「今でもアナタがスキ……。」~
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「はぁッ!!!!」
「えいっ!!!!」
あれから宿題を見て、お昼を四人で食べて、育ち盛りで好奇心旺盛な兄妹は、未来トランクス相手に今は修行に励んでいた。
飛鳳は修行を終え、傍らで末っ子のティアラを寝かし付けながら、三人の修行を見守っていた。
「わわッΣΣ!!」
「右脇のガードが甘いぞ!シルクッ!!」
「ハァハァ……はいッ!!!」
「魔閃…きゃあーーーーーッ!!!!!」
「闇雲に気功系の技を使い過ぎだぞ!ヴェール!!」
「ハァハァ……はいッ!!!」
未来トランクスの修行は、厳しかったが、12歳と8歳の二人は果敢に立ち向かって行った。
その姿は、修行が楽しくて仕方がなかったあの時の、自分たちと似ていて……
「………飛鳳ちゃん?」
「トランクスさん…。」
未来トランクスの声が頭の上から降ってきた時、先程まで彼に修行をつけてもらっていた二人の姿は見えなかった。
「二人なら、クールダウンで地球一周に行ったよ。」
タオルで汗を拭きながら、飛鳳の隣へと腰を下ろした。
「悪かったね;;来て早々、面倒見てもらって終いには修行まで一緒に付き合わせて…。ティアラの面倒まで……。」
「いえΣΣ!!ご一緒出来てうれしかったです。」
飛鳳の返事に柔らかく笑ってこたえる未来トランクス。
彼の笑顔は昔とちっとも変わらなくて…
飛鳳は、この笑顔が大好きだった。
「シルク君もヴェールちゃんもとても強くて…。わたしが相手だと不足かなって…。」
「いや、いい動きだったよ!!見てて『ああ…ちゃんと修行してるんだな』って感じた。一生懸命で努力家なのは、ちっとも変わってない『俺が知ってる飛鳳ちゃんだ』って。」
チクンッ……
何かが刺さるような痛みが、胸に気管に拡がった。
ただ、
ただ……
切なくて、息苦しくて、
無数に刺さった針から、得体の知れない何かが音も起てずに拡散していくようだった。
「向こうで……。向こうのトランクスと何かあったのかい?」
まるで心を見透かす様な言葉……
何で?
どうして?
貴方にはわかるんですか?
どうして……
こんなに優しいの?
どうして『トランクス』じゃなくて、『トランスさん』なんだろう?
何でこんなにも揺らぐんだろうか?
----------
ト『俺が好きなのはアイツと同じ顔だからだ!!そうなんだろ!!!』
-------------
そうなのかもしれない……。
わたしは、あの頃のキモチのまま……
忘れられずにいるのかな?
「………トランクスさん!!…わたし、……わたしッ!!……今でもトランクスさんのことッ!!……
スキなんです!!ずっと、ずっと……。」
一瞬だけ、周りの全てが止まったかの様だった。
心地よく吹いてた風も、
所々で聞こえてた鳥の鳴き声も、
痛い位の心臓も、
何もかもが無機質なものの様に……。
「飛鳳ちゃん……俺は……。」
真っ直ぐ向けられるブルーサファイアの瞳で、穏やかに話し出す未来トランクス。
彼の一言で、
無機質だった空間が静かに、動き出した様だった。
→つづく
「えいっ!!!!」
あれから宿題を見て、お昼を四人で食べて、育ち盛りで好奇心旺盛な兄妹は、未来トランクス相手に今は修行に励んでいた。
飛鳳は修行を終え、傍らで末っ子のティアラを寝かし付けながら、三人の修行を見守っていた。
「わわッΣΣ!!」
「右脇のガードが甘いぞ!シルクッ!!」
「ハァハァ……はいッ!!!」
「魔閃…きゃあーーーーーッ!!!!!」
「闇雲に気功系の技を使い過ぎだぞ!ヴェール!!」
「ハァハァ……はいッ!!!」
未来トランクスの修行は、厳しかったが、12歳と8歳の二人は果敢に立ち向かって行った。
その姿は、修行が楽しくて仕方がなかったあの時の、自分たちと似ていて……
「………飛鳳ちゃん?」
「トランクスさん…。」
未来トランクスの声が頭の上から降ってきた時、先程まで彼に修行をつけてもらっていた二人の姿は見えなかった。
「二人なら、クールダウンで地球一周に行ったよ。」
タオルで汗を拭きながら、飛鳳の隣へと腰を下ろした。
「悪かったね;;来て早々、面倒見てもらって終いには修行まで一緒に付き合わせて…。ティアラの面倒まで……。」
「いえΣΣ!!ご一緒出来てうれしかったです。」
飛鳳の返事に柔らかく笑ってこたえる未来トランクス。
彼の笑顔は昔とちっとも変わらなくて…
飛鳳は、この笑顔が大好きだった。
「シルク君もヴェールちゃんもとても強くて…。わたしが相手だと不足かなって…。」
「いや、いい動きだったよ!!見てて『ああ…ちゃんと修行してるんだな』って感じた。一生懸命で努力家なのは、ちっとも変わってない『俺が知ってる飛鳳ちゃんだ』って。」
チクンッ……
何かが刺さるような痛みが、胸に気管に拡がった。
ただ、
ただ……
切なくて、息苦しくて、
無数に刺さった針から、得体の知れない何かが音も起てずに拡散していくようだった。
「向こうで……。向こうのトランクスと何かあったのかい?」
まるで心を見透かす様な言葉……
何で?
どうして?
貴方にはわかるんですか?
どうして……
こんなに優しいの?
どうして『トランクス』じゃなくて、『トランスさん』なんだろう?
何でこんなにも揺らぐんだろうか?
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ト『俺が好きなのはアイツと同じ顔だからだ!!そうなんだろ!!!』
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そうなのかもしれない……。
わたしは、あの頃のキモチのまま……
忘れられずにいるのかな?
「………トランクスさん!!…わたし、……わたしッ!!……今でもトランクスさんのことッ!!……
スキなんです!!ずっと、ずっと……。」
一瞬だけ、周りの全てが止まったかの様だった。
心地よく吹いてた風も、
所々で聞こえてた鳥の鳴き声も、
痛い位の心臓も、
何もかもが無機質なものの様に……。
「飛鳳ちゃん……俺は……。」
真っ直ぐ向けられるブルーサファイアの瞳で、穏やかに話し出す未来トランクス。
彼の一言で、
無機質だった空間が静かに、動き出した様だった。
→つづく