あっ……。

ごめん。

……。

違うの。

美香夜は悪くない。

僕もさ……。

初めての感情だから、どう処理していいかわからなくて。

君に朝、新作コスメのメイクをしたとき

すっごく綺麗で、僕の見込みどおりで、この悪魔界で僕の二番目に美しいって

なんだか誇り高い気分だったの。

だけど

兄弟たちや、すれ違う悪魔たちみんな君のこと見ててさ

なんだかモヤモヤした。

しかも、僕を見てほしいとか、そういうものじゃなくて

僕の部屋に君を閉じ込めておけばよかったって

こんなに綺麗な君を誰かに見せてしまうなんて

君は、僕のものなのに

……なんて。

おかしいよね

僕から誘って、僕がみんなに自慢したかったはずなのに

見せびらかしたくて、見てほしくて。

気付いたら……。
君を引き留めて、メイクを落とすようお願いしてた。

あの後、目を合わせられなかったのは、自分がどうかしちゃったんだと思って動揺してたんだ。

君にも冷たくしちゃった……。ごめん。

美香夜……。

ねぇ……。

美香夜は、僕のもの、だよね？

……ありがとう。

僕は、僕以外のものなんて本当にどうでもいいの。

……今までは。

今は……。

心の奥底から、君が欲しい。なんなら、僕の部屋に縛り付けておきたい。

……変なこと言っちゃった。やっぱり今日は、ヘンだ。

僕が僕じゃないみたい。

……。

なら、そんなアスモちゃんからのお願い。

今後、いつも以上に綺麗になるときは、僕と二人きりの時だけって

約束してくれる？

必ずだよ。

僕以外に、絶対に見せないでね。

いつだって、どんなことがあったって、僕が愛する美香夜の綺麗な姿を独り占めしたいから。